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Gaudiyへの入社エントリ: ブロックチェーンのカオスと不確実性に飛び込む

こんにちは。お世話になっております。アメミヤ(@rail44)です。
この記事は、今年2023年4月からジョインしている株式会社Gaudiyの入社エントリになります。

かいしゃしょうかい


誰?

しがないエンジニアです……。 特に目立つ実績とかはないです。
キャリアとしては、2014年からアルバイトとして携わっていたCARTA HOLDINGS(旧VOYAGE GROUP)へ2017年に新卒として入社。
アルバイト時代から退職した2023年1月まで、子会社であるfluctにてSSPと呼ばれるアドテクノロジー領域のプロダクトの開発活動をしていました。

活動の例

在籍期間も長くまあそれなりに色々とプロジェクトはあったのですが、主な守備範囲は↑の記事のような、Webブラウザ上で広告を表示するためのクライアントです。
広告の配信設定を受けとり、適切なレンダリングやCookie類の同期、表示数やクリック数レポートを作成するための計測データを送信する。などが責任の範囲。
技術スタックとしては、幅広いブラウザで動くようRollupで独自のビルドシステムを構築し、幅広いブラウザで動くようTypeScriptで独自のモジュールローダーを書き……などなかなか開発しがいのあるお仕事でした。

個人開発としては、チューリングマシンにとっての福音であるところのプログラミング言語Rustが大好きで、特に車輪の構造を理解するためにおもちゃの車輪を再発明することが多いです。
Reactっぽいコンポーネントがwasmで動くやつとか、LISP + JSONみたいな謎言語vimライクなコマンドラインエディタなどなど。
まったく実用性はなくてもどれも普段使っている車輪が本当によく出来ていることが分かるので嬉しい気分になりますね(何?)

ブロックチェーンについては元々興味はあってWeb3アプリケーションはガシガシ触ったり、チェーンや暗号プロトコルのwhitepaperを読んだりしてかなり興味はあったものの、開発についてはちょっとしたコントラクトやトークンをデプロイしたことがあるのみでした。

転職のきっかけ

CARTA HOLDINGSはエンジニアにとって本当に心地のよい環境でした。そしてそれは多分今でもそうなはず。
特に若手の成長を促進する仕組みが整っているという点は、(内部の人間であるというバイアスはありそうですが)かなりの強みであったと思います。
実際、自分にとってのエンジニア哲学と呼ぶべきなにかはCARTA社と、そのメンバーによって形作らているとしみじみ痛感します。多謝。
そんな中、じゃあ何が転職のきっかけだったのかというと、一つには事業規模の拡大からくる個人的な方向性とのギャップと、もう一つにはエンジニアとしてのチャレンジをしてみたいという理由でした。

私がCARTA社と関わりが始まった2014年には300名程度だった社員数は、事業規模の拡大や経営統合もあり1000名を超えています。
徐々に、日々の業務のステークホルダーの多さや、全社的な取り組みへの手触り感のなさが感じられるようになってしまいました。
とは言いつつこれは、大きなお仕事をするには本当に仕方のないことですし、この規模の会社としてはメンバーの全社的なコミットは依然としてとても多いはず。
おそらく完全に、私自身が心地よいと感じる組織の規模とのミスマッチの結果なので、成長したいエンジニアと酒が飲みたいエンジニアは遊びにいくといいと思います!おすすめできます。
というかここの課題に挑もうとメンバーが奮闘する中、嗜好から転職に走った格好なのかもしれません。すまぬ。すまぬ。

次にエンジニアとしてのチャレンジをしたいという軸についてです。
広告では本当に多くのトラフィックや予算が動くし、そこに潜む課題を解決するために技術を振るうのは本当に楽しいのだけれど、自分が開発している機能が社会で活躍してるぞ!という手触り感を求めたくなってしまいました。
(まあ有り体に言ってしまえば長いことやったし広告以外もやってみるかーぐらいな感じではあるんだけれど)

なので特定の技術、たとえばRustが書きたくてたまらない!というよりは、
来年には0x20歳を迎える年齢だし、コンフォートゾーンあるいはキャズムを超えていかなきゃなあという意思決定と言えそうです。

入社の決め手

そういう訳で、元々エンジニアリングの指向性としてプリミティブな領域への興味が強くはあるものの、当初は特に技術スタックを絞らず様々な会社の話を聞いていました。

更に言えば、その時点ではブロックチェーン領域の企業を転職先とするつもりはありませんでした。
というのも、ブロックチェーンの長所がきちんと活かされた実装例の少なさや、投機として過熱しすぎている印象があったためです。
技術的には非常に面白さがある一方、自分の本業にするとしても数年後かなーという状態でした。

