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#203 直前の言葉や例に引きずられるコミュニケーションの癖 24/6/16

みなさん、こんにちは。
今日は、会話のズレについて考えます。

(実例を基に編集しています)
たとえば、採用部門のAさんとBさんが、採用応募者のレジュメを見ながら経歴についての会話をしているとします。

Aさん「(応募者の)転職背景や理由は何ですか」

Bさん「ワークライフバランスを重視したいことが1番の理由と聞いています」

Aさん「ワークライフバランスとは具体的にはどんな点ですか?たとえば、恒常的に残業が多いから減らしたい。たとえば、土日含むのシフト勤務の仕事を土日休みに変えて、休日をパートナーと合わせたいなど、どんなことですか?」

Bさん「残業平均15時間程度と聞いていますので、そこまで重要視しているわけではないと思います」
「休日を土日にしたい希望は聞いていないです。ご結婚されて1年経っていませんが、特にパートナーと休みを合わせたいとも伺っていないです」

もう1つの会話例を見てみます。
人事部門のCさんとDさんがある部門の評価ついて会話をしているやりとりです。

Cさん「今期の評価では等級昇格者がいつもより多く見えますが、若年中途入社者の昇格が多いとか、現場責任者の報酬水準を合わせに調整が入っているなど、特別な理由がありそうでしょうか」

Dさん「そうですね、目立って中途入社者の若手層が多いわけではなかったです。それから、現場の責任者も、1年前の評価で、多くの人のベース年収水準を調整かけていたので、今回も合わせにいくような意図はなかったと思います」

さて、2つの会話例を取り上げてみました。
質問者のAさん、Cさんは、それぞれが確認したかった疑問が解消されたでしょうか。部分的には解消された、と答える方が多いと考えます。

Aさんは、応募者の転職理由であるワークライフバランスの具体、Cさんは昇格者が多い理由の具体を理解したいと考えての質問をしています。解像度を高めたいのです。そこで、それぞれ解像度を上げた具体を「例示」して質問をしました。

しかし、回答したBさん、Dさんの2人ともに、その例示された「例えば」に対して、持ちうる情報をもとに回答しました。おそらくは質問された時点で、質問に対する明確な解がなかったと推察されます。ですから、例に対する回答でさえ、事実ではなく想像と解釈が入っています。

ここに会話のズレが生じています。
質問者は、何が理由なのか、知りたかったのです。
回答者は、例示に気づかず、質問者が例示したことの正誤を知りたいと捉えてしまったのです。もっと言えば、その思考もなく、単に質問に反応したのがより真実に近いと考えます。

このように、会話、対話では、相手の直前に発した言葉や単語に引っ張られる傾向の強い人が割と多数に存在します。言葉に反応してしまう、飛びついてしまう傾向です。

これには、大きく2つの原因が存在すると考えます。なお、境界知能などの要因は除きます。

1つは、相手の話しを聴いていないことです。自分が話すことに意識が向いているからです。

もう1つは、質問には、間を空けずに素早く答えなければいけない、と思い込んでいることです。無言の時間、間を埋めなくては、の思考が強いからです。


この傾向の強い人に対しては、質問する側が、相手の特徴に合わせにいくことが、短期的な対策と考えます。
自身がこの傾向が強い、かつ直していきたい方は、まず相手の話しを聴く前提で「こういうこと聞きたい質問であっていますか」と確認を入れることです。

さて、みなさんは自分のコミュニケーションの癖で自覚されていることはどんなことですか。
それだは、また。

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