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「なぜやるのか」を理解すればゲーミングチームの「無駄な脱入隊」はなくなる

(総文字数:約3000文字、記事を読み終えるのに必要な時間:約4分)

多くのゲーミングチームが自分たちのチームに人を入れるとき、「書類選考」「面接」「トライアルや仮入隊」を行っています。

しっかりと書類選考を行い、面接も行っているのに、以下のような悩みで困っていませんか?

「ちゃんと書類選考や面接をしてるのにメンバーがすぐ抜ける・・・」
「面接で言っていたことが守られてない」

e-sportsは「チームプレイが大事」になるタイトルも数多く存在します。

そのため、正しい知識を持って書類選考や面接を行わないと、いつまで経ってもチームと選手間のミスマッチが続きます。

最近では、様々なゲーミングチームに脱入隊を繰り返す人が何人も見られていますが、これもゲーミングチーム側が「正しい知識をもって加入者を見られていない」ことが原因の一つかもしれません。

今一度、「何故、書類選考や面接を行うのか」を再確認しておいたほうが良いでしょう。

なぜ「面接やトライアル(仮入隊)」を行うのかを考える

なぜ、多くのゲーミングチームは面接やトライアルを行うのだろうか?

答えは単純で、「どんな人かを知りたい」「自分たちのチームに合うかどうかを知りたい」からです。

「そんなの分かってるし当たり前じゃん」と、思う人も多いかと思うが、以下のような質問を受けたことがある、もしくは毎回している、という人もいるのではないだろうか。

・煽りなどはしませんか?
・チートはしませんか?
・自分の意見をしっかりと発信できますか?
・チームの和を乱しませんか? etc

こういったことを聞くのが「無駄」とは言わないが、「面接の場はこのようなことを聞く場ではない」というのは断言できます。

ゲーミングチームにおいて、人が他人を判断するのには、大きく分けて「データで判断する」ものと「人間性で判断する」ものがあります。

主に、書類選考や面接では「データで判断する」ものに対して質問を行い、トライアルや仮入隊と呼ばれるもので「人間性を判断」すべきです。

では、どのようなものが書類選考や面接で聞くべきことで、どのようなものがトライアルや仮入隊で見るべきものなのだろうか。

書類選考や面接で聞くべきデータで判断するもの

書類選考や面接で聞くべきことは、端的に言えばデータ(数字)です。

例えば、以下のようなことを聞くべきです。

・年齢
理由⇒
大会によっては年齢制限があるため。

・学生なのか社会人なのか
理由⇒
学生なら毎年安定して「試験などで」忙しい日がスケジュールとして出せるが、社会人の場合はそういうスケジュールが出しにくいため。

・そのゲームにおけるランクやレベル
理由⇒
チームと実力を合わせるため。

・IN率やプレイ頻度
理由⇒
チームの活動量とズレがずれないかを確認するため。

・ほかゲームの経験の有無
理由⇒
同ジャンルのゲームをずっとしてきたのか、初めてプレイするのかで、伸びしろがある程度判断できるため。

・過去にチーム活動をしたことがあるのかどうか
理由⇒
Yesならなぜ抜けたのか、Noなら何がきっかけで応募してきたのかなど。

・PC環境
理由⇒
FPSなど、パソコンスペックによってある程度実力に影響してくるゲームも存在するため。
また、スポンサーを将来つけることを検討している場合、「ストリーマーとして配信できるかどうか」も重要な点になるため。

上記の質問はすべて「Yes or No」で”答えられない”質問になっています。

また、こういった質問は日々の活動において重要な要素になるため、事前に共通知識を持っておかないと、ある日突然「そんなこと面接で聞かれていない!言われていない!」と、すったもんだに発展する可能性が高いです。

そして彼らはTwitterに卒論※を書くようになるのです。

※いわゆる、内部告発やチームへの愚痴をTwitterで叫ぶこと。
前者はチームに非があることが多いが、後者は両者の認識のズレから起きることが非常に多い。
なお、「褒める」意味での卒論も存在する。

逆に、書類選考や面接で聞いても意味がない質問は以下のようなものです。

・煽り行為などはしませんか?
・チームプレイを行えますか?
・報連相(報告・連絡・相談)はできますか?
・自分の意見をしっかりと出せますか?
・チームが負けていてもモチベーションを維持できますか?

