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新たな時代劇の潮流

 チャンネル銀河の唐朝詭事録とカムカムエヴリバディも見終わり、ちょっと視聴スケジュールに余裕が出てきたので、ついに噂のSHOGUNを見始めました

 まだ1話を見ただけですが、相当にクセが強い、でも面白い作品でした。
 他民族に対するステレオタイプを極力排そう、排してもらおうという姿勢は、このように良い作品作りには欠かせないんだという、最良の事例となりました。
 そして何より、「未開の国に降り立ってプロテスタントの領有権を認めさせてやろう」と考えて按針ことブラックソーンが、「あの町を見て、それでもヨーロッパが文明の最先端だって言えるかな」と武士に仕えているカトリックの船乗りに言われた後に広がった亡き太閤の首都・大坂の光景は、異文化と歴史への誠意と潤沢な予算と人員があると何が作れるかを如実に物語ってました。

 ウィリアム・アダムズが体験した気分も実際はこちらの方が近かったんじゃないかなあ。その場合、「えらい国に来ちまったなあ」という恐怖と隣り合わせの毎日だったでしょうが。

 では、そのサムライムービーの母国たる我が日本の現状はどうか。
 確かに往時のようにテレビシリーズが民放各局で放送されるような活況が戻る可能性はなさそうです。
 しかしながら、民放テレビ以外の媒体では、案外時代劇は元気ではないでしょうか。

 映画でいえば、昨年の藤枝梅安二部作、それに5月から「血闘」が公開される新鬼平があります。岡田准一が「強すぎてダースベイダーか何かにしか見えない」ってくらいの殺陣を見せる散り椿という映画もあります。
 変化球としては、超高速!参勤交代大河への道引っ越し大名大名倒産といった例もあります。北野武の「首」だって、この中に加えて良いでしょう。
 ゲームでいえばゴースト・オブ・ツシマもありますし、Netflixで配信されてる鬼武者どろろといったアニメ作品もあります。
 こう挙げていくと、キリがないですし、往時の民放テレビシリーズと比較して、個々のクオリティは向上し着眼点や作風の多様性も広がっているのがわかります。

 時代劇の未来については、あまり悲観的になる必要はない。
 むしろ、見る側こそが地上波民放以外の媒体に意識を向けられるかどうか。いま問われているのは、そこなんでしょうね。

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