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お誕生日おめでとう宣言

これは、私の大切な人に捧げる、お誕生日おめでとう宣言です。


なんて、意味深な前振りをしたところで。
みなさんは誕生日が5/30の人がすぐ思い浮かびますか?
思い浮かんだ人はもしかしたら同士かもしれません。

そう、入間銃兎くんです。

入間銃兎くんはヒプノシスマイクという音楽コンテンツ(なのか?)に登場するキャラクターです。詳細はこちら。一回クリックしてほしい、めちゃくちゃかっこいいから。

簡単に概要を書くと(推しの概要を簡単に書きたくないんだけどもブログ展開的に必要なので)、

・29歳181cmの(悪徳)警官
・ヨコハマディビジョン代表の一人
・違法薬物根絶のために尽力
・親など身近な人を違法薬物で亡くしている
・そのため薬物根絶に並々ならぬ熱意を注ぐ→手段を選ばない→悪徳警官化
・面倒見がとても良い

という感じの人で、まあーーーーーーかっこいいです。はい。もうスペックだけでかっこいいでしょ。おかしい。この世の人間とは思えない。この世の人間ではないのだが。

で、推し始めて3年くらい経つ私は毎年彼の誕生日にケーキを買ってきて盛大に祝ったのちにファンアートを投稿してお布施にガチャなりランダムアイテムなりをぶん回していたんですが、今年は諸事情でそれができなかった。できなかったんだけれども、なんか祝いたい。

ということで、ちょっと遅れてしまったけれど、自分が彼にどんな気持ちを抱いているのかを赤裸々に綴ってみたいと思います。よろしくお願いします。

1.推しとしての入間銃兎

改めて、まずはここから。
私にとっての入間銃兎は推しです。推しを超えて神です。

きっかけは一目惚れでした。親戚のお姉さんに布教され12人集合を見せられたときに「推し!!!!!!!」って確信したのが入間銃兎です。
まあ私を知る人なら見るからに推しってわかりそうなビジュだよね。いつもいつも髪が暗めの参謀っぽいちょっと線の細い上品な兄貴分の男を好きになるんだ私は。アキくんとか夏油さんとか薬研くんとかジェイドくんとか(ジェイドくんに至ってはCV一緒じゃねえか)カトルくんとか遡ればみんなだいたいそう。

でいつものパターンとして初見で線の細そうな男に落ちそれから彼らの男らしい面を見て完全に落ちるんですが、入間銃兎くんも見事に、、、、、、、、、、そうでした。

あれで怒鳴るんだよ!!!!!

あのなりで怒鳴るんだよ入間銃兎くんは!!!!!!
(ビジュアルはこちら

クールぶってるくせに割と誰よりも喧嘩っぱやくて熱くて負けず嫌いで、目標に向かって突っ走っちゃって、責任感が強くて、もう大好きなんだよ。もちろんすごく頭が良くて努力家でクールなんだけど、その上ですっっっげえ熱いところがいっぱいあるの、どうしようもなく好きだよ。

声も普段は上品なんだけどいざというときは凛としてて大きくてハリがあって、ライブではすごく動き回ってくれて(これはどっちも入間銃兎というか駒田航さんだけど、ヒプノシスマイクは音楽がベースのコンテンツゆえに他コンテンツよりも声優さんも一緒にキャラクターを作り上げている側面があって、私は駒田航さんの作っていく入間銃兎がすごく好きなので)、あの一見物静かそうな入間銃兎のそういう面が私はとても好きというか端的に言えば沼った。沼ったんですね。

一時期はもう本当にすごかった。
毎日入間銃兎のこと考えてたし入間銃兎の幸せをずっと願っていた。いや今もそれはそうなんだけども。ボイドラで彼の悲しい過去を聞いて号泣し、曲を聞いてまた号泣し、そこで負けない彼の泥臭さにまた沼り、同時に彼の精神的なストレスを心配し(職業病…………)、なんかもうこっちの胃がすり切れるんじゃないかってくらい入間銃兎を愛していた。と思う。

