見出し画像

【映画】最後の選択は善か悪か【セブン】

おはこんばんちは。メタルギアソリッドの推しはザ・ボス、らいまるです。

最近、本業の方で仕事が再開したこともあって、ちょっぴり映画を見る機会が減っている今日この頃ですが、そんなこと以上に新たな環境下での仕事が始まって周りがピリピリしていることに辟易しています。

自分は割と超ポジティブ人間なので「何も考えんと楽しめばいいじゃない」てな感じなのですが、そうはいかない人もいることも理解しているので、早くいろいろな制限が取れればいいなと思っている次第です。

さて、今回は前置きにまったく関係ない映画を紹介します(笑)。

2つ前に紹介した「ゴーン・ガール」を見た流れで、デヴィット・フィンチャー監督の不朽の名作「セブン」を鑑賞しました。10年くらい前に一回見た覚えがあるのですが、内容は物の見事に忘れていたので、今回は改めて感想をつらつらと並べていきます。

■脚本力が遺憾なく発揮された作品

まずは、超簡易型あらすじになります。

あらすじ
”かなり危ない街”で有名な、とある大都会。退職間近のおっちゃん刑事のところに血気盛んな若手刑事が配属された。その日に不審な殺人を発見した二人は、それが連続殺人事件であることを知る。その後、犯人が「7つの大罪」をモチーフにして殺人を犯していることを調べ上げたが、二人の前に予想外な形で犯人が自ら姿を表した。その狙いは?犯人の目的は?誰もが戦慄する衝撃のラストが待っていた。

物語を深く楽しむには、今作の鍵となる「7つの大罪」を知る必要がある。最近、完結した漫画「七つの大罪」ではないので要注意を!

「7つの大罪」というのは、キリスト教の西方教会おもにカトリック教会における用語として知られている。簡単に言えば「人間を罪に導く可能性があると見なされてきた欲望や感情」のこと。基本的には高慢(pride)、強欲(greed)、憤怒(wrath)、色欲(lust)、貪欲(gluttony)、怠惰(sloth)、嫉妬(envy)で構成されている。

今作は、この7つの罪に合わせて犯人ジョン・ドゥ(日本では”名無しの権兵衛”的な意味。決してメタルギアソリッドのAIプログラムではありません)が殺人を犯していく。その状況をモーガン・フリーマン演じるサマセットとブラッド・ピッド演じるミルズが捜査する、という刑事もののサイコサスペンス映画です。

この作品は、いい意味で脚本を書いた人が狂ってますね(笑)。テーマもテーマですが、人を殺める手法もその思考もなかなかに深い、というか怖い。そんなダークな脚本に、あまり明るい色を使わないで有名なデヴィッド・フィンチャー監督の手法がマッチしていて、独特な空気感を作り上げています。また、若きブラッド・ピットと演技力抜群のモーガン・フリーマンの二人がこれまた素晴らしい演技を披露していて、二人の刑事がどんな風にこの事件を解決するのかと期待が膨らんでいきます。

ゾワゾワ感ももちろんですが、どう終わるのかをこちら側に予想させるような展開なので、かなり映画に集中していくことになります。

だが、そこがこの脚本家の凄さだったのです・・・。

■衝撃のラスト。最悪のバッドエンドに何を想う

映画「セブン」はちゃんと最後まで見て、自分の感想を持つことが大事だと思っています。正直、ラストは救いがない。稀に見る強烈なバットエンドです。

ただ、今作が不朽の名作と言われる所以は、ラストが物議を醸すようなラストだったから。ハッキリ言いますが、最後は犯人の思い通りに事が進んで終わります。他の方のレビューに「胸糞悪い映画」なんて言葉もありましたが、言わんとすることはわからなくもない。

それでも、ラストでミルズが取った選択、サマセットが言っていた言葉、どちらも理解することができるんですよね。だから、どっちが良くて、どっちが悪かったという話ではないのかなと。

何がハッピーエンドで、何がバッドエンドかと考えるとすごく難しい。漫画っぽく言うなら虚無エンドとでも言いましょうか。ミルズは地獄を選択して救いを得たのかもしれない。そんな思いにさせるラストなんで、今もなお語り継がれる名作なのでしょう。

最終的な結論からすれば、「狂った作品だけど脚本家のアンドリュー・ケヴィン・ウォーカー天才」に帰結します。

では、今回はこの辺で。


サポートいただければ嬉しいですが、読んでいただいただけで嬉しいです。サポートしていただいたものはクリエイター活動費に使わせていただきます!