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スキルマップをもとにキャリアの考え方を模索する回

気がついたら UI デザイナー3年目になりました。突然将来が不安になったので、デザイナーとしての自分のスキルセットと今後について考えます。あくまで自分の手法でありポエムで、深夜の雑記です。

まず前職について振り返ってみる

もともと私は新卒で銀行に入って3年間働いてました。その間(といっても最後の半年くらい)デジタルハリウッドSTUDIOのWebデザインのコースに平日夜と土日に通って、それから今の会社に転職しました。

銀行では一生の友達になった同期、私が辞めると伝えたら店頭で一緒にわんわん泣いてくれた仲良しのお客さん、勇気を出して正直に「他にやりたいことができた」と打ち明けたら「向いてると思う。残念だけど頑張って!」とおいしい焼肉をおごってくれた優しい支店長たちとの出会いもあり、かけがえのない時間を過ごすことができました。退職してからも飲み会に呼んでもらったり、近くへ遊びに行って上司やパートさんと一緒にランチを食べたりするくらい良い関係を築けています。ただ、本当に仕事が向いてませんでした。

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振り返ってみれば、後述するスキルマップでいう「嫌いだけどできる」が私の中での営業でした。今思えばお金の勉強をさせてもらったおかげで今は趣味の投資が楽しいし、数字もなんとか取れていたし、何より上記のように優しい人たちに囲まれてすごく良い経験ではあったのですが。働いてる当時はお願い営業やクレーマー対応・接客内容に点数をつけられる(!)などの仕事が毎日つらくてつらくて仕方がないと思ってました。

そして何より「この会社でこういうキャリアを歩みたい」という想像がまったくできなかったことが転職を考える一番のきっかけでした。

デザイナーを目指したきっかけを思い出してみる

これは本当に些細なことだったのですが、ちょうどその頃よく会っていた友人が「Webデザイナーをやってるけど、仕事楽しいし好きだよ」と言っていたのがきっかけでした。もともと高校の時にバンドのWebサイトを(既存のフレームをちょっとカスタマイズする程度ですが)いじったり、ロゴを作ったりしていたのでデザインは非常に興味のある分野でした。

ただ向いてない仕事に耐え忍ぶだけで3年経ってしまった、何かしら行動を起こさないと...。と思っていたこともあり「楽しい仕事ってこの世にあるんだ」「私もやりたい」と、週末デジタルハリウッドのSTUDIOに大変軽率に話を聞きに行きました。内容の説明を聞くうちにだんだんと「これは本来の私の好きな、勉強したいことかもしれない」と思えてきて、久しぶりに将来へのワクワクを感じてすごく楽しい気持ちになった結果その場で契約しました。

コースの最後数ヶ月は卒業制作を行うのですが、その時担当してくれた講師が実は今の上司です。講師の方はわりと人数が多くてシフト制なのですが運よく会えることが多くて、デザインだけではなくマークアップについて詳しく教えてくれた日に「かっこいい、私も先生みたいになりたい!」という目標ができて それが嬉しくて走って帰ったのを今でも覚えています。走行中の過去の私へ、憧れの先生と一緒に働けたよ。幸せだね。

死ぬほど頑張った記憶を掘り返してみる

実は、当時の私はなんと信じられないことに卒業制作のデータをUSBメモリだけで管理していました。それだけでも有り得ないのですが、完成間近で不注意からそのUSBメモリをへし折りデータをすべて吹き飛ばした上、満身創痍の状態で駅で電車とホームの間に落ちて全身痣だらけの怪我を負い、そのしばらく後に腸炎にかかって人生で初めて9日間の入院を経験したのですが、そんな困難にも負けずなんとか卒業制作を完成させて発表会に出て無事に卒業しました。冗談みたいな負のスパイラルの中でも人間好きなことなら頑張れると分かった貴重な体験でした。たぶんあの時が人生で一番頑張った。

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こいつを折りました

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入院序盤は高熱で何も喉を通らず、やっとの思いで食したゼリー忘れない

入社してから今まで、何ができるようになったか考える

勉強を頑張ったとはいえたったの半年、しかも後半の怪我や病との闘いは特にデザインスキル向上に全然関係ありません。まさに素人に毛が生えたくらいのスキルで入社したので、最初は先輩に迷惑をかけまくりでした。まずSass?gulp?と単語からまったく理解できないし、簡単なスタイルの崩れを直すのにも数日かかりました。

ちょっとしたバナーのデザインも、今では目も当てられないくらいひどいものを提出してたり...。特に入社直後「本格的なキッチンでお料理パーティーを楽しもう!」という内容のバナーを作った時はキャッチコピーを食うほどにデカい鍋のアイコンを装飾としてつけており、当然「鍋デカすぎるね!」というレビューをもらったことは今も忘れていません。先輩の言い回しは優しかったですが、内心お料理パーティーじゃなくて炊き出しだろ?という感じだったと思います。残存するレビュー前のデザインを見返した今もなお、自分でも上野で半年何を学んできた?と感じる仕上がりでした。

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パンダも悲しいことでしょう

私は今でもよく自分を卑下しがちでこれは自分の大きな短所なのですが、入社当初を振り返るとさすがにだいぶマシになったなと感じます(マシになってないと困るのですが)。

さらに、当時は「未経験入社」を気負うあまり過剰に萎縮してしまっていた面がありました。しかし文章を書く・読むことだけは子供の頃からずっと「好きで得意」だったこともあり、ライティングガイドラインの策定に携われたことが回復のきっかけになりました。

やりたいことをやらせてもらえたことも嬉しかったですし、びっくりするほど単純なことにこの経験をきっかけに「デザインやマークアップももっと頑張ろう」と前向きになることができました。

