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ワンピース初見者が今さら最初からワンピースを読んで総括してみた。(~61巻まで)


各位

マーシャル・D・ちらかわです。

皆様はこのコロナ禍の時節いかがお過ごしでしょうか。

私はというと、来る下半期の繁忙イベントはこれまでになく孤独かつ過酷な闘いとなることが予想されるので、今は凪の時と思い、ここぞとばかりにマイペースに在宅勤務に励んでいます。具体的に言うと、在宅勤務中に無料公開されていたワンピースを61巻分読破しました。反省はしていません。

ということで、これまでワンピースを読んだことが無かった人間として、本当にワンピースは名作なのかということを改めて検証するためにも、各エピソードを総括させていただきました。「最高:★5つ/最低:★無し」という基準で評価しましたが、評価についての異論は認めます。なお、61巻は魚人島編に入る直前までなので、それ以降の物語については今回の総括には含まれていません。尚、ネタバレには配慮しておりません。長々しいですが、ぜひお付き合いください。

■イーストブルー編(評:★★★★★)

イーストブルーの覇者・ドン・クリークの名を借りてドン・クリーク編とするのがごく普通の感覚かもしれませんが、混乱を避けるためここはあえてイーストブルー編とさせてもらいました。フーシャ村~ココヤシ村のお話を括っています。いやぁドン・クリークはかっこいいですね。

さて、イーストブルー編はなんだかんだ原点にして至高という感じがします。グランドラインという未知の世界が大きな目的地としてあるので、既に頂上決戦を描いてしまった今のワンピースにはないワクワク感があります。1話から最高に面白い。仲間が一人一人増えていく桃太郎形式も古典的ながら非常にわかりやすいです。

名シーンもたくさんありました。
「海賊王に、おれはなる!」とか
「二度と負けねェから!」とか
「クソお世話になりました!」とか
「助けて」「当たり前だ!ドン」とか
なんだかんだ、有名なのは半分以上イーストブルー編で生まれてるんじゃないでしょうか。私も全部好きです。

ただ、数ある名エピソードの中でも、やはり好きなのはバラティエ編。
というか、ドン・クリークですね。

まさか、ドン・クリークのことを覚えていない方はいないでしょうね。
何を隠そう、彼は作中でもトップクラスの5,000人の構成員を誇る大海賊団の首領です。イマイチ凄さがわからないという方は、海賊団を企業に置き換えて考えるとわかりやすいでしょう。例えば、正社員数5,000人を誇る企業といえばもう立派な大企業ですよね。日本でいうと任天堂とかがそうです。
ドン・クリークは、その社長クラスってこと。

しかも、ドンはその勝利への飽くなき執着心と、実際にイーストブルーでは無敗を誇った経歴から、卑怯、狡猾と恐れられてはいるものの、自らのクルーがMH5の毒牙にかからないよう、簡易的ながらも解毒成分が多少なり含まれているという高性能マスクを一人一人に配布するきめ細やかさすら、喧伝することなく、密かに持っています。

個人的にドン・クリークで一番シビれたのは
「俺がいるんだ、ギャーギャー騒ぐんじゃねぇよ」
の一言で、全員が騒ぐのをやめるシーンですね。

続けて、
「弱ェといわれて取り乱す奴は自分で弱ェと認めてる証拠だ」
というセリフは自らの信念の強さをそれとなく表している一方で、
「どんな手段であろうと最後に勝つことこそが本当の強者」という
モットーの"最後に"という言葉からは、そのプロセスにおいては敗北をも想定していることが読み取れますよね。無敗経歴に奢ることなく、謙虚さと前向きさを兼ねたリーダー。それがドン・クリークです。
事実、圧倒的な実力差を見せつけられたミホークに再度相まみえても決して怖気づく様子は無く、再びのグランドライン航海を目標としていました。

サンジだけは俺の手で始末つけさせてくれ、と騒ぐギンに対して
「いいか、これは"戦闘"なんだ」と諭すのも理想の上司感があります。
…ありませんか?

