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信頼を元に価値を生み出す現代の錬金術(eスポーツ)について

今後、eスポーツの道へ進んでいくことを考えている人にこの記事を捧げます。

先日、以下の記事を読みました。

チーム解散避けられぬ「eスポーツ」組織としての収益源確立できず

eスポーツのチームが多数、解散を余儀なくされているという
同競技は確実な収益源を確立しづらく、資金不足による解散が多いそう
資金調達に成功しても、運営者の放漫経営の末に解散に至った事例もある

記事の真偽はさておき、確かにeスポーツ業界は非常に収益の出しにくい業界であることは間違いないと思います。

しかし、あくまでも出しにくいだけであって、出せない業界ではないことは数多くのeスポーツチームがスポンサードを受けていることが証明しています。

では、収益を挙げられるeスポーツチームとそれ以外の違いは何なのか。

今回はeスポーツチームにおける収益の中でもスポンサードによる収益を確立するために覚えておきたいことについて触れていきます。

なお、今回の話には「無形商材」と「有形商材」というあまり聞きなれない言葉を使います。

まず最初にこの2つの意味について説明をするので、それを読んでから本文に進んでいただけると分かりやすいかと思いますのが、理解している人は「eスポーツは無形商材が故に信頼が価値となる」まで飛ばしてください。

無形商材と有形商材とは

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世の中には無形商材と有形商材と呼ばれる物が存在します。

無形商材とは形が無い商品・サービスを扱うもので、文字通り「形として触ったり、食べたりできないもの」を指します。
例:ITサービス(Twitter・Instagramなど)、ゲームのプロダクトコードなど

有形商材とは形がある商品・サービスを扱うもので、文字通り「形として触ったり、食べたりすることができるもの」を指します。
例:パソコン、キーボード、お菓子など

一般的に、ビジネスにおいて無形商材の方が有形商材よりも価値を付けづらいため、売れにくいと言われています。

理由は簡単で、有形商材などであれば実際に手に触ってみて「これは良い商品だ・自分が欲しい商品だ」というのが分かりやすいですが、無形商材はそもそも商品としての「形」が存在しないため、価値をイメージするしかないからです。

では、eスポーツは無形商材と有形商材、どちらでしょうか?

eスポーツは無形商材が故に信頼が価値となる

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eスポーツは上記の例でいうと、無形商材に分類されると考えられます。
※いわゆる「人材」も無形商材であるとされています。

無形商材を売るときに一番大事になるのは買い手の信頼を得ることです。

無形商材は有形商材と異なり「形」がないため、買い手の五感に頼ることができません。

もし、食品なのであれば「匂い」「見た目」「味」などの感覚を元にその商品に対して値札通りの価値があるのかどうかを判断できますが、無形商材は脳内でイメージするしかありません。

果たしてこの見えないものにお金を払う価値があるのか。

お金を払うことでどんなメリットがあるのか。

その購入の判断をするうえで非常な大きなポイントとなるのが売り手への信頼です。

無形商材の多くは、その売り手が信頼できるから買う・買わないの2極になりやすいです。

理由は簡単で、その商品が手で触れない・見れない・感じられない以上、売り手の「この商品を買うとこんなに良いことがあるんですよ!」という言葉を信じるしかないからです。

eスポーツチームはどのように売られているのか

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私は思考行結というプロeスポーツチームの運営スタッフの一人で、いわゆるeスポーツチームという無形商材を売り込む側です。

では、どのように売り込んでいるのかというと、自分たちの価値を「信頼」に変えて売り込んでいます。

分かりやすく言うと、「自分たちという商品を買ってくれるならば、あなたたちにこのようなメリットがありますよ」というのを売り込んでいます。

しかし、当然ながら買う側は「それって本当?」となるわけです。

所属している選手は調べれば分かりますが、その選手がいつまでもそのチームにいる保証は無いですし、いつまでも結果を残し続けれるとは限りません。

そのため、eスポーツチームが自分たちのアピールをする際は「信頼と実績」を「価値」に変えて売るしかありません。

ここでいう「信頼と実績」とは様々なことを指します。

チームの活動履歴、所属している選手の人柄、選手たちのSNSでの発信力、過去に行ったイベントの有無や集客数などのデータ、そしてオーナーの人柄。

それらを武器にすることで「私たちは今までこのようなことをしてきました。今後はこのようなことをしていきます。だから私たちを信頼して買いませんか?スポンサードしませんか?」としているのです。

eスポーツは現代の錬金術になりえるか

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「錬金術」とは本来、「卑金属(金銀以外の金属)から金を生み出す」ことを指します。

それが変化し、「無から有を生み出す」というようなイメージが付きました。

しかし、有名な漫画”鋼の錬金術師"でも言っていたように「何かを得ようとするためにはそれと同等の対価が必要」です。

これは現代の市場原理と同じです。

欲しいものがあれば、必ず対価を支払わなければなりません。

eスポーツにおける等価交換とは「信頼という名の通貨」を元に行われています。

分かりやすく言うならば、eスポーツチームは自分たちが積み上げた信頼を通貨として扱い、様々な企業・人からの支援を受けています。

信頼という名の通貨が等価交換されることで、eスポーツチームは「スポンサード」という形で企業から金銭やPCデバイスの贈与などのサポートを受けています。

そしてこの信頼と呼ばれる通貨は、地道に獲得するしか道はありません。

信頼を得るにはあなたを知ってもらうことから始めましょう。

そしたら次はあなたができることをやりましょう。
ゲームイベントを開いてもいいですし、eスポーツオーナーであれば所属選手の育成に力を入れてもいいです。

私みたいにnoteで様々な文章を書くのもいいでしょう。
SNSでリツイートをするだけでも信頼は増えていきます。

そうして地道に「信頼」という名の通貨を稼いでいってください。

そして、いつかその信頼という名の通貨と等価交換できる人を見つけましょう。

それがeスポーツにおける錬金術となります。

しかし、忘れないでください。

信頼というのは地道に積み上げていくしかなく、崩れるのは一瞬です。

バカみたいなことで積み上げた信頼残高を失わないよう、これからも一緒にeスポーツを盛り上げていきましょう!

現場からは以上です。

頂いたサポートは血となり肉となり日本のeスポーツ業界へ落ちていきます。GG.