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メインPCを更改した話(速報版)

 以前、第三世代RyzenでPCを組んだ話を書いた。あれは立ち位置としてはサブだったので、じゃあメインはどうやねんというのが今回の話題。

[はじめに]

 メインPCについては、以前初代のThreadripper 1900X(8コア)を使っていた。普通に使う分には問題ないが、もはや第三世代Ryzenの出た今にこれより遅いメインPCというのはあり得ない。なので更改するなら同じZen 2世代のThreadripperにしようと決めていた。IntelでいえばCascade Lakeが相当するが、まずモノがないうえに性能面でThreadripperに負けるようなプラットフォームなので、選ぶ余地がなかった。
 予算的な問題があったので時間がかかったが、つい先日ようやく最低限のパーツが揃い、今日ようやくケースに組み込みができた。

[マシン構成]

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 今回のマシン構成は、以下のようになっている。まだSSDが一つ来ていないので完全ではないが、パーツがそろえばこうなるという感じ。

・CPU……Threadripper 3960X(24コア)
・CPUクーラー……NH-U14S TR4-SP3+NF-A15
・メモリ……Samsung純正 DDR4-2933(M378A4G43AB2-CVF) 32GB×8
・マザーボード……ASUS PRIME TRX40-Pro
・ビデオカード……ELSA Geforce RTX 2080
・ストレージ……Intel Optane 905p 380GB+Micron 9200 MAX 3.2TB
・電源……Seasonic SSR-1000GD
・ケース……Thermaltake Core W100+Noctua 14cmファン多数
・OS……Windows 10 Pro

 筆者としては、とりあえず2年くらいは十分使える構成と思っている。Threadripperシリーズは一般的にはハイエンドといえる立ち位置のCPUだけども、Twitterを見てればユーザーは沢山おり(?)、またスナック感覚で現行XeonやEPYCのような富豪向けプロセッサを買って使っているユーザーなどいくらでも見つかるので、上を見ればキリがない。与太はこのくらいにしておいて、パーツ選定の理由をそれぞれ書いておくことにする。

[パーツ選定の理由]

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・CPU……第3世代Threadripperは24、32、64コアとあり、もっとも下の24コアにした。購入金額は約16万円で、これは米国のB&Hから輸入したもの。国内より約2万円ほど安く上がったが、到着が遅くなったうえに運送会社であるDHLの手違いで、最初は消費税等を二重払いさせられるところだった(購入時に消費税や手数料を先払いできるため、そうした)。最初は32コア(Threadripper 3970X)にしようと思ったが、8コア増えるだけで価格が約5~7万円(国内で25万~、個人輸入で22万~)上がる。そこまで使わないし、通常時のクロックは3960Xの方がわずかに高いのでこちらで落ち着いた。64コアは価格や実用面で選ぶ余地がなかった。

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・CPUクーラー……以前のThreadripperから移植。24コアのCPUを空冷で冷やせるのかという話だが、オーバークロックしなければ何とかなる。

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 シリコングリスは使わず、Thermal GrizzlyのCarbonautという炭素繊維でできた薄いシートを代わりに採用。ペラペラで破れやすく、さらに導電性があるので取り扱い注意という感じだけど、グリスのように汚れたりせず再利用もでき、冷却性能も高いグリスよりは少し落ちる程度で、3960Xと使う分には特に問題ない。Threadripper用は4,000円くらいするので高い。

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・メモリ……サムスン純正の32GB×8枚で、規格上MAXの256GB。このうち4枚は昨年入手したもので、一時期理由があってDDR4-2666のものと交換してもらっていたが、最近その方のご厚意で再度手元に戻ってきたもの。
 もう4枚は最近購入。相場的には8枚で14万程度するが、なんでもいいならDDR4-3200でも既に1枚1.5万程度(=8枚12万)で買える世の中になっている。ただ、メモリチップメーカーの純正モジュールは高くても安心。 
 なおこれを揃えた直後、米国のmemory.netというサイトでサムスン製のDDR4-3200定格で32GB(M378A4G43AB2-CWE)が販売開始されて泣いた(日本ではCrucialがすでに出しているが、少し高い)。おそらく、このサムスン製は日本でも近いうちに出てくると思う。