こんなに魅力的なのにも関わらず、イマイチ語られることが少ないのは、やはりミホークのせいでしょうね。雑魚狩りミホーク、許すまじ。
あ、雑魚というのはドンの実力というよりは、懸賞金という側面のみを指してますよ?
実際、グランドライン航海7日目で運悪く七武海に出くわしてしまっただけで、そうでなければ中間のレッドラインまでは難なく到達できていたと思います。なんといっても50隻の艦隊を率いた一団。バスターコールでも10隻、といえばその圧倒的な規模がわかりやすいでしょうか。
グランドラインでミホークと対峙した時点で50隻の艦隊を率いていた、
ということはつまり、通過するのも困難なリヴァースマウンテンにおいても、一隻も欠けることなくグランドラインへ到達できる高い操舵技術をもつ船団であったということ。すなわち、烏合の衆ではないことは明らかです。また、辛うじてとはいえ、七武海を相手どり、おそらくカームベルトを通らざるを得ない状況で、総隊長であるドン・クリークを無事脱出させることに成功していることからも、クルーたちは忠誠心、能力ともに優秀であることがうかがえるでしょう。
そもそもギンのような気骨のある、しかもサンジを相手に完封できる実力者を右腕として据えているわけですから、人望に恵まれていることについては、さもありなん。

さて、イーストブルー編の総括は以上です。ちなみにイーストブルー編においてはココヤシ村の話も、61巻まででベスト3に入るくらい好きですが、ドン・クリークを長く語りすぎたので割愛します。

面白くなかったエピソードが皆無のため、★5つです。

■グランドライン突入・リトルガーデン編(評:★★★☆☆)

わかりづらいですが、ローグタウン~リトルガーデンです。

ローグタウンで初めてまともな海兵が登場ましたね。
その名もスモーカー本部大佐。彼、かっちょいいんですが今となっては少し不憫なキャラかなとも思います。この時点ではルフィのライバル、つまりルパンにおける銭形みたいな役割を果たすべく登場したキャラなのかな、と思いましたが展開が大きくなりすぎたせいで、いまや中将クラスでも
モブ扱いなので、いまいちポジションが定まらない印象。
ローグタウン以降は特に彼は何もしてないということに気付いているのは私だけでしょうか。ただ、海軍所属でありつつ唯一上層部にたてつく性格のキャラでもあるので、物語終盤では海軍転覆などの重大なイベントのきっかけとなる気はしますが…。
エースには「俺が海兵でお前が海賊である限りな…」とか言ってたのでいつかはその関係性ではなくなるというフラグか?と思ったけどエースは海賊のまま死んだのでそんなことはなかったぜ。
たしぎがゾロの死んだ幼馴染ソックリという設定、今後何かの理由付けとともに回収される日はくるのか。
「わりぃ、俺死んだ」のシーンは素直に好きでした。

リヴァースマウンテンのジェットコースターのような勢いはワンピースっぽい。絵でよくここまで表現できるなと。グランドラインに入れば海王類、ラブーン、巨人族など、とりあえずデカい生物がたくさん登場するので、グランドラインのスケールの
デカさが単純に視覚的にわかりやすい。デカいっていいよね。
ラブーンについては、後にブルックのウェストブルー時代の仲間であり見捨てられていたわけでもクルーが全滅したわけでもなかったと判明したのが非常にワンピースっぽくよかったです。
リトルガーデンで戦っていた二人が所属していた巨人海賊団というのも新世界で出てきそうな臭いがプンプンします。

★3つ。

■冬島・ドラム王国編(評:★★☆☆☆)

ワンピースが生んだ最強のマスコットキャラ、チョッパー登場回。
あの有名な「黒ひげ海賊団」という名前もここで初登場だったので
初見の私としてはワクワクしました。が、いまだになんで新世界にいた
黒ひげたちがこんなグランドラインのスタート地点まで引き返してわざわざドラム王国を滅ぼして去っていったのか、理由がさっぱりわかりません。
尾田先生、はやく描いてください。まさか忘れてんじゃねぇだろうな?

