[映画]ディパーテッド

 今夜のU-NEXTは『ディパーテッド』。香港映画『インファナル・アフェア』のリメイクとして知られるこの作品。マーティン・スコセッシ監督、マット・デイモン&レオナルド・ディカプリオ+ジャック・ニコルソン。なにそれ、トッピング全部盛り?という顔ぶれ。

 マフィアの回し者として警察に入ってくる男と、マフィアに潜入捜査する警察官。なに?誰の本業がなんですか?

 もうね、ややこしさ全開。要は、裏の顔を持つ人物が狭い範囲にたくさん登場し、あっちもこっちも騙し合い。いったい誰が誰を騙しているのか、どんな目論見があるのか、いろいろがんじがらめのストーリーがもつれ合いながら進んでいくわけです。

 そしてさすがのスコセッシ。上映時間が2時間半もあるんですが、多分途中で飽きる人はいませんね。ポンポンとテンポよくエピソードが畳みかけられ、絡み合った伏線がほぐれてはまた絡み合い、ほぐれたと思ったら別のところと絡まっていて、あれよあれよという間に引きずり込まれていく。

 全部盛りな顔ぶれでリメイクしようという話になるだけあって、ストーリーはもう絶品と言って差し支えない。そして惹きこまれる要素の一つに、俳優たちの芝居がある。一見好青年だけどまったく信用ならないマット・デイモンに対し、見るからにワルだけれどナイーヴでまっすぐなディカプリオ。このコントラストで二時間半を一気に牽引していく。

 さらに、忘れてはならないのが二人の間にいるマフィアのボス。警察のスパイに見張られ、警察にスパイを送り込んでいる人物。それをジャック・ニコルソンが演じている。世界一怖い顔の俳優ジャック・ニコルソン。普通の会話をしていてもまったく正気に見えない。この役は役柄的に、死体から切り取ってきた手を平然と扱ったり、人を殺してきて血まみれのまま普通に会話したりするのだが、この人物像とジャック・ニコルソンがマッチしすぎて危険すぎるのだ。全身からにじみ出るヤバさ。どういうんだろう。こんな俳優ってなかなかいないのではないか。

 ストーリーはファーストカットからラストカットまで二時間半、まったく気が抜けない。もちろんトイレタイムなど無い。これから見る人は飲み物と軽い食べ物を用意し、しっかり用を足した上でじっくりと腰を据えていただきたい。

 さぁ、ここから150分。ノンストップのエンターテイメントをお楽しみあれ。あ、間違っても途中で止めて続きは明日、なんてことできないので翌日に差し支えないようにどうぞ。

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