しかも夢女的なアレじゃなくてもはや崇拝とかその手のアレだった。私の隣に並んでいる入間銃兎なんぞ想像したくもなくて、マジでなんか壁とかそういう立場から推したいタイプの愛。だけどいくらなんでも喪女に推されたら入間銃兎も嫌なのでは?みたいなよくわかんない思考回路から筋トレとか美容とかもし始めたりして、わりとトチ狂ってた自信がある。

一昨年の5月なんかはリアルでアニカフェあったから、入間銃兎への誕生日プレゼントだと思ってバイトしてちゃんと○万円貯めてきっちり○万円使い切った。社会人のお姉様たちに比べたら些細な額だけど、好きな人にプレゼントを選んでいるような気持ちですごく幸せだった。他にもまたCDバトルになったときに使えるようにバイト頑張ってお金貯めておこうとか、入間銃兎に好きだという資格を得るために毎日ちゃんと生活しようとか、そんな感じで、生活が入間銃兎を中心に回っていたし、しかもめちゃくちゃ満足度高く回っていた。

2.支えとしての入間銃兎

そう、入間銃兎、私の生活の支柱だったんですね。

多分私好きな人できると魅力的になるタイプなんじゃなかろうかと思う。クズが好きになったら迷惑やろと思っちゃうせいもあって、「入間銃兎を好きでいる資格を得るために頑張ろう」みたいな謎思考回路からめちゃくちゃ自分磨きを始めてしまった。めちゃくちゃいいことなんだけど。ぶっちゃけ鬱で崩壊してた生活が立て直ったの、入間銃兎のおかげな部分結構ある。

そして支えになっていた部分はもう一つありました。
それは入間銃兎が境遇的に私に似ていると思えたこと。

少し恥ずかしいんだけど、私の境遇は銃兎さんに少し似ている、気がする。

私は親は身体的には健在だけれど、家庭内に虐待の連鎖がずっとあって、それで親の心が壊れているのを目の当たりにしてきた。

それから周りの友達が虐待で心を壊されたのも、目の当たりにしてきた。何回も何回も。

憎かった。虐待が憎かった。でもそこにあるのは虐待じゃなくて「虐待の連鎖」だから、人を憎むことができずに、虐待という形のないものを憎んだ。明くる日も明くる日もどうやったらなくせるのか考えて、どういうシステムを作ればいいのか考えて、考えすぎて泣いて吐いてそれでも考えて。何もできない自分が悔しくて、絶対にこの身をこれから生まれてくる子供のために捧げると誓った。

だから銃兎さんの過去に触れたとき、「私だ」、と思った。

彼の経験とそこからくる異常なまでの熱意、取り憑かれたような行為。

全部、私だと思った。
薬物と虐待というテーマの違いはあれど。


それから、銃兎の歌を自分に引きつけて聴くようになった。

睨んでくるのは構わんが 覚悟はあるんだろうな************

これは私が鬼リピしてた「Yokohama Walker」の銃兎パートの一節です。
勉強して発信して活動していろんな人の相談に乗ったって、いや乗れば乗るほど、やるせない気持ちになる日はたくさんある。周囲の無理解や侮蔑をぶつけられる日だってある。泣き出しそうなそんな日に銃兎さんのこの歌を脳裏に浮かべると、自分は絶対に負けないと思えた。泣きながら口ずさんで顔を上げて歩き出した日もあった。

目的のためならば手段なんて選ばない
卑怯?バカか?正義とやらで
おまんまが食えてるならば 警察いらないわ
とことん淫らな街を見ればいい
雑魚もカスもクズも善も悪も
まとめてしょっぴけばいい