「ほらな、折れてねぇ」のシーンが一番の見どころっぽいですが
お前が持ってるからだろとかどうしても反射的に思ってしまいます。
こんな性格に生まれてなかったらこのシーンをもっと楽しめたはずなのに。無念。

Dr.ヒルルクの「人は二度死ぬ」的な言葉はいろんな作品で出てくる言葉ですが、出典はなんなんでしょうね。
仏教っぽい価値観ではありますが。

ビビの「あなたは船長失格よ」のシーンは
ルフィが他人の言葉を聞き入れて自分の考えを改めるのってここくらいしかないので印象的でした。

特に何も起きなかったけどチョッパーがいるので、★2つ。

■アラバスタ編(評:★★☆☆☆)

世間の評判だとアラバスタが最高傑作ということらしいですが、私がフラットに読んだ感想としては、まあまあでした。
つまり、ザ・思い出補正でしょうな。(批判されそう・・・・)
ま、「カリスマ性のある大ボス→苦しむ民→悪魔の実能力者同士の熱いバトルで解決→海軍VS海賊もあるよ」のような感じの
グランドラインにおける物語展開のパッケージみたいなものを最初に築いたエピソードかなとは思いますが。

ただ、別に粗探しをしているわけでもないんですが、それでも割と粗が目についてしまったのはわたしだけでしょうか。
特に今回のメインの敵組織である秘密結社バロックワークスのグダグダ感。
敵のボス構成員が30名近くいるのは風呂敷を広げすぎた感が否めません。
それぞれが必要な役割を演じていたらいいのですが、そういう意味では
うち10名くらいしか活躍できてなかった印象あり。なまじラスボスがクロコダイル、という前情報があったため、尚更そこにたどり着くまでにこんなにも敵がいるのか…とゲンナリしてしまった部分はあるかもしれませんが。
野暮かもしれないけど、ビビをアラバスタ王女だと気づかずに入社させる(しかも幹部)というのはありえないのでは。
せめてあえて気づかないふりをして人質候補として雇っていたとかにすればいいのに。
そしてなにより、クロコダイルさんのポンコツ感がすごい。
初登場時から電話の相手がMr.3ではなくサンジだということに最後まで気づかず、計画をペラペラ喋ってしまうという天然っぷり。他にも、海賊なのに水に弱い、何年もかけて乗っ取ろうとしたアラバスタには
目的のプルトンどころか場所を示すポーネグリフすらない、自分が挫折した海賊王を目指すルフィに嫉妬しているっぽい発言、
七武海なのにルーキーにガチンコで負ける、等々…あげれば枚挙に暇がない。これはつまり、萌えキャラってことでおけですか?

ルフィがビビに放った「人は死ぬぞ」という言葉はまさにそのとおりだと思ったけど
ラストの方で結局ワンピースでは人は死なないのがわかったので、なんだか重みに欠けます。未熟なはずのルフィが急に達観していて妙に説教くさい感じもして違和感もありました。というか、当のルフィなんて何回殺されても水と食料ですぐ回復するチート使いなので戦ってるクロコダイルさんがかわいそうでした。私ならコントローラ投げてます。

あと、最後去り際に仲間の印を無言で全員で掲げるシーン。
ああいうのはマジで無理です。クサすぎて鳥肌立っちゃいます。

ここまで書いててふと思いましたが、
自分の陰の者具合に泣けてきますね。…!!!ホ゜ロッ!!!!
泣く泣く★2つ。

■空島・スカイピア編(評:★★★★★)

空からガレオン船が落ちてくるという衝撃的な幕開け。
エネルの目指す「限りない大地」とは青海ではなく、宇宙に浮かぶ月であったという衝撃的な幕引き。最高。

ここまで読んで、既に薄々勘付かれた方もいるかと思いますが、私、はっきり言ってルフィのことがあまり好きじゃないんですが、モックタウンの酒場でベラミーのケンカを買わなかったルフィは好きです。
過去のシャンクスへのリスペクトでもあり、自分の夢に対する矜持でもあるのでしょう。
その後黒ひげに、高みを目指せば出す拳の見つからないケンカもある、とフォローされるのもよかった。なんだこのカッコいい男たちは。
「人の夢は終わらねェ!」好き。

スカイピア編は友情、夢、浪漫あたりがテーマでしょうか。
異文化同士の邂逅や、恐れていた神から解放されるという構図は
過去と未来で相似演出がされていて、素敵です。ルフィが自分の夢を
ただ追い求め続けた結果として、歴史と共に点として存在していた
ノーランド、カルガラ、クリのおっさんたちの想いが紡がれていくという
のは最高でした。次々と真実が明かされていく展開はミステリー小説の
種明かしのような勢いもありましたね。
次元違いの強さゆえに、脈々と続く民草も歴史も文明も全く軽んじる自称神のエネルに対して、
「下の海にはもっと怪物みたいな奴がうじゃうじゃいるんだ!」
とボコボコにしてくれるルフィは紛れもなく主人公感がありました。
久しぶりに勧善懲悪でスッキリ。
「俺たちはここにいる」のナレーションとともに鳴り響く黄金の鐘のシーンはワンピースで一番好きです。

