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狂王の人斬りサムライとWizの戒律転換

 コミックボーダーで割と不定期ながらも配信されてるコミック版隣り合わせの灰と青春ですが、今月のエピソードは狂王の近衛隊の豪傑、妖刀村正の主にして悪の戒律の人斬り侍ナックラーヴについて語られました。
 大元のRPGウィザードリィでは、侍は善と中立の戒律でないとなれない上級クラスでした。
 しかし同時に、この戒律は冒険中の行動如何では善から悪に、悪から善に転換するケースがあります。例えば、遭遇した友好的なモンスターを見逃すか殲滅するか、など。
 かつては善の侍だったのが、降伏した敵軍の将兵か内乱で相対し軍門に下した同胞の処刑を強いられた。その結果、戒律は善から悪に転じ、殺戮に躊躇なき人斬り侍に成り果てた、そんな過去がナックラーヴにもあったのかなと最近は考えてます。
 もっと言ったら、善の侍時代は別の名前を名乗っていたのかも

 戒律転換といえば、ベニー松山の「風よ。龍に届いているか」でも、その要素はあったんじゃないかな。

 悪の戒律を嫌う善のロードのマイノスが、入口を封鎖された迷宮への絶望的な再侵入を行うために、主人公の悪の戒律であるニンジャのジヴらと臨時パーティを組む。
 この展開が成立したのは、最初はウィザードリィ名物の善悪混成パーティ編成の裏技を再現したものかなと思いました。
 でも迷宮に潜んでいたゼノというモンスターが仲間を惨殺し肉体と精神を乗っ取る光景を目の当たりにし、憎悪と復讐心に取り込まれた結果としてロードでありながら戒律が悪に転向したからとすれば、より自然です。
 そして本編最後にジヴは、対峙したある敵との決闘で、その敵の急所を捉えながら殺さなかった。それによって、今度はジヴがニンジャのまま善の戒律に転向したとも解釈できます。
 風龍の爽やかな読了感も、この善への転向がもたらしたことに由来するんじゃないかなと、最近は考えてます。

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