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大好きなお姉さんがトイレに行った

春頃からカフェのモーニング営業時間帯でアルバイトを始めた。

大学生なんて、日が昇ってからどれだけ時間が経ってから起床したかがものをいう生き物なのに、バイトの日は4時に起きなければいけなかった。働き始めてすぐの頃はまだ、電車に乗るとき外は薄暗く気温も低かった。次第に外はほぼ始発みたいな時間帯でも明るくなってて、太陽はこんな時間から活動しているのかと驚いた。

オーダーの最終的な盛り付けが私のポジションで、アレが載ってないだのなんだのと沢山のミスをしてきたが、それらの多くを指摘してくださったのがホールの二人の先輩だった。
一人はギャルっぽいお姉さんで、私が面接で訪れたときから何度も会っている働き者のママさんだ。社員に匹敵、いや社員よりも仕事ができる人で、見ていてその働きぶりはとても気持ちが良かった。彼女は私の好きなタイプだった!(笑)彼女が旦那さんとお子さんとお店に食べに来たことがあり、その時初めて既婚者のママさんだと知って大変な衝撃を受けた(笑)
もう一人はフリーターのお兄さんで、社会人を経験した後に大学受験に挑むなど、一味違った同年代の方だった。お互いがお互いの知らない経験を積んでいるので話していて新鮮で面白かった。またよく話しかけてくれて、冗談を言い合ったのがとても楽しかった。

眠い目を擦りながらの出勤、なおかつ朝勤務はその日一日の仕込みをしなければいけないため暇になることはなく、なかなか大変。そんな中で他のスタッフとコミュニケーションを取ることによって、楽しさを見いだしてなんとかバイトを継続していた。とりわけ二人とはシフトが被ることも多く、話す以外での「お願いします。」等の声かけなどの積み重ねで仲良くなれた。

というのも私が辞める旨を社員の方に話した際、それを聞いていた二人に「辞めちゃうの??」と言ってもらえたからだ。心が揺らいだ。

そして遂に最終出勤日、私の5時間の労働も半分が過ぎたころ、お兄さんに今日が最終日であることを伝えた。その後も何事もなく働いていたが、お姉さんが居なくなったタイミングがあり、それを彼は「トイレに行っている。」と説明した。彼女が勤務中にトイレに行くことは珍しかった。
私が先に仕事を上がって、いつも通りに「お疲れさまでした~」と言ったら、例の先輩二人から、サプライズでプレゼントを頂いた!

今日が私の最後だとわかった二人は、トイレに行くふりをして、私にプレゼントを買ってくれたのだ...!

本当に短い間だったけれど、去ることを惜しんでくれて、リスクを冒して自分のために買い物に行ってくれるような方々に出会えてよかったです。二人には心から感謝!


生きてりゃいいこともあるなあ、を積み上げてちょっとずつ前を向こう。


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