地上のジャヤ島はモックタウンみたいなゴロツキの寄り場なんかができちゃっているのに対して、空島に吹っ飛んでいたもう半分のジャヤ島には失われし文明や民がそのまま時が止まったかのように存在している
というギャップが実に熱い。インダス文明っぽいのも熱い。
スカイピア編は、なんだか本筋にはあまり関係ないといわれることが多いらしいですが、ワンピースという作品でこれから語られる歴史とは数百年レベルのボリュームがあるんだ、ということを示した意味でもスカイピア編は意外と重要かな、と個人的に思います。

ダイアルという新アイテムはウソップやナミといった一般人をパワーアップさせるために出てきた感じでしょうか。
ダイアルで動く海上スキーはエースが初登場時から移動に使っていたので
エースも空島に来たことあるんだ!という妄想も可能で、こういう細かい演出もワンピースうまいよなと。

文句なしの★5つ。

■フォクシー海賊団編(評:★☆☆☆☆)

息抜き回。
ルフィは仲間を何よりも大事にしているかと思えば、軽いノリで仲間を勝算不明の賭けに出しちゃうあたり、二重人格なんじゃないかと思っちゃうね。案の定、一時的にフォクシーの手に落ちてしまったチョッパーが「なんでこんなめに」みたいな至極真っ当な訴えをしたら
「男ならフンドシしめてどうのこうの」みたいにすごい剣幕で怒られてたのがかわいそうでした。
そしてその間、「何甘いこと言ってんだコイツ…」みたいな顔して聞いてるルフィが嫌でしょうがない。
アラバスタ以降、たまにルフィはこういう私の嫌いなモードに入るんですが、注意してやる大人役が周りにいないからこういう時はヘイトがたまる一方です。

青雉の登場はエネルの強さに度肝を抜かれていた矢先なので、地上にも少なくとも同規模レベルの超常現象を起こせる能力の持ち主がいるということを示す意味ではグッドタイミング。

竹馬に乗ってたら降りられなくなったオッサンは面白かったので、★1つ。

■ウォーターセブン編(評:★★★☆☆)

誰がどう見てもベネチアなウォーターセブン。
尾田先生はインドとかエジプトとかベネチアとか、世界のアイコニックな街並みや文化をデフォルメして舞台に取り込むのがうまいですね。ワンピースがグローバルに人気が出ているひとつの理由はこれかもしれない。

大きなイベントとしては、ウソップの一味離脱騒動がありました。
ウソップの役割って今さら何なんだろう?と個人的にも感じていた矢先でしたが、それをウソップ自身に自覚させることで、「役割を見失ってしまった仲間」という役割を負わせることに成功していました。その後、ウソップが自分を見失っている間は狙撃手・そげキングという第三者を演じさせ、ついにはそもそもそげキングではなくとも狙撃手として役割を担えるのではないかというふうに心情変化させることで、一味に復帰させるというのは、かなり高度な描写だなと思います。(全くうまく言い得てないですが、伝わりますかね。)

大抵の弱いキャラは解説役やヤムチャポジに転職していくわけですが、
ウソップは弱いにもかかわらず、今でも麦わらの一味なのはこの騒動があったからでしょう。私の中でも「ウソップいらなくね?」という気持ちは完全に払しょくされてしまいました。

ガレーラ・カンパニーの面々は愉快でとてもよかったです。
結局はほとんどのメンツがスパイだったので残念でしたが、気になるのは
潜伏するにあたって、他のCP9はたいしてキャラを変えてないのに
ロブ・ルッチだけどうして鳩の腹話術でしか話せないというワケのわからんキャラを演じることにしたのか。謎は深まるばかりです。
プルトンの設計図の在処がウォーターセブンとわかっていながら、
入手までに5年もかかってしまうのは、偵察能力を疑ってしまいますけどね。結局最後は実力行使で、しかも危うく偽物をつかまされて失敗するところでした。名前を記憶できるくらいイレギュラーな人物が訪ねてきた時点でマークしとけと。「あいつらに会ったら言っといてくれよ、てめェらクビだと」の時の何とも言えないパウリーの表情と、それを実際にゾロに伝えられた時のカクの感じはよかったです。

