見出し画像

「ReDesigner Online Meetup 各社が考えるプロダクトデザイナーとは Vol.3」に参加しました

こんにちは、スペースマーケットデザイン部の新井です。最近面白いオンラインイベントがたくさんあって嬉しいです。今日はこちらのイベントに参加しました。

グッドパッチさん主催のイベントです。プロダクトデザインチームの役割と今後の挑戦について伺えるとのことで、楽しみにしていました!

冒頭ファシリテーターの石原さんからご紹介がありましたが、ReDesignerって学生向けのプラットフォームもやっていたんですね!知らなかったです。

ウェビナー形式で、今回のイベントのゴールは「プロダクトデザイナーの解像度を上げること」とのこと。アンケートによると、参加者はやはり事業会社のUI・UX関連の仕事をしている人が多いようでした。仲間がいっぱいで嬉しいです。

以下、登壇内容についてレポートです。

19:10〜 登壇①Sansan

マネージャーの鈴木さん

入社前は受託メインでご活躍されていたそうです。ここ2年くらいはマネジメントに注力されているとのこと。

Sansanのミッションは「出会いからイノベーションを生み出す」ことで、ビジネスインフラになるのがビジョン。

名刺管理の例のCMはとても有名ですね。Eightはこれまでに無いクラウド名刺管理サービスという市場を開拓した先駆者的存在です。現在は名刺管理サービスだけではなく、最近は領収書データの管理やイベントテック事業なども行なっているそうです。

クリエイティブ事業は基本的に部門に紐付き、各部門に特化したデザイナーが属する体制。全体では約50名ほどのクリエイターがいるそうです。これまでは業務でそれほど絡むことがなかったのですが、最近「juice」というクリエイター横断プロジェクトを開始したとか。この取り組みのおかげで、クリエイターの顔と名前が一致するようになったそうです。

ポートフォリオこちらで見れました。面白そう!

開発プロセス
1年を4クオーターに分けて、何をするか決める段階はプロダクトマネージャーとデザイナーが一緒に考えるそうです。プロセスを図解しフローとして見てみると一見自由度がないようにも捉えられますが、定型化によって効率の良いリリースが叶っているとのことでした。

現在特に力を入れているのはオンライン名刺交換機能。オンライン上での出会いも資産化するために急ピッチで開発を行ったそうです。ゆくゆくは紙での出力も目指して開発されているとか。

鈴木さんの所属するプロダクトマネジメントチームは12名体制で、デバイスごとに特化したチームを作り適宜連携する形。

デザイナーの責務は5段階階層に基づいて考えると要件・構造・骨格・表層にあたります。各専門分野のみに絞って特化することはせず、各自が幅広く活躍しているとのことでした。

ちなみにツールは Figma を使っているそうです。一緒だ!

大切なこと

新たな価値を生み出すこと。「ディスカバリー」フェーズで解像度を上げる営みの中心にデザイナーが存在することを目指す。

それにはやはり顧客=ユーザーへの深い理解が必要不可欠。「ユーザーラボ」として、ワークショップや検証などの取り組みをデザイナーが中心となって繰り返し行なっているとのことでした。

フラットな関係性ゆえに、レビューはよく白熱するそうです。時には意見が割れてバトルすることも。良し悪しの判断軸は「どんな人がどんな時に?」という状況設計。重要ですね!

ランチ勉強会(いいな)の他にも「特訓枠」なる取り組みが週1時間あり、体験を作るということについてCPOとデザイナーの目線を合わせるべく試みを行なっているそうです。

noteも更新されてました!