こういう質問を毎回しているゲーミングチームも多いのではないだろうか。

何故、上記のような質問が無駄なのかというと、こういう質問でNoというやつはそもそも応募に来ないから

なので、聞くだけ無駄だし、聞いたところで反故される可能性は捨てきれない。

仮に、本心では「No」であっても、チームに入りたい意志がある以上、どんな人でも「Yes」と答えます。

上記のような人間性に関する部分は、書類選考や面接で聞いても無駄なので、後述するトライアルや仮入隊で見るべき項目です。

また、応募者のTwitterなどを軽く見て「こいつやべーやつだな」と思ったらどれだれ「データが良くても」トライアルなんて通さなくていいのです。

どっかのプロゲーミングチームも過去、チートなどを使っていた人を採用し、それを公開したら大炎上からの即謝罪&強制除隊させた悲しい事件もありましたが、TwitterなどのSNSはその人の素が見れるので、一度は見ることをお勧めします。

トライアルや仮入隊で見るべきは人間性

トライアルや仮入隊で見るべき点は人間性です。

つまり、データや数字などではなくその人がどんな人なのかを見ることが大事になります。

具体的には、以下のような点を見ると良いでしょう。

・試合中の発言量
⇒黙ってプレイするのか、自分から積極的に発言をするのか

・負けた時の態度
⇒何も言わないのか、不満を言うのか、チームを鼓舞するようなことを言うのか

・社会人マナー
⇒遅刻・欠席などを「余裕をもって伝える」のか、時間が過ぎてから言ってくるのか、そもそもなにも言わないのか

・その人の技量・プレイスタイル
⇒チームの実力・プレイスタイルとマッチングしているのか(強すぎる・弱すぎるも含めて)

・一緒に楽しく活動できるか
⇒超重要説明不要

これらをトライアル期間で見て、「一緒に活動したいな」と両者が思うようになれば、チーム加入後に意見の違いや、チームと合わなかった等で抜けることは少なくなるだろう。

トライアルや仮入隊期間はどれくらい見るべきか

トライアルは○日!と募集時に定めているチームもありますが、その定めた日数は何を基準に算出したのか考えたことはあるだろうか?

おそらく、「何となくこれくらいかな」といった漠然としたイメージで日数を決めているところも多くあると思う。

では、トライアルや仮入隊はどれくらいの期間を見ればいいのだろうか?

3日?
1週間?
1か月?

これも気を付けてほしいのが、「日数を決めることに意味はない」ということ。

トライアルや仮入隊は前述した「人間性」を見る期間なので、端的に言えば「人間性さえ分かれば1時間でも3日でも1か月でもどれでも良い」が正しいです。

目的(人間性を見る)と手段(日数を決める)をはき違えてはいけません。

トライアルや仮入隊の目的は「人間性」を見ることであって、「特定の期間一緒にプレイする」ことではありません。

ゲーミングチームに限らず、「目的と手段をはき違えている」ケースは非常に多いので注意しましょう。

まとめ

今回の記事で一番伝えたかったのは、以下のことです。

「なぜそれを行うのかを今一度考えてみよう」

これは面接や仮入隊以外でも、日々のチーム活動においても言えることです。

なぜ練習をするのか?それはゲームを上達するため。

なぜ厳しいルールが存在するのか?それは組織を守るため。

なぜnoteに記事を書くのか?それはゲーム業界をより盛り上げたいため。

あらるゆ物事には「なぜそれをすべきなのか」という理由が存在します。

ゲーミングチームで書類選考や面接、トライアルを行う理由は、一言で言ってしまえば「お互いに得になる関係を築くため」です。

そのためには、なぜ書類選考をするのか、なぜ面接をするのか、なぜトライアル期間を設けるのかを正しく理解するのが大事です。

最近はゲーミングチームの脱入隊が目立つことも多くあります。

今回の記事を読むことで、今一度自分たちのチームの目的と、どういう選手を探しているのかを考え直すきっかけになり、加入後のお互いの「こんなはずしゃなかった」が少しでも減ることを祈って。

執筆:Rainbee


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