最後に、、、「船大工は船の声がわかる」とかいう比喩表現なら理解できますが実際に長文をしゃべり出しちゃうのは茶番です。誰も乗っていないはずの廃船が、大しけの海をあり得ないスピードで航海できちゃうのも茶番です。こんなのに感動するわけねぇだろ、ナメてんのか?(怒)
ゴーイングメリー号、お前だけは許さねぇからな。

ホントは★4つにしたいですが、ゴーイングメリー号のせいで、★3つです。

■エニエスロビー編(評:★★★☆☆)

創設以来数百年、ずっと三大機関として鎮座していたエニエスロビーをバスターコールの誤報によってサラ地にされても、世界政府は気にも留めていないご様子。
この時点でセンゴクのクビが飛んでもいいくらいの海軍の大失態だと思いますが、なんら責任問題は発生していない模様。
なんという思い切りのいい組織…!
司法権の唯一帰属している機関が無くなったら普通に困らないんでしょうか。まあ裁判にかけられた時点でブタ箱行き確定、というすごい推定有罪主義なのであってもなくても関係ないんですかね。ディストピアですね。
自分がグランドラインの市民だったら気が気じゃないです。
改めて、この世界で海賊している人たちイカれてますね

超法規的な殺しのライセンスをもつ、といういかにも007な諜報機関CP9が登場しましたが、これまで世界政府側が市民を殺してはいけない
という制約がありそうな描写がないので、イマイチ特別感がないです。
上のエニエスロビーの件もそうですけど、ただでさえかなりの強権政治っぽいし。海賊は犯罪者予備軍なので殺してもいいという感じなんでしょうか。
まあ細かいことは考えないほうがいいんでしょうね。

六式とかいう地味でイマイチ拡がらなさそうな体術を駆使していましたが
やっぱりあまり拡がらずに覇気という新設定に飲まれちゃいそうです。
道力とはいったいなんだったのか?
メンバーのひとりに後々舞台となるらしいワノ国出身ぽいやつがいましたが、こいつがまた登場したりするんでしょうかね。

ロビンのエピソードはとてもよかったです。本を焼く者はいずれ人も焼く、というハイネの言葉がありますが、世界政府の野蛮さがいよいよ浮彫になってきました。
余談ですが、ワンピースは大きなトラブルを一人で抱えていた女性が
ルフィに心を開くことでカタルシスを得るというパターンが多いです。尾田先生はそういう男性性まるだしの性癖をお持ちなのかな?

そういえばドラゴン(笑)とかいう名前の革命家がルフィの父親であることが判明。じいちゃんも海軍の英雄でした。
やはりジャンプにおける主人公とは血筋か。血筋なのか。
この革命軍というのもローグタウンで名前が出たっきりずっと放置されてました。
ワンピースって本筋の物語に思いついたようにいろいろと別の物語を増築していくので、実は展開が遅いですよね。
革命軍も登場時の新鮮味をすっかり失っているので、個人的にはあんまりワクワクしないです。

空白の100年、古代兵器の設定、世界政府の暗躍に関していろいろと明るみになり、ワンピースという物語のゴールが
さっそく見据えられてきた感じがします。
たぶん麦わらの一味の下で、海賊、海軍たちがアベンジャーズ・アッセンブルして世界貴族の支配する秩序を壊して大団円ですね。
それを実現させる術こそがひとつなぎの秘宝、ワンピース。…この予想、外れてほしいです。

普通に面白かったので、★3つ。

■スリラーバーク編(評:★★☆☆☆)

なんか唐突に始まった毛色の違うエピソード。
調べると連載でスリラーバークが始まった当時、私は高校生のようで、だとすればちょうどディズニーシーでハロウィンイベントが始まり、日本にハロウィンブームが根付いてきた時期だと記憶しているのでそれに感化されたのではないか?となんとなく連想してしまいました。
モリアのデザインもディズニーのヴィラン感がある。

