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メキシコから帰ってこなかった曽祖父

曽祖父は出稼ぎでメキシコに行って、そのまま帰って来なかった。メキシコで結婚して子どもも産まれ、子孫が繁栄してるらしい。

そのことへと思いを馳せる。

祖父は曽祖父に見捨てられたとおもい、大変傷つき、激怒し、自分の子どもたちの前で絶対曽祖父の話をしなかったそうだ。
それでも自分の死を悟ったとき、父親はどんな顔だったかなと写真を眺めていたと。


激怒するということは、それだけ愛されたかったから。それが叶わなかったと感じたから。


それぞれの気持ちがすれ違い、本当の気持ちを伝え合えることもできず、離れ離れのまま人生を終えた2人。

2人のそれぞれの気持ちを決めつけずにあらゆる角度から共感した夜、祖父が喜んだ気がした。
あぁそうだ、なんのジャッジもなく、フラットに、ただ深い共感をして欲しかったんだね。


ずっと寂しかったね。
お父さんともっと遊びたかったね。
寂しいと、本人に直接言いたかったね。
抱きしめてほしいね。
ただ、側にいてほしいね。
帰ってきてほしかったね。
その苦しみ悲しみを誰かにもっと知ってほしかったね。我慢なんかさせないでほしかったよね。
たくさん我慢したんだね。
本当は会いたいよね。
お父さんがいなくなったことで、自分を責めたり自分を悪くおもったこともきっとあるよね。
ねぇ、おじいちゃんはなんにも悪くないよ。

ひいお爺ちゃん、メキシコから帰りたかった?
でもメキシコの家族も大切だよね。
帰りたくても遠くて、簡単には帰れなかったよね。
沖縄の家族のことを考えないわけないよね。
メキシコで結婚して子どもがいるからといって、沖縄の家族を愛してないことにはならないよね。
自分を責めて苦しい日々もあったかな?あぁ、なにも悪くないよ。もう大丈夫。愛してるよ。


私は今は2人に手を合わせたり、共感することしかできない

でも、この共感こそ、みんなしてほしいことなのかもと感じた。
心のこもった真実の共感は、深い癒しが起こる。


私の家系の負の連鎖が、少し何か良い循環に入った気がした。




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