こっちは「シノギ」の銃兎パート。
親とのやりとりやいろんな人の相談を通じて「正しさって何?」と打ちひしがれることもたくさんある。所詮世の中は牌の分配でしかなくて、誰かが救われるために誰かを犠牲にしなきゃいけないことがある。何をするのが正しいのか、誰を救うのが正しいのか、そんなのは誰もわからないし正解もないし全員が救われることもない。じゃあ私がしていることに意味はあるのか、って路頭に迷う日に、私はこれを聞いた。
銃兎さんは「正しい」を求めているわけじゃない。自分のやっていることが絶対的な視点で「正しい」のかという判断を意識的に放棄して、ただ自分の目標のために走っている。私もそうありたい。私はそれが私のエゴだとしても、他の犠牲を生むとしても、やっぱり虐待の根絶に力を割きたい。

こうやって、私にとって入間銃兎は支えであり続けた。

3.規範意識としての入間銃兎

……同時に、入間銃兎は、私の中の規範意識と化した。

入間銃兎は、強い。

違う、強いと形容するのも間違いなんだと思う、本当は。
そこにはさまざまな迷いも葛藤もあって、それを押し殺して彼は強くあらねばならなかったのだと思う。
そしてそんな内実を私は覗くことがないから、だから強く見えるだけなのだと思うし、そんな私が彼を強いと敬遠するのは大きな間違いだ。


でも、

私は逃げたかった。


逃げたかった。虐待の根絶なんか考えずに幸せに生きていきたかった。ただ普通に適当なサークルに入って適当に好きなことやって適当に就職して生きていきたかった。いつもいつも何かを発信して記事書いてスピーチして、制度拡充のために戦って、人々の無理解と戦って、なんでこんな苦行を選んでるんだと思った。

だけどそこから降りることを、私の中で規範化された入間銃兎は許してくれなかった。

いや許すだろう。彼は許すだろう。そういう人だ。
私が仮に彼の前でみっともなく喚き散らして逃げ出したとて、彼はきっと心配そうな顔で「ご自分を労ってください」と言うだろう。彼は彼と同じ苦行を他の人に背負わせることをきっと求めない。それも私みたいな一般人に対して。ただ守るべき市民、か弱い市民になるだけだ。同じ土俵へと上がることを許さないだけだ。だから彼のせいにするのは全くもって筋違いである。

私を許せなかったのは、私だ。

許せなかった。
私には入間銃兎という自分の理想を具現化した存在が心の中にいて、それなのに私がそこから逃げ出すことを自分に許すことができなかった。
入間銃兎と自分を比べるたびに辛くなった。彼は顔を上げて頑張っていて成果も少しずつ出しているのに、一ミリも努力していない自分はなんだと思った。彼と私は同じ数直線上にいるからこそ、そう私が思うからこそ、私にはダイレクトにその差が分かってしまうのだ、距離の絶対値を計算するまでもなく。

Drugと違って気持ちは砕けねえ
本当はお前が居ればなーなんて思うことだってあるけど
そっちの分までこっちでやるから任せとけ

これは入間銃兎のソロ曲「Uncrushable」の一節。
薬物関係で失った相棒に捧げている(と思われる)歌詞だ。

物語は進む。彼との距離は離れる。次のCDが出るのが怖くなったしボイスドラマも聴けなくなった。たった数ヶ月、たった半年、たった一年、その間に物語の中の彼はどんどん目標を叶えていく。
数ヶ月。現実世界で何ができる。ぼんやり生きていたらあっという間に離される。私は銃兎さんから、ヒプノシスマイクから少しずつ距離をとった。