このように、インプット・アウトプットを通した有益なスキルアップの取り組みがたくさんあるんですね。

プロダクトデザイナーの役割

ユーザーにSansanの価値を伝え、しっかり機能するデザインを提供すること

使いたくて使うユーザーばかりではないので、価値を伝え、使ってもらえるようにと常に心がけているそうです。

とはいえユーザーのことだけ考えて入れば良いわけはなく、事業会社のデザイナーとしては事業の成長にコミットしていかなければなりません。求められる能力はユーザー理解に始まり、段階を踏んで概念のデザインといった難易度の高い内容挙げられていました。

プロダクトマネージャーとデザイナーは共創関係。二人三脚でプロダクトを作り上げていくことが求められているということですね。

「コミュニケーションの中心に位置し、ハブ的に機能するファシリテーターであれ」

巻き込み力・行動力といったオーナーシップを強く持つことが大切。あらゆるステークホルダーとしてデザイナーが介在し、アウトプットのクオリティを高めることが重要といえます。

キャリアはプロフェッショナルかマネジメントかに分かれますが、ゆくゆくはデザイナーの中からCPO・CXOを生み出すことができる環境が整いつつあるとのことでした。

19:30〜 登壇②NTTコミュニケーションズ

「イノベーションは衝動から生まれる」

UXデザイナーの武田さんと田中さん。お二人の属する KOEL はNTT Communications のデザインスタジオ。

NeWork というWeb会議サービスのプロジェクトにおけるデザイナーの関わり方を紹介してくださいました。

これまで出社が当たり前だった世界から突然リモートとなり、ラフなコミュニケーションが減ってしまった現在。よりリアルに近い世界観で気軽に話せるようにとこのサービスが開発されました。

デザインを担当しているのがKOEL、開発は組織上別という分担。場合により、適宜パートナーとの連携もあるそうでした。

シビアなスケジュール
検討・開発からリリースまでなんと3ヶ月(!?)で行なったとのことでした。なかなかシビアなスケジュールで、担当デザイナーはパートナーを除くと3名。UXデザイナー2名、UIデザイナー1名の構成ですが、役割はシーンによってその限りではないそうです。

デザインだけではなく、ユーザーリサーチもデザイナーが行なっていたそうです。ユーザーに突撃で話を聞くこともあったとか。

また、リモートになってからMiroを使って議論することが増えたそうです。

田中さんは新入社員で、入社当初はベンチャーに比べ大きな企業はしがらみが多そう。意思決定が遅いイメージで、開発スピードも劣るのでは?と考えていたそうですが、このような場面にこそデザイナーの役割があると武田さんはお話されていました。

「それなんでやるんですか?」

の一言で、過去の経験で作り上げられた制約という思い込みを払拭することができるとのことでした。

具体的には、組織の体制について。これまでの

・プロダクト
・デザイン
・開発

という縦割り組織から One Team へ再編成を行い、NeWork の短期開発に一体となって取り組めたそうです。

利害が一致せず「衝突」していたかもしれない場面も、チーム一体となることで「対話」にすることができたとか。

このように、何かきっかけを与える=衝動を解き放つ ことで会社はより良くなっていく・その発火材となることが KOEL の役割。

大きい企業だからこそ、色々な人たちと多く関わり合って一つのものを作り上げていくことも醍醐味といえる、と武田さんはお話されていました。

感想

普段事業会社でインハウスデザイナーとして働いていると、他の会社がどのような体制か、どんなプロセスで開発が行われているのかがとても気になります。今回のイベントはそんな気になる部分を知れる良い機会となりました。個人的に印象的だったのは、鈴木さんの「ユーザーだけのことを考えれば良いという訳ではなく、事業の成長に貢献しなければならない」、武田さんの体制の問題点に声を上げ「発火材」となった事例のお話でした。

プロダクトデザイナーの在り方におそらく確固たる正解はなく(どの職種もそうだとは思うのですが)、成長の一端を担う・声をあげてより良くしていく意識と自負、マインドが重要なのだなと思いました。

インタラクティブセッションではデザイン負債などについても話があり、あるある...と共感も抱きながら楽しく聞かせていただきました。ありがとうございました!

それでは、最後に概念に思いを馳せるに相応しい、白い部屋のスペースをご紹介します。

ここまでお読みいただきありがとうございました!

この記事が参加している募集

イベントレポ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?