見出し画像

好きなことを仕事にしたら壁にぶち当たりまくった話


突然の身の上話。
私は元々営業職として働いていましたが、
紆余曲折を経て20代後半で未経験からデザイナーにキャリアチェンジしました。
今はデザイン職として企業で働いています。
(この話はまた別の機会に書きたい)

好きなことを仕事にしたい。
いきいきと働きたい。

その一心で、
ものづくりが好きだった私は
デザイナーになりました。

が、いざ好きを仕事にしてみたら
思いもよらない壁にぶち当たりまくりました。

がむしゃらに駆け抜けた3年を振り返り、

私と同じように、好きなことを仕事に!
とキャリアチェンジを考えている方の
何か参考になればと思いシェアします。

壁①
周囲の”好き”の深さに打ちのめされる

もちろん好きの程度に、
上とか下とか、偉いとか偉くないとか。
そんなものはないということは承知してます。

でも好きを仕事にしている人はすごい。

仕事が好きなことだと、
仕事と生活の境界は限りなく曖昧で、
休むという概念がなく、
年中働いている人も多いです。

デザイン、もちろん好きだけど
家族の時間を削って土日も昼夜を問わず
のめり込むほどかな…
そう思うと、自分の”好き”に
自信がなくなりました。

壁②
既に同世代との差がデカすぎる

圧倒的な好きを持っている人たちは、
そしてそれを遅くとも大学から
人によっては大学院、社会人と
長い年月積み上げてきているものがあります。

たとえ同い年の人であっても
私が20代後半でデザイナーの仲間入りした時点で圧倒的な経験と知識の差が生まれている。

私がまだ初歩的なことを学んでいる一方で、
既に自分の名前でバンバン仕事をしている姿を見ると、

どんなに頑張っても一生追いつけないのでは
とその差を前にして、心が折れました。

壁③
好きを仕事にすることが目的になっていた

とにかく前職を辞めてからは必死で、
好きなことを仕事にするために走り続けた。

専門学校に入り、課題に追われ、徹夜の日々、自主的にコンペに出したり、インターンしたり、卒制、悪戦苦闘の就活を経てなんとか働き先を見つけて…

ついにデザイナーとして働ける!
最初の1年は、デザイナーとして働いている状況だけで心が躍り、満足でした。

とにかく目の前のことを覚えるのに必死で
その先のことを考えることができていなかった。

2年目、3年目をすぎてくると、
確かに好きなことを仕事にできて嬉しいけど、
その仕事で何に貢献したかったんだっけ。
誰に喜んで欲しかったんだっけ。

もちろん思い描いていたことが
ないわけじゃなかったけど、

好きなことを仕事にした、
その仕事でどうやって誰の役に立てるか。
そこまで深く考えることが
できてない自分に気づきました。
こんな大切なことなのに…

壁④
好きなこと、は必ずしも世のため地球のためになるとは限らない

もちろん
私のデザインで喜んで頂けるお客さんがいることも分かっています。そこに喜びもあります。

ただ、私の携わる空間デザインでは特に
トレンドの家具や建材が毎年大量に発表され、また同時に破棄されている現実もあります。

まだまだ使える空間でも
大人の事情で作り替えなければ
いけない時もあります。

世の中すでにモノに溢れているのに、
これ以上増える必要はあるのかな。
デザイナーとして無駄に作ったり破棄したりしてしまっていないかな。

そんな時、好きなことと
社会を良くすることが必ずしも一致しない場面があることを苦しく思うことがあります。

-------------------

以上が私が好きを仕事にしてぶち当たった
主な壁です。

じゃあその壁はどう乗り越えたらいいんだよ!
という声が聞こえてきそうですが、

私もまだ乗り越えきれていない部分があり
乗り越えるためにいろんな手段を検討している段階です。

最近街でも
好きなことを仕事にしよう!

そんなキャッチコピーが溢れている気がして
その言葉が一人歩きしている印象を受けます。

本当に大事なのは
好きなことを仕事にして、その仕事でどんな人にどう喜んでもらいたいか。そして、さらにはそれが社会にとってどう良いことであるのか。だと今は心から実感しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?