見出し画像

寄付したことがない人へ。少額の寄付でも幸せ度が大幅にupするって知ってた?

何を隠そうこの私、社会人になってさえ、まともに寄付のことなど考えたことがありませんでした。

思い出せるのは小学校で赤い羽根募金ていうのやったな~程度で、当時はアフリカの子供達が貧困に苦しんでいると言われても、全く自分の生活に関わりのない、実感のない話題で興味が湧きませんでした。

大人になっても、「日本のどこどこで災害に苦しんでいる人達が大勢います」というニュースを見ても、「そうなんだ、大変だな」などと野次馬的で他人事の感想しか抱いていませんでした。頭の隅っこでは、政府が援助するのだから自分がすることは何もない、といつも思っていたのでした。

転機はアメリカ

私の妻はアメリカ人なのですが、なんと彼女の母は寄付で約900万円もの大金を受け取ったことがあるのです!

事の起こりは、私が彼女の実家の近くに住んでいた時です。彼女の母が一時期、職場の同僚から嫌がらせを受けていました。あまりにひどいものだったので、どんな被害を受けたか手紙を書いて、直属の上司と更にその上に伝えたのですが、はぐらかされて全く取り合ってもらえませんでした。

そこで彼女の娘(妻の妹)が上司に書いた手紙をSNSに載せることを提案しました。すると、娘の友達から拡散されていき、彼女に同情して寄付を名乗り出る人が次々に現れてあっという間に大金となりました。

嘘のようですが、私が実際に見聞きしたことです。アメリカでは、不慮の事故の治療費や、急なお葬式の費用でも個人的な寄付が集まりやすいそうです。

なぜアメリカでは寄付がこれほど盛んなのか?

これほど寄付が根付いているには何か理由があるはず!ということで調べてみると、むしろ寄付をした側の人にこそメリットがあるんですね。

寄付によるメリット
①節税効果
②心理面の効果

①の節税効果について私は、
「あのお金持ちがやる、結局はお金のためにやるやつでしょ」なんて捻くれた考え方をしていた時代もありました。
注目すべきは②です。アメリカにおいて金持ち関係なく寄付やボランティア活動が盛んな理由はここにあります。
その効果はまやかしではなく、いくつもの研究によって示されています。

A,B 2つのグループに5ドル入った封筒を渡し、それぞれ以下の手紙の指示に従ってもらう実験を行いました。

・Aパターン「今日の午後5時までに、自分への贈り物か、自分のための支出(たとえば、家賃、支払い、または借金の返済など)のどちらかのためにこの5ドルを使ってください。」

・Bパターン「今日の午後5時までに、だれかへの贈り物か、チャリティーへの寄付のためにこの5ドルを使ってください。」

こうしたお金の使い方は、実験対象の方々の幸福度にどのような影響を与えたでしょうか?

1日の終わりに、他人のためにお金を使った人々は、自分のために使った人よりも明らかに幸福感が高まっていました。その日の朝には、2つのグループ間にそうした違いは見られなかったにもかかわらず、です。

寄付ナビ
なぜ「寄付すると、幸せになれる」と断言できるのか?心理学実験で分かった、意外な事実

たった5ドルでも効果があるんですね!
そして、寄付はお金持ちだけの特権ではないことも示されています。

興味深かったのは、カナダのように裕福な方が多い先進国には限らないこと。「一人あたりの収入が下位15%に入る」ウガンダでも同じ実験を行なったところ、「他人への投資が幸福度を高める」という結果が出たというのです。
136カ国のうちの120カ国では、前の月にチャリティーに寄付した人々は、人生により多くの満足を感じていました。
この関係は、貧しい国でも豊かな国でも同様に見られ、個人の収入を考慮したあとでも変わりませんでした。
驚くべきことに、全対象国の平均で「チャリティーに寄付することは、家庭の所得を2倍にするのと同じくらい幸福度に貢献していた」という数値が出ていたそうです。

寄付ナビ
なぜ「寄付すると、幸せになれる」と断言できるのか?心理学実験で分かった、意外な事実

私が驚いたのは、家庭所得を2倍にするのと同じくらい幸福度が増していた、という一文。
重要なのは、寄付に大金をかける必要はないということです。
小額から始めることができて、精神的な幸福を得ることができる、
これほど簡単でメリットがあるのなら、世間一般にもっと広まっていってほしいですね。

ちなみに、アメリカの寄付文化はプロテスタントの活動がルーツで、これだけの寄付をうちはやっているぞ、というアピールが始まりだそうです。
アメリカ人は、学生の頃からボランティア活動に積極的に参加するよう教えられます。そうした活動が進学する際の評価に繋がることも有名です。

まとめ

アメリカは多民族国家で個人個人の関係性が薄いからこそ、助け合いの精神が発展してきたのかもしれません。
一方の日本ですが、昔はご近所づきあい等、もっと他人との距離が近かったように感じます。今は、特に都会において、人に迷惑をかけるな、関わるなという考え方が主流で、時々自分が社会から断絶されているような気持ちになることもあります。
寄付という行為は、そのような現代の社会的意識の希薄化の中で、社会への帰属意識を再確認できる最も良い方法となり得ます。

最近はあまり明るい世相ではないからこそ、寄付は自分の生活に幸せや生きがいを見出す1つの手がかりとなるはずです。
寄付は他人のためのみならず、自分のためにもなるということを知っていただければ本望です。

長くなりましたが、お読み頂きありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?