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・マザーボード……TRX40チップセットのマザーボードは比較的高いが、これはその中でも安価なもの。Amazonで並行輸入品を4万くらいで購入したが、とりあえず普通に動いている。なぜこれを選んだかというと、
・価格が比較的安かった
・ヒートシンクがついているM.2スロットが、両方とも22110サイズに対応していた
の2点が大きい。後者については、この後のSSDで関係してくる。

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・ビデオカード……これも手持ちのもの。もうすぐ次のRTX 3xxxシリーズが出てくると言われているため、これより上のモデルを買うタイミングではなかった。性能面ではまったく不満のないレベル。

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・ストレージ……システム用にIntel Optane 905pのM.2版、データ格納用に別途Micronのエンタープライズ向けストレージを購入した。前者は米Amazonから輸入、後者はebayで米国のセラーから購入したが、まだ届いていない。どちらも購入価格は6万円台で、Optaneの方がやや高い。
 前者はストレージにうるさいオタクなら大抵持っている(筆者の狭い視野調べ)シリーズのもので、普通のSSDと違いレイテンシが非常に小さく、書き込み耐性は380GBモデルで6.93PBという途方もないレベル。さらに動作負荷が非常に高くても、性能の落ち込みがほとんどないインチキな性能を誇る。問題は入手性が死ぬほど悪く(国内ではオリオスペックくらいしか売り手がいない)、価格が高く(普通のSSDなら4TBが買える)、体感レベルはそこそこハイエンドなNVMe SSDでも正直同程度。さらに普通より大きい22110サイズなので、マザーボードによっては装着できない。しかし自己満足度は最高。
 後者はデータ入れのために購入。こちらはMicronが出しているエンタープライズ向けSSDで、15mm厚の2.5インチモデル。U.2接続のため、対応マザーボード以外そのままでは接続できず、PCIeスロットに接続するアダプターを使う。主なメリットは高い書き込み耐性(同程度の容量でコンシューマー向けの約10倍以上)で、性能は重視していない。とはいえ一般的なPCIe3.0接続のSSDとしては十分順次読み書きは速く(読み3.5GB/s、書き3.1GB/s)、ランダム性能もそれほど悪くない(4Kランダム読み84万IOPS、書き28.5万IOPS)。
 完全に余談だが、4TB前後のSSDを狙うならこうしたエンタープライズ向けのSSDも実はコンシューマー向けと大差ない値段で買える場合がある。主にebayが狙い目で、中古もあるが未使用品(本当に未使用かは場合による)がたまに定価より大幅に安かったりする。エンタープライズ向けSSDは一般的に額面のランダム書き込み性能がコンシューマー向けより劣るが、一般的に耐久性は高いのでデータ置き場に最適。U.2接続のものが多いので接続方法を考える必要があるが、環境さえ許せば検討の余地はあるはず。

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・電源……筆者はSeasonic信者だが、これはツクモが1万円台後半で投げ売りしていたので購入。普通なら倍はしたと思う。これくらいあれば24コアフルロードしても余裕で収まるはず。SeasonicといえばOEMも多いことで知られているが、わざわざそういうのを買うより安心確実であり、なにより長期間の交換保証があることが心強い。

・ケース……これも持ち越し。既にディスコンになっているが、あまりに巨大で自由度の高いケース。5インチベイを取っ払うとE-ATXクラスのマザーボードでも小さく見えるレベル。欠点は精度と剛性、あと巨大で持ちにくい。

・OS……本当はfor workstationsが欲しい。

一部写真がないものがあるけど、ご容赦いただきたい。




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