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#133 要約する力は詳細を理解し各論を積み上げて抽出する 24/4/7

みなさん、こんにちは。
今回は、要約するとは、要約スキルを上げるには、を考えます。

以前、人事部門の担当はコミュニケーションエンジニアリングを磨く、と表現したことの1つとも考えます。

考えるきっかけは、採用活動を日々進めている中で感じることが中心です。
応募者の略歴や当社としての選考評価、内定を出す方に対しては当社に入社しての期待など、情報を要約するシーンは、ビジネスシーンでは日々たくさんあります。

さらにいえば、日常のタスク・業務を進めるコミュニケーションで求められる行動スタイルはこうです。
・結論から話す。
・論理的に考える。
・シンプルにまとめる。
・客観的事実を基にする。

ですから、要約することが求められる一方、何かを抽出することは決して簡単なことではありません。

少し話が脱線しますが、抽出する対象は「本質」です。本質を導くには2つの方法があると考えます。

1つは、多量な情報の中から、これだろうと仮説を立てて、当事者に対して当てていく、仮説・検証の実行によるものです。スクラム開発的な発想でしょうか。なお、似たような方法にアジャイル開発、リーン開発もありますが、この3つは似ているが少し違う印象を持っています。考えて「わかった!」タイミングで記事にしてみたいと思います。

本質を導くもう1つは、余計・余分だと考える要素をどんどん削り落として、最後に何が残るか、残ったものが本質と捉えることです。真鍮削り出し、あるいは日本酒の原料のお米を何割何分まで磨き使うか、に近い概念かもしれません。

さて、話を戻します。
たとえば内定候補者に関して、最終的な自社の評価点をまとめようとします。それは、その内定候補者のキャリア経験(学生の場合は学生時代の経験)=代名詞となる仕事や、そのときの成果