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知識0からロゴを作りたいー。失敗と達成の記録

こんにちは、スペースマーケットデザイン部の新井です。本日は個人で行ったロゴ作成についてご紹介します。ハウツーではなくあくまで初学者による試行錯誤の記録ですので、気軽に読んでいただけると嬉しいです。

はじめに

スペースマーケットのデザイン部には「ワーキンググループ」という時間があります。リソースの5%内で、期中各自がテーマを決めて研究を行うものです。私が今回ロゴを作成したのはこの取り組みの内でした。

これまで他メンバーが行ってきた内容は

・今話題の「ノーコード」サービスで、今あるLPを刷新してみる
・理想を突き詰めたUIを作ってみる
・デザイントレンドを研究する

など。実業務に近い内容で、実際に施策としてリリースされたアイデアもあります。頼もしい後輩・谷田部さんが手がけたホストアカデミーも実現されたものの一つです。

部内での中間報告を経て、年に2度実施するオンライン成果発表会を行います。ここではデザイナー以外の社員も自由に参加でき、感想や意見をもらえる貴重な機会になっています。

テーマが自由なこともあり、私は今回「実業務でできない分野に挑戦したい」と思っていました。何をしようか迷っていたところ、社内ワークスペースに記されたデザイン部の VISION・MISSION がパッと目に入りました。皆で話し合って決めたので、思い入れがあります。

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目標でもあり、常日頃から浸透しているのを感じる、いわば弊デザイン部を体現する要素です。新メンバーも入り、さらなる定着と体現を目指したいところ。そこでふと

「これってロゴにできないかな」

と思い、今回のテーマを「デザイン部のロゴを作る」に決めました。

まず下調べ

ロゴ作成はほぼ初めてなので、手法について調べました。正直どう作業を始めるかも分からない状態でした。

色々な記事を読んで勉強しましたが、中でもこちらの記事はロゴデザインにまつわるnoteがかなりの数まとめられており、非常に参考になりました!

さっそく失敗する

そんな下調べを万全にした挑戦でしたが、結論から言うと一度失敗しました。
原因は、3つの MISSION をそのまま形にしてしまったことです。

具体的な経緯を説明します。まず、プロの素晴らしい事例に憧れ真似をして「ぽい」スケッチを始めたのですが、当然ながら形ばかりで上手くいきませんでした。

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もちろん「まず手書きでイメージをアウトプットしてみる」手法自体は悪くなかったはずです。しかし、私の場合 MISSION に添えられた説明の意図を改めてよく考え直したり噛み砕くこともせず、(かつ、やったことが一度もないのにそれっぽく)手を動かしてしまったことが悪い方向に働きました。明確な目的なしに作業するのは良くないと、勉強したはずだったのに...。

また、プライベートでも Pinterest で素敵なロゴを集めて研究していたのですが、これも「なんとなく」やったせいでいまいち活かせなかった気がします。

とにかく「3つそれぞれのロゴマークを作る」という思考にとらわれていましたし、一度目の私のフローを改めて言語化すると

pinterest をなんとなく参考に見つつ、説明の文章そのままのイメージでたくさんラフのようなものを描いて、その中から比較的まともなものを拾って、Aiで形をなぞった

という感じでした。ひどい…。

そんなわけで、本質の理解と抽象化が圧倒的に足りないロゴマークが出来上がります。

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中間報告での資料の一部です

オーナーシップは船の舵をとるイメージ、プロアクティブは階段をのぼるイメージでデザイン部が9つある部署の中心となる...など、色々連想して作りはしたのですが今見ても形がそのまますぎるというか、どうも抽象化が足りていない印象です。

今回の目的が「部内へのさらなる VISION・MISSION 定着」である以上、分かりやすさ・シンプルさは必要不可欠です。そのため

・3つもあって多い
・すぐに思い出したり、書いたりできない複雑な形

これらの課題を解決できなければ、役割を叶えるロゴにはなり得ません。

これは、レビューで「数は1つにして、誰でも書けるような簡単な形にしてはどうか」「ロゴってそういうものな気がする」という指摘を受けて気がついたことでした。もっと早くレビューを依頼していれば、この失敗は防げたかもしれません。

