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SDGsのカードゲームを体験してきた

こんにちは。株式会社iCAREのインタラクティブデザイナーのTatsuminです。かれこれX年ほど前になりますが、某カードゲーム(デュエル..なんとか..ズ)の大会運営と審判のアルバイトをやっておりました。あの頃の小さなデュエリストたち、今ではもう大人になっていてSDGsについて興味を持っている年頃かもしれません。さて、そんなSDGsについて学べるカードゲームがあるとのことで、実際に体験会に行ってきました。

前からこの2030 SDGsカードゲームの存在は知っていて興味があったのですが、なかなか参加する決断にまではいかず...。所属する会社で2月より始まった新しい制度が、参加の背中を押してくれました。

今回のイベント参加レポートは前編と後編に分けてお送りします。前編のこの投稿では、実際のSDGsカードゲーム体験のこと体験を通じて仕事でも活かせるSDGsの考え方について、私見たっぷりにお話ししようと思います。

イベントについて

参加したイベントというのは「自分を、そして世界をアップデートする ~SDGsという問い 企業向けゲーム体験会~」と言ったものです。

イベントに参加した率直な感想としては、ぜひ色んな方にも参加してもらいたいおすすめのイベントとなりました。私が感じたのは、されどSDGsカードゲームと言えど、私たちは常に自分の中に価値観を持っていて、それは意識せずとも行動に出ていると言うことでした。カードゲーム体験会とレクチャーの時間がそれぞれ半分ずつのイベントでした。

SDGsについて

そもそもSDGsとは、簡潔に言えば世界が合意した2030年までの約束です。正式にはSustainable Development Goalsと言い、国連加盟国193カ国が合意した17個のゴールがあり、その下に169のターゲットがあります。外務省のサイトで、17のゴールのロゴをクリックすると、169のターゲットを確認することができます。

このSDGsカードゲームはニューヨークの国連本部でも実施されたようです。

ゲームの概要

カードゲームの概要としては、自分の手元に一番大事なゴールカードが配られます。自分が一番欲しいものです。他には、「時間」「お金」「プロジェクト」のカードが事務局から配られます。
プロジェクトを実行するために、お金と時間のカードを使います。

さらに、3つの要素で構成される世界の状況メーターによっても、そのプロジェクトが起こせるかどうかが決まります。

3つの要素とは「経済」「環境」「社会」です。

実行したいプロジェクトによっては、この3つのポイントが不足していると、いくらお金や時間があっても実行できないのです。

私のカード

ランダムで選んだ私のゴールカードは「大いなる富」つまりは私の夢はお金持ちになることです。(※ランダムで選んだものですよ)これを実現することがゴールと言うことです。

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そして私の手元に配られたプロジェクトカードは「雇用に関する法規制の強化」と「野生動物の保護」と言う全くお金にならないカードでした。これは無理!詰んだ!

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それでも、最終的には私含め参加者14名のうち10名がゴールを達成することができました。

しかし、ゲーム前半の世界の状況はとてもいいものではありませんでした。ここで、ゲームの前半終了時の世界の状況メーターをご覧ください。

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経済はとても素晴らしいです。ただ、環境と社会においては良い状況ではありませんでした。私は世界の状況を言い訳にして、自分から動くことはできませんでした。

今回の参加者は、ビジネスパーソンが多かったです。主催者の方が言うには、このゲームをNGO団体で開催すると世界の状況は今回とは逆になることが起こったりするそうです。例え、与えられたゲームであっても、私たちは気づかないうちにビジネスという価値観を持ってゲームに取り組んでしまっていました。

それってサスティナブル?

ゲームの体験を通じて、自分の中で「それってサスティナブルなの?」と言う問いを持つ意識が生まれました。そして、この問いを持ち続けることは、会社や社会をより良くするために大事なことであると感じました。

時間がない

ゲーム中に何度も聞こえたのが「時間がない」という発言。聞くと「後から時間の確保ができるんじゃないと思い込んでいた」と言う感想もありました。これは、目の前のことに取り組もうとするあまり、過重労働気味になってしまう現実世界のビジネスパーソンと同じだと感じました。

一時的に業務負荷が大きくなってしまうことはあると思います。いま、私が無理をすればなんとかなる...みたいな状況。果たしてそれってサスティナブルなのか。一時的には耐えられるかもしれませんが、それが続いてしまうと、健康を害してしまうかもしれません。

チームを飛び越えて交渉する

世界の状況が変わっていくきっかけは、テーブルを飛び越えて交渉をし出したことでした。時間やお金の貸し借りがないとプロジェクトの実行も難しかった。私もプロジェクト実行するために、環境が良くなって喜ぶ人を探して、その人からお金を一時的に借りることにしました。

時間がなくて最終的なゴールを達成できなかった人に対して「声を上げてくれれば時間のカードあげたのに」と言う感想がありました。しかし、「声を上げてくれれば」と言うのは待ってる側の論理です。「相手が◯◯してくれれば...」と言うだけでは停滞してしまうだけですし、サスティナブルではありません。

声を挙げられない人に声を挙げてもらうにはどうするか。声を挙げなくても理解される仕組みづくりができないか。そう言ったことを考えていかないと前には進まないと感じました。

みんなが良ければ、わたしはそれでいい?

わたしと同じテーブルに座った女性の参加者は、自分のゴールが達成できませんでした。「私には自己犠牲の精神がある。自分のゴールは達成できなくても世界の状況が良くなっていったのでそれでいい。」と言う彼女のことを、なんて性格の良い方なんだ!と思い、最後のグループ発表で彼女のことをみんなに紹介しました。

しかし、それは本当にサスティナブルなのか、と言う問いが返ってきました。彼女は周りに与えてばかりで自分のゴールが達成できなかったけど、それでいいのか。周りがゴールを達成しているのに自分が達成できないと言うことが繰り返し続いた時、本人は苦しくなるのではないか。自己犠牲はサスティナブルではないと言う結論に辿り着きました。

一緒に働く人の中でも、優しい人が仕事を拾ってくれることがあります。その人に甘えてしまい、その人のゴールが達成できなければ、それはサスティナブルな成果を出し続けることも難しいでしょう。

プロジェクトは実行しなきゃいけないもの?

プロジェクトカードをよく見ると目標を達成するために犠牲にしているものがあったりします。ある人は言いました。

「私、子どもを労働力として使ってました。このカード実行するか迷ったけど、ゲームのためにやっちゃいました。」

ゲームとは言え、少しゾッとしますよね。このゲームではプロジェクトを実行しなきゃいけないと言うルールはありませんでした。しかし、私たちビジネスパーソンは上から与えられた目標や課題に対して、取り組むべきものだと考えます。ゲームとはいえ、真面目な人ほど目の前の目標に対して真剣に取り組むあまり、見えなくなってしまうものがあるようでした。

決して会社の上層部の目標や与えられた課題や指示が間違っていることがあるからやらなくていいよ、反抗していこうぜ、と言いたいわけではないです。会社も人なので、間違ってることもあると思いますが。

しかし、必ずしも「やらなくてはいけない」ものなのか。なぜ、その課題に取り組むべきなのか?なぜその目標なのか?それによって自分、会社、社会が得られるものは何か?それによって犠牲になっているものはないか?

「なぜやるのか」パーパスの再構築と浸透が必要になる...と言うようなことを書いていきたいのですが、ここで続きは次回、後編でお話したいと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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