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【差別される白もある】 #779



私はある部分のせいで自信が持てない
他の人もそんな事ってあるのかしら
ある人もいるかもしれない

アルビノって知ってる?
アルビノはメラニン色素が欠損して起こる遺伝子疾患の事なの

頭は金髪だし瞳の色も薄いし肌も真っ白
当然紫外線にも弱く普段はサングラスをかけて帽子を被り夏場でも長袖の上着を着て下も長ズボンかロングスカートを履いて出来るだけ肌の露出を防いでるの

子供の頃は外人って呼ばれてイジメられた事もあった
20代になった今は日本の社会も大きく変わり差別する人も少なくなったけど
ゼロとは言い切れない
たまに変な生き物みたいな目で見られる
もう慣れたけど

やっぱりどうしても自信が持てなかった
先日はショックなドキュメンタリー番組も観てしまい悲しくなった
タンザニアの『アルビノ狩』だ
黒人の中で真っ白な子供が生まれると呪われていると腕や足を切断されてしまう
昔話と思いきや今でも減りはしたものの無くなってはいない
呪いってなに?
そんな肌に生まれてしまった人の気持ちをどう思うの
自分たちは健康でそんな悩みも無い人間が私たちのような弱者を更に追い込むなんて
呪いと言っているあなた方の方がよっぽど呪われた悪魔だと思う

私は日本人で良かったなんて思わない
同じ病気できっと悩んだり悲しんだり差別されたりイジメられたりした筈
私たちの気持ち分かる?

とても腹立たしい
それと共にこのドキュメンタリーは何の為に日本で放送したの?
どんな意図があるの?
全然それも伝わらない
こんな国のこんな可哀想な人が居ます
日本ではあり得ない事が他所の国ではあります
あー怖っ
ですか?
何も伝わらなかった
ただ悲しくなっただけ

これならば日本に昔あった見世物小屋と大して変わらない気がする

テレビが嫌いになった
元々観てなかったのに

またある時
SNSを見ていたら
アルビノのモデルさんを発見した
その人のリンクを見ると
他にもモデルさんが沢山いて
スゴく活躍していて
皆んなカッコいい

知らなかった
知らなかったよ
こんなに輝いているアルビノの人が沢山居たなんて

私はモデルになれるほど背も高く無いし
スタイルも別に良いわけでも無い
おまけにルックスは?
日本人の顔って真っ白に合わない気がするんだよね


でも私にも転機が訪れた
それがロリータだった
元々興味はありつつも
周りにそんな趣味の友達もおらず
なんとなくの憧れはあったものの
何処で衣装を揃えれば良いのかも分からず
ただボカンと遠くのその人たちを羨望の眼差しで見るくらいのものだたった

でも転機があったの
あるイベントに参加していたら
可愛い女の子に話しかけられた

「あなたもしかしてアルビノ?」

「えっ!
アルビノ知ってるの?」

「うんうん知ってる知ってる
私のお友達もアルビノなの」

「へぇーそーなの?」

「うん
でねあなた可愛いなってさっきから気になってたのね
でゴメンね
勝手に写真撮ってその友達にLINE送っちゃった」

「ええーなんで?」

「実はさぁ
そのお友達アルビノの可愛い女の子探してたの
SNSとかでも探してたんだけど
やっぱり病気が病気だから引っ込み思案な子が多くて辿り着かなかったみたいなの
でねその話聞いてたから
しかもこのイベントでしょ
だから良いかもって思っちゃってさ」

「探してるってどうして?」

「あっあのね
ロリータのベアを作りたかったんだって
衣装は黒しか着ないだって」

「へぇー」

「あっそれでね
さっきLINEの返事があったの
それで声かけさせてもらったの」

「はぁ」

「是非会いたいって」

「えっでも私
あなたのことも知らないし」

「大丈夫だよ
私たち皆んな仲良しなんぁから
変な勧誘とかじゃ無いから
イヒヒッ」

変な笑い声

「あっあのね
後30分くらいで彼女こっち来るから
会ってやって」

「来るの?」

「まぁ元々来る予定だったし
来たらまた声かけるから
じゃあまた後でね」


何故か私は後から来たもう1人のアルビノの女の子を見た時に
もう1人の自分に会った気がした
後で聞いたらその子もそうだったらしく
私たちは会った瞬間に抱き合って何故か泣いてしまった

彼女の名前はヤスヨちゃん
だから普段はYと読んでいる
私の名前はナオなのでNと呼ばれている

ユニット名はまだ決まっていないけど
今は2人で色々衣装を探したり足りない物は自分たちで作って準備をしている

私たちは真っ白だから真っ黒が似合うの

彼女のお陰でどんだん前向きになれた
出会えて良かった
今までの人生が嘘みたい

きっとそう言えると思っている

アフリカのアルビノさん
彼女たちの幸せを心より願って





ほな!

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