4.推すのをやめようと思った日のこと

そうして緩やかに距離をとっていたのだけれど、

正直に言います。
推すのをやめようと、そう思った日がありました。

私はうっすら気づいていて、ずっと無視していたのだけれど、
入間銃兎は少しずつ幸せになっているんです。

最初のソロ曲「ベイサイド・スモーキングブルース」では、

I'm a lonely only RABBIT
この通り一人 Rolling
闘ってただ勝って  傷を癒す

という歌詞を歌っていたのだけど、

次のソロ曲「Uncrushable」では

ヤクザと元軍人と円陣を組んで前人未到
歴史に刻むぜM.T.C
一位にランクインのギャングキング

という風な歌詞に変わっている。

彼は仲間を得て、幸せになっていく。少しずつ。物語なんだから当たり前だ。それは望ましいことで、私は彼の幸せを願っていたはずだ。


無理だった。

一緒に、不幸でいてほしかった。


どうして。どうして私を置いていくの。
私はまだこんなにも過去に囚われてこんなにも孤独でこんなにも戦っているのに。光なんて見えないのに。どうしたらいいかもわからないのに。
あなたなら一緒に戦ってくれると思っていたのに。一緒に路頭に迷ってくれると思っていたのに。

あなたがいたら、私は安心して不幸であれたのに。


私は戦慄した。
自分の思考回路が怖かった。
かつてあれだけ彼の幸せを願ったはずだった。毎日彼の幸せを願い、一緒に涙し、少しの幸せを喜んで抱きしめたはずだった。
それなのに今はこのザマだ。

私は入間銃兎が好きなのだ。
彼の不幸が好きなんじゃない。

そのはず、だったのに。


もう、推すのをやめよう、と、思った。

5.お誕生日おめでとう宣言

……なんて暗い話をしましたが、

実は!!!!!!結局!!!!!!推してます!!!!!!!!!!
推してなきゃこんなエントリ書かないよね。

というわけで、この話の結末を少し。


推すのをやめようと思った日、私はふと「この不安の量、明らかに異常だな」と気がつきました。
んで、いろいろ調べた末に、どうもちょっとそういう不安症状というものがある人は一定数いるらしいということに行き当たり、とりあえず精神科で一通りそのことについての不安を話すことに。
まあ別に投薬治療として何か変化があったわけじゃないけど(もともと不安を抑える薬は飲んでいたので)、主治医がこの私の中の狂気について知ってくれているという事実がある程度の安心をもたらしました。

そしてほぼ同時期に、たまたま弁論部の引退大会がありました。
3年間目標にし続けた大会で、私は虐待についての話をしました。これまでしてきた活動を総括した上で、みんなに伝えたいことを何度も何度も書き殴り、整理し直し、そして自分の中で120%の形にまで練り上げて話すことができました。

これが、効いた。

原稿を書くために振り返りながら、私は初めて、何年も前の自分と今の自分をきちんと比べる機会を得たのです。

過去の虐待の負の遺産に泣く親を見ながら、何もできなかった頃の自分。
親の壊れた心を頑張って手当てしながら、辛くなって投げ出そうとしていた自分。
友達を虐待から助けようとして、無力さに打ちひしがれた自分。
いろんな相談に乗りながら何もできず歯噛みした自分。

そこから少しずついろんな発信と活動と勉強を繰り返して、初めて何人かに手を伸ばすことができたこと、救われたと言ってくれた人が何人もいたこと、その経験から所属団体で相談マニュアルを作ったり、新しく団体を立ち上げたりしたこと。

同じ数直線上で、銃兎さんは私のはるか先にいます。それは事実。あんなにすごい人には、私はまだまだ到底追いつかない。

でも、私は、かつての私のはるか先にいる。

きっとかつての私が今の私を見たら、悔しくなるだろう。同時に安心もするだろう。今の私を追いかけて、今の私を支えにして、時に苦しくなるかも知れないけれど、それでも頑張ろうと思ってもらえるだろう。

私はかつての私にとっての銃兎さんに、きっと、なれている。


だから、今私は自信を持ってこの歌を口ずさめる。
かつて無力だった私に向けて。

Drugと違って気持ちは砕けねえ
本当はお前が居ればなーなんて思うことだってあるけど
そっちの分までこっちでやるから任せとけ


私は負けない。
負けることもあるかもしれないけど、絶対に立ち上がってみせる。
そうして29歳になったあかつきには、彼と肩を並べて歩けるような人間になるのだ。

だから今は、胸を張って言える。


銃兎さん、お誕生日おめでとう!!!!!

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