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【人生とは怯えとの闘いである】 #594


僕は色々なモノに怯えながら
生活を
人生を
送ってきた
そんな気がする

子供の頃は
クラス変えがある度に
新しいクラスメイトに緊張し
ウキウキワクワクより
ストレスの方が多い

仲間外れは嫌だから
やりたくもない
野球に参加する
ドッジボールに参加する
チームプレイではない
缶蹴りはまだ楽だった

中学生くらいになると
ヤンキーに怯え
中間期末テストに怯え
イジメを受けないように怯え

クラスではヤンキーでも無ければ
オモロいでもなく
賢いでもなく
スポーツ万能でもなく
イジメられっ子でもなく
でも浮いていた
何故か分からない

高校も同じようなものだ
ヘラヘラ笑ってるけど
いつも何かに怯えている


そう言えば
一時期だけ怯えない生活を送っていた

就職で入りたかった業界に合格し
有頂天になり
ヤル気と自信に満ちていた
その頃だけは
怖いモノなし
と言った感覚であったが

結婚
独立
離婚を経て

また
迷路に迷い込み
怯える生活が始まった

何をやっても
思い描いたように進まない
上手く行っているのか
行っていないのか
分からない

自分を見失い
見た目だけ
大人な男

中身は怯え自信を無くした
とてもつまらない男

気が付いたら
あっという間に
人生を半分以上が過ぎた


今は
人に怯えて
引っ込み気味だ
お金にも怯えている
若い時ほど何も考えず
お金を使う勇気は無い

若い頃は
お金で沢山の友達も買った
聞こえは悪いが
社交とは投資だ

だが
今あれだけして
何が残ったのか
振り返ると
恐ろしくなる

もう人はいい


此処は1人で住むには
騒々し過ぎる
便利であるが
不便でもある

そう言えば
実家の前に桜の木があった

今度生まれ変わるなら
桜の木になりたい



そして
僕は念願叶って
人間を辞めてから
ちょうど100年後
桜の木になれた

桜の僕は怯えた

嗚呼っ
また毛虫の季節かぁ
勝手に僕を食べるな
それに体中を這い回るな
気持ち悪いだろ
しかも
それが終わったら
今度はセミだ
うるさいんだよ
昼寝もできやしない
最近のセミは
夜中でも鳴きやがる
頼むから眠らせてくれ

それから
1年365日
毎日夕方になると
散歩の犬が
小便を引っ掛けやがる
犬の小便はかかると
ヒリヒリするんだ
イテテテテ

こんな事なら
桜になんか
生まれるんじゃなかった

次に生まれ変わるなら
誰も住まない
星になりたい

果たして
星の願いは叶うのか





ほな!

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