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彼女の写真を 知ってくれ

 女子高生が写真を撮るという小説を書いたとき、その中に、中版フィルムカメラで大人顔負けの写真を撮る女子高生、氷月 風音(ひづき かざね)というキャラクタを書いた。

 正直なところ、こんな女子高生があり得るのか、というところは気にはかけたけれど、「ぜったいにいないとは言えまい」というぐらいのところで自分にGoサインを出した。最終的にはフィクションであるから、あり得ないと言われたとしても、わたしが書けばいるんだ、ぐらいのつもりで書いたのです。

 そしたら。

 いました。実在しました。

 もうね、まずこれ見て。なんでもいいからとりあえずクリックしてみて。

 これ。女子高生が撮った高校生活。

 桁外れ。写真の力が桁外れです。わたしがフィクションに書いたような女子高生が、実在していた。本当にもう、眺めているだけで時を忘れて吸い込まれてしまうような写真が並んでいる。凄腕の写真家が仰々しいカメラを高校に持ち込んだって絶対に撮れない写真。そういうものがある、ということも小説の中に書いたけれど、こんな写真を実際に見ることができるとは。

 これを撮ったのはもう紹介したようなものですが、葵さんという方。

 高校を卒業され、女子高生写真家ではなくなりましたが、腕はどんどん磨かれています。

 自己紹介的なものはこちらですね。コラージュになっているトップの画像も、まとめて写真集として買いたいようなものばかり。

 この記事にいろいろ外部リンクが張られているので、全部見ましょう。リンク先へ跳ぶたびに、葵さんの底知れない深さを感じる。

 そう書いても跳ばない人いるだろうから特に面白いものをはります。

 これアイデアもとても面白いのだけれど、それをこのレベルに昇華してしまう力。

 そしてnote のこのマガジン。

 ああ。永遠に見ていられる。

 色がやさしい。ビビッドな色がなく、全体にやわらかい色なのに、しっかりとコントラストがある。ほとんど白に近いほどの明るさから、真っ黒みたいな暗部まで、目いっぱいのダイナミックレンジがある。それなのに目に刺さるような色はどこにもない。

 心の中でしか見たことのない空の色。

 視界の中の何よりも透き通った肌の色。

 レンズの前に本当に存在したということを疑いたくなるような写像。

 葵さんの撮った写真を、しっかりした装丁の写真集として手に入れたい。切実にそう思います。

 まずは皆さんに知ってほしい。二十一世紀生まれのこんな写真家がいるということを。

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