さらに、自分の不甲斐なさに気持ちが落ちても転職前と違って基本的に仕事と、加えて会社も、なによりデザインが好きなことは変わりませんでした。土日もデザインの本を読んだり、サザエさん症候群にならなかったり、むしろ月曜日が楽しみだったりと全体的に楽しく健やかなマインドで暮らせるようになりました。

今のスキルと向き合う

では、今なぜ穏やかな気持ちで好きな仕事をしながら将来を不安に思うのかというと、ここまで年数を重ねてきたにも関わらず「できるようになったと自信を持って言えること」が少ないと感じたからです。
ちなみに「今後できるようになりたいこと」は山ほどあります。

・ジュニアからシニアになりたい
・安定したビジュアルデザインができるようになりたい
・デザインレビューを一人で、しっかり返せるようになりたい
・WordPressでまるっとサイトを作れるようになりたい
・エンジニアとの連携も考えて、React をもっと書けるようになりたい
・アプリのデザインについて知識を深めたい

など...今思いつきであげてもたくさんあります。しかしより課題の解像度を上げて成長に役立てるためには何ができて何ができないのか、どのくらい足りていないのかを把握する必要があります。私は特に「できる」を把握するのが下手でした。そしてちょうど昨日、以前読んだこの素敵な記事を思い出しました。

すごく手がかりになりそうです。さっそくやってみました。また記事の紹介から、三上さんが作ってくださっていたテンプレートを使わせていただきました。ありがとうございます!

私のマップはこんな感じになりました。

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全体的に「好きだけど苦手」が多いのが課題です。好きならもっと頑張ろうよ、と自分を叱れる良いきっかけになりました。頑張れなさを感じたらその好きは偽物と思うので、マップを見直すべきですね。

また他の要素と並べたり、このようにマップとして視覚化することで「できる」も認識できたように感じます。もちろんあくまで自分の中でのレベルの話であり、要素同士の位置も当然相対的なものではありますが、非常に分かりやすく把握することができました。

今できることと得たいスキルを足して、将来を考える

これ以降ははっきり明確な将来の目標が決まってる人はいらない・もしくは逆説的な作業になりそうではありますが、なりたい像の描き方について書きます。

私は直近の課題に比べて遠目の未来に何になりたいのかがよく分かりません。そこで、上記のマップで「3年以内にできるようになりたい」スキルを得たら何になれそうかを考えてみました。

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私はUIに比べてビジュアルデザインが苦手なのですが、今一番できるようになりたいと思っています。情報がしっかり伝わる&効果のあるバナーや、かっこいいLPを自分の力で作れるようになりたいからです。中心業務はUIですが今もバナーを作る機会は多々あります。今のように、デザインレビューで指摘をもらって修正してはじめて完成できるのではジュニアデザイナーレベルのままなので「シニアになる」目標も叶いません。今年はできるだけ自分の中のベストのレベルを引き上げることが目標です。レビューも先輩から「言うことないけど、こういう方法もあるよ」など高いレベルの指摘をもらいたいし、自分ももっと良い指摘ができるようになりたいです。「鍋がデカい」とかではなく。

マークアップもある程度はできますが、恥ずかしながら未だに詰まることがあるのでそのあたりは出来るだけ早く克服したいと考えています。紙のデザインは会社のパンフレットを作ったことがありましたが、まだWebに比べると慣れていないのでもう少し経験を積みたいです。

ちなみに CI / VI については赤色にはしましたが、3年以内にどうこうではない将来の目標として、できたら会社の戦略や社会的意義をデザインに落とし込めるような立場のデザイナーになりたいなあと漠然と思っています。その一歩として、まずは会社の成長に影響を与えることのできる存在となることが必要になりそうだと考えました。そのためには「好きじゃないし苦手」な数字の分析も頑張らなければなりません。

そして上記ができると、さらにそこへ今持つスキルを総合すると何になれるのか?を考えると「インハウスでいながらフリーでも通用する幅広いスキルを持った、Web中心のデザイナー」なのかなと思いました。わりと全部乗せみたいな感じになってしまいましたが、UIデザイン・マークアップ中心に、他の業務もオールマイティーにこなせるイメージです。さらに先の未来には、色々な経験から得られるであろうその広い視野を活かして「会社を大きくグロースさせる役割を担えるデザイナー」になれたら最高だなと思います。理想は高いけれどなりたいものが見つかったぞ。

苦手との向き合い方

私は苦手には二種類あると思っていて、それは

・回避できる(したい)苦手
・克服すべき苦手

に分類できると考えています。私にとって銀行の営業は回避したい苦手、数字の分析は将来のために克服すべき苦手でした。このあたりの見極めにも「今後どうなりたいか」をはっきりさせる作業が大切なのかも、と今回気がついたことから思いました。

まとめ

遺書か?というレベルに珍しく自分語りになってしまいましたが、今回の記事は以上です。明日も生きます。

全工程通して感じたのは「できない から目を背けない」ことが大事だなということです。私はしょっちゅう「もっとできることがあった」「この指摘は言われる前に気づけたはずだった」と反省するのですが、現にできてないので後からいくらそう思ってもその時点では「できない」にカテゴライズするべきなんですよね。現実から目を背け続けた結果が、今回の急な将来への不安として襲ってきた可能性も少なからずありそうです。

「できない」を開示するのは怖くて恥ずかしいですが、今できていないのは過去の自分の努力不足なので仕方がありません。そもそも何がどのくらいできないのかが自分で分からないと成長できない、と考えれば向き合えそうだなと思いました。またしばらく経ったらマップを見直したりしたいなと思っています。

それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました!


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