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日本最強の鬼 【酒呑童子】

今回は私の推し、鬼の頭領「酒呑童子(しゅてんどうじ)」を紹介します!
最も愛して止まない妖怪。妖怪好きの中では結構有名なのに、意外とまとまった情報がネットにも上がっていないんですよね…。私が全力でオススメしたい、魅力だらけの鬼です!!!!

酒呑童子とは、大江山、または山城国京都と丹波国の国境にある大枝(老の坂)に住んでいたと伝わる、鬼の頭領。史上最強の鬼として伝わっています。
酒と女が好きで、数多くの部下を従えていました。舎弟には有名な鬼の茨木童子もいます。

絶世の美青年だったため、多くの女性に愛され恋文をもらいますが、読みもせず全部焼いてしまったところ、想いを伝えられなかった女性の恋心が煙となって周りを取り囲み、その怨念によって鬼になりました。
鬼になった酒呑童子は、本州を中心に各地の山々を転々とした後に、大江山に住み着いたとされています。富士山に住んでいたこともあるそうです!
大江山の前は平野山(比叡山)に住んでいたとされ、伝教大師(最澄)が延暦寺を建てて以来そこには居られなくなり、849年から大江山に住み着きます。

酒呑童子を退治したとされるのは、源頼光。頼光の名刀、童子切安綱によって首を切られ、絶命したと伝えられています。
頼光は酒呑童子に、八幡大菩薩から与えられた「神変奇特酒」という毒酒を振る舞い、寝床を襲い、体を押さえつけ首をはねます。
頼光は討ち取った首を京へ持ち帰りますが、老ノ坂で道端の地蔵に「不浄なものを京へ持ち帰るな」と忠告され、一同はその地に首を埋葬します。酒呑童子は死に際に今までの罪を悔い、死後は首から上に病気を持つ人々を助けることを望み、大明神として祀られたとされています。

伊吹山の麓で素戔嗚(スサノオ)との戦いに敗れた八岐大蛇(ヤマタノオロチ)が出雲国から近江へと落ち延び、そこで富豪の娘に産ませたのが酒呑童子だと言う伝承もあります。

大江山に住んでいた盗賊が、鬼として語られたと言う説もあり、実在したかもしれないという面白さ。源頼光や最澄のように実際に日本史で語られる実在の人物との関係性など、実際には存在しないとされる妖怪が存在しているという矛盾に、どうしようもない面白みを感じています。


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