そんな中、いくつかの会社との面談等を重ねたり改めて様々なプロジェクトを調べてみると、ブロックチェーンの社会実装はもしかすると今が面白いフェーズなのではないかという印象が芽生えることとなります。
具体的には、

  • 従来のブラウザ拡張型でユーザー自身に鍵の管理の全責任を負わせるようなウォレットの問題点を解決するERC-4337(Account Abstraction)

  • 国内でも金融分野でコンソーシアム型のブロックチェーンを用いた債券や価値移転の実例が出てきたこと

  • それらを既存のWebアプリケーションの開発体験の延長線上で行うためのフレームワークやツール群の充実

などです。

今回ジョインしたGaudiy社は国内のエンターテイメントIPホルダーに向けて、コンテンツのファンがそのIPの価値を高めていくプラットフォームを提供する事業形態となっています。
過熱しすぎた投機にあまり良い印象を持っていなかったというのもあり、資産を増やすためではなくコンテンツへの愛情と熱意駆動な経済圏を目指している点に面白さと魅力を感じ、入社を決めました。

入社してみての感想、あるいはこういう人に合っている組織かもという話

制度や報酬面、アーキテクチャだったり業務内容は公式情報に譲りつつ、実際私が入社してみて感じたことをつらつらと書いていきます。

入社してからは、主に私たちのプラットフォームで流通する商品やマーケットをブロックチェーン上のコントラクトで表現したり、その実行結果やイベントを従来のWebアプリケーションから扱えるようにする機能の開発などを担当してきました。
また、弊社Doiが実装した前述したERC-4337ウォレットの実装をブラウザから扱うためのクライアントの実装なども一部担当しました。

まずとても個人的な感想からですが、これまでかなり純粋なB2Bに近い広告業界でしかキャリアを積んでいなかったことからくる、B2Cの難しさはとても大きい部分でした。
広告では大量のトラフィックが発生しますが、その中の数回のエラーを防ぐために労力を割くよりは、何かマズいことが起きていることに早く気付くであるとかそれに対して早く対処できることへ注力するという意識を強く持っていました。
もちろんこの意識が今でも業務で役立つことは多くあるのですが、ユーザーが直接触るアプリケーションでいかにしてデグレを防止するかであったり、よりモンキーテスト的な異常系への考慮という観点は入社してからかなり身についた部分です。
ここは転職理由でも書いたとおり頭では分かっていたつもりでも、やはりキャズムを超えて実践することが肝要なのだと改めて思わされたうちの1つと言えます。

また、Account Abstractionを始め比較的新しいEIP/ERC規格を用いた機能開発は国内はおろか海外にも先行事例が少なく、そもそもSolidityをプロダクションレベルで開発したことのない私にはかなりインプットの労力がありました。
しかしながら、ホントーに情報がないので試行錯誤しつつチームで答えを探しにいくのはスリルあるけれどやりがいのある仕事で、これはまだ誰も見たことのないモノや価値を作れるかもしれないという滅茶苦茶楽しい感覚にも繋がってきています。

組織の雰囲気としてはあまり多くの会社を知らないのであくまで私見ですが、芯があって自律して動くことの出来るメンバーが多いと感じています。
個性豊かであんまりこういう人が多い!って傾向を見つけられてはいないですが、一家言のある譲れない分野や領域を備えている人だなーとなる機会が豊富。

一方で、まだ短い期間ながら感じている課題としては全社的な状況の変化の多さに加え、個々が自律的に動くことを目指した組織の構造も相まって、各チームや職種間で情報に新旧や格差が生まれている側面がありそうです。
なので、フェーズとしてバリバリ開発をするプレイヤーとしての役割はもちろん、ポジションに関わらずそこをみんなで改善していこうというマインドが求められる環境だと感じています。

Recruit

私はブロックチェーン領域に比重を置いたポジションですが、募集しているポジションの範囲はめちゃくちゃ広いです。

なので、今までWebアプリケーションの会社でエンジニアをやっていたという方でここまでの話に何か惹かれるものが少しでもあれば、お話から気軽にいろんな経路で声をかけてください!
というか会社の雰囲気的に、事業を楽しく作っていけそうな面白人間であれば別に募集してなくてもカジュアルに面談から大丈夫なはず。知らんけど。(社内レビュー予定)(社内レビュー通過)

これから

ブロックチェーンが本当に社会を便利にするのかどうかという疑問に少しずつ回答が出始めている状況かなと思うので、それをより確実なものにするためにWebアプリケーションの体験とオープンでセキュアな価値移転をなめらかに接続していくのが目標かなと思います。
なかなかにカオスで技術的にもどのアプローチが今後スタンダードになっていくのかが見えづらくもあり、不確実性だらけですがそれもまた醍醐味ですね。


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