リューマ、オーズというキャラが強い死体役で出ましたが、リューマは龍を斬ったことがあるワノ国の英雄だそうで、これはワノ国編への布石でしょうね。不死鳥が存在するくらいだから
龍も存在するんでしょう。もしかしたら幻獣ゾオン系の能力者から国を守った、ということかもしれない。オーズはJrが出てきたのでフラグ回収済って扱いかな。
ゾンビとかミイラとかキョンシーは生前の人生に思いをはせることができるいい設定ですよね。

求婚のローラのお母さんは新世界の有名な海賊らしい。
これは四皇の一角フラグかな?でも四皇だったらさすがに名前を言わないのは不自然なので違うかな。
ナミが仲良くなったということもあり、お母さんが新世界で麦わらの一味に協力してくれるということも考えられるかもしれない。

「旅行するならどこに行きたい?」好き。
バーソロミュー・くまって名前、滅茶苦茶センスいいと思いませんか。
それだけなので、★2つ。

■シャボンディ諸島編(評:★★☆☆☆)

はっちゃん登場。はっちゃんは好きだったので再登場してくれてうれしい。本名がはっちゃんのはずなのに、たまにハチとか呼ばれたりするのでよくわからない。
はっちゃんが本名でハチがあだ名なのか?それともハンターハンターでいうところの、レオル=ハギャ現象なのか。

わかりやすくヘイトを集めていく天竜人登場。
その露骨な横暴っぷりは「1+1=?」を問われているような、今更俺は何を読まされてんだ感。(伝われ)

そして、理想の老け方代表みたいなじいさん、レイリー登場。
覇王色の覇気とかいうのを纏ってました。
新世界だと猛者=覇気使いは当たり前っぽいのですが、元新世界勢と思われるクロコダイルとかモリアは覇気使い
じゃなかったんでしょうかね。単純にそんな設定当時はなかったってことなんでしょうが、どうストーリーに落としてくるのか気になるところです。2年のうちに
新しく覚えました、とかは最悪ですのでやめてほしいところ。

さらに、別ルートでここまで辿り着いたルーキー達登場。個性があるっちゃあるが、ないっちゃない。
まさに今後に期待って感じですね。

さらにさらに、黄猿登場。能力は光だそうで、強そう。
指向性レーザーみたいなものを発して攻撃してたけど光ってそもそも電磁波だと聞いたことがあるので、じゃあつまりエネルと結構被ってないか?落雷を操れたりする分エネルのほうがすごそうだしむしろ下位互換ではないか?とかいろいろと思ってしまいました。
このへんの科学的な見地はだれか気が向いたら教えてください。

さらにさらにさらに、バーソロミュー・くまさんが機械化して何体も登場。
七武海の一角が量産されてしまうとは、悲しい。量産化=雑魚化を意味するので。一味は本物のくまさんの肉球によってバシルーラされてしまった模様。くまさんはきっと機械化前はいいやつなんだろう。
常に聖書を抱えているし、元聖職者なんでしょうか。

とまあ、急にこれからのキーパーソンが登場しまくるので読んでて疲れました。種ばらまき回って感じですね。一斉にばらまきすぎでは?読み疲れたので、★2つ。

■女ヶ島編(評:★★★☆☆)

みんな大好きハンコックさんの回。
そういえばワンピースって男女の恋愛要素がなかったですね。
ギャグマンガですものね。恋愛要素と呼ぶのかどうかは疑義ありですが、ルフィを異性としてみるキャラが初なので新鮮。
まあ実際、ルフィみたいなやつは現実でもモテますもんね。
ヴァターシはおとなしくクリムゾンでも見ます。
所詮、時代の"敗北者"じゃけェ…。

ボア・ハンコックさんという存在だけで★3つです。

■インペルダウン編(評:★★★☆☆)

世界政府の三大機関のひとつ、インペルダウン。
LEVEL1~6まで存在しており、犯した罪が重いほどより下層に、より過酷な環境下に置かれる恐ろしい監獄…
最下層のLEVEL6はなんと「無限の退屈」を与えられてしまう!!!
…でもそれってただの牢屋では?
私ならLEVEL1~5よりもLEVEL6に直行したいですね。
しかも私語は自由っぽいので、あんまり退屈しなさそう。
クロコダイルさんとかもいるしね。ちなみにクロコダイルさんは入獄の際の洗礼で100度を超える熱湯に突き落とされても
眉一つ動かさなかったらしい。やせ我慢しててかわいい。
そしてオカマになにやら弱みを握られているようでずっと協力してくれてました。かわいい。