再度考え直し。ワードを整理する

今度こそ、本質を理解してから形を作ることを目指します。まずは VISION と MISSION を見直しました。

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MISSION を改めて読んでみると「(部外に)提案する」「領域を超える」など、 VISION である越境ありきで考えられています。そもそも MISSION とはそのような位置付けのものでした。

やはり一つ掲げるものとすれば VISION である「越境」が良さそうです。

続いて「デザイン部」と向き合ってみます。今回は形を描く前に、言葉で整理します。(どう考えてもこの工程が最初に必要でした)

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そうすると「おだやかさ」と「プロ意識」というように現状の長所と目指す姿で、性格の異なる要素が出てきました。また、上記のように組織として変わっていくもの・変わらない(でいたい)ものも浮かび上がりました。

この、異なる印象の共存こそがデザイン部の特徴の要となりそうです。

出てきたワードからイメージを考える

「異なる印象」について、今度は図形のイメージを当てはめて考えてみます。

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「おだやか」「変化に適合していく」といったワードからは曲線や円、「プロ意識」や「成長」といったワードからは直線・角の形を連想しました。

また、最初の作成時には「デザイン部のロゴを作るのでデザイン部の私が作れば違和感はないだろう」と謎のソロプレイをしていたのですが、今回のクライアントは当然ながらデザイン部メンバー全員です。2週間に一度の定例会議で悩んでいるポイントを相談したり、発散の段階でも部のイメージや MISSION について聞いたりとたくさん協力してもらいました。

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部のイメージについて質問するためのメモです

ここでようやくラフ案リベンジ

ここまで考えを固めてから、初めてロゴ案を描き始めます。

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円や曲線と三角形を組み合わせて、異なる印象の共存を表現していきます。三角形が右や上を向いているのは成長やオーナーシップのイメージからです。

また、我々のVISION は越境なので、できるだけ部のイメージだけに固執してしまわないよう、スペースマーケットのロゴや文字も取り入れつつ考えました。

Sモチーフの発見と完成

すると、スペースマーケットの頭文字「S」の小文字を筆記体にするとぴったりな形をしていることに気がつきました。

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これをベースに考えることにします。また、責任感や組織の意識を持たせるためにサービス名も入れました。

またデザインシステムの原則「日常に馴染む」を踏まえ、文字は柔らかい印象の手書きテイストにしました。

そうして出来上がったロゴがこちらです。

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枠をはみ出すことで「越境」を表現しました。まだ調整が必要な部分はありますが、色の展開や使用イメージなども作成しました。

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また社内資料なので公開はできないのですが、年初の社員会でも紹介いただけて嬉しかったです。

次のアクションと感想

細かい部分の調整が必要なので、今月中にはそこを詰めたいです。またお恥ずかしい話ですが、上のステッカーやグッズ化・印刷イメージを気楽に作成してみたところ、そこで初めて文字が潰れないか・遠目から見た時にどうか、など考慮すべきポイントがまだまだたくさんあることが気がつきました。まずはステッカーを作ってみたいので、完成したら改めてご紹介しようと思います。

ロゴデザインという未知の領域へのチャレンジでしたが、とても楽しかったです。膨大な知見や事例を学べるという意味でインターネットの偉大さを実感しつつも、やはり自分でやってみるのが一番勉強になるなと思いました。何にも言えることと思いますが、どこかで得た知識だけでは思うようにいかないことが絶対に出てきて、それを解決することがスキルの成長に何より役立つ気がします。あと、締め切りがある状態で取り組めたのも緊張感があって良かったです。

また、作成フローに沿って進めることの重要性はUIやバナーのデザインと共通していると思いました。やったことのない領域で完全にこれまで学んできたことを忘れ去ってしまったのですが、大切なことは共通しているように感じました。何事も、フローに沿ったつもりでなんとなく、その工程で確実にこなすべき重要な作業をすっ飛ばして進めたのでは上手くいくわけがないんですよね...。

今回せっかく勉強したので、また他のロゴにもチャレンジしてスキルアップできたらと思います。

最後に、スペースマーケット社員らしく「ひとり作業に向いていそうなレンタルスペース」をご紹介します。もくもくされる際はぜひ使ってみてください。

長くなりましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました!



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