かわいいといえば、獄卒獣が登場。飼いたい。
物知りのクロコダイルさんによるとゾオン系の能力者が覚醒した姿らしい。じゃあ他の種類の能力者も覚醒するってフラグだな?と思っているのですが邪推ですかね。ゾオン系は完全に動物化してるんですけど
ロギア系はただの自然現象とかになっちゃうんですかね。
それともベルセルクの覚醒したガニシュカさんみたいにグロい感じになっちゃうのでしょうか。ならないでしょうね。

所長と副所長のコンビもよかったです。わたしはもう大人なので
こんな大騒動になって脱獄囚がたくさんでたら2人ともクビなのでは…
と終始不安に思いつつ読んでいましたが、案の定、扉絵でクビになっていました。
副所長の責任逃れネタ、ベタかもしれないが面白い。

ここらへんから急にルフィ達には手に負えない猛者があふれてきました。シャボンディでばらまかれた種が未回収にもかかわらず、またそれ以上にばらまいてくる。疲れます。どうしてもワンピースを大長編にしたいようだな、編集部。
全体の物語が太りに太って個人的にはもういっぱいいっぱいです。
黒ひげの新しい仲間たちなど、もう覚える気すら起きない。ドン!
疲れたけどクロコダイルさんがいるので、★3つです。

■マリンフォード編(評:★★★☆☆)

第一部の幕引きと第二部への導入を兼ねるエピソード。
物語の贅肉をそぎ落とすと、白ひげが死んで黒ひげの時代が来ました。
また、エースが死んでしまい、奪還作戦は失敗。ルフィが弱さゆえに思い通りにならなかったのだと反省して修行して2年経ちました。というお話。

振り返ると麦わらの一味は
この時点まで能力と運のゴリ押しで来ていたので、ジャンプ漫画にはめずらしく、ほぼ全く修行してないんですよね。
ここまで読んでいてルフィの成長や努力の描写がほとんどなく、むしろルフィの価値観が常に正しいみたいな世界観だったので
それが一番不満でしたが、ようやく修行してくれました。
まあゾロは趣味のように筋トレとか潜水とかしてましたが。
関係ないけど、ゾロって最近笑わなくなってきてませんか?
初期はクールでありつつも結構爽やかな印象だったのですが。
メンバーが増えていく一味にちゃんと溶け込めてるんですかね?普通に心配です。

ジンベエはアーロンの元相棒だっていうからすごく悪い奴を想像していましたが、なんかいい人そう。今後ルフィ達をおっさん視点で見守るポジションとなってくれそうで、そろそろおっさんの私としては
うれしい限り。それにしてもジンベエは元相棒アーロンの件でルフィ達に恩義を感じているみたい。これは何やら男同士の友情の予感がするぞ♂

エース死亡については、事前には知らなかったのですが、巷では相当ネタにされているようですね。たしかに「え?そんなことで?」という感じは否めめなかったです。私はむしろ、「赤犬はあんなに渋い顔して広島弁で煽ってくる」という事実にショックを受けてしまいました。あと赤犬の口車にのって白ひげを刺した部下もいましたね。もうなんか、熱い奴らなんでしょうね。そうとしか言えません。

わちゃわちゃしてて楽しかったのと、ツッコミながら読むと面白かったので、★3つです。もはや橋田壽賀子ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」を見るときの楽しみ方になってきている。(伝われ)

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さて、総括は以上です。いかがだったでしょうか。
現時点では謎や伏線がたくさん残されているままなので、今後も結構続くんだろうなということが予想されますが、尾田先生いわく、あと5年で完結させる計画があるらしいですね(2020年9月現在)。Dの意思がなんなのか、とかについてはまださっぱりわかりません。空白の100年に係る何かなんだろうなとは思いますが。世界政府に滅ぼされた古代種みたいな人たちの意思を継いでるとかそういうことかな?
巷ではDが半月に見えるから月が関係しているとかいう考察があるらしいですが、こじつけ感があるのであまり賛同したくないところ。エネルも完璧な退場の仕方をしてくれたので、もう再登場してほしくないですしね。

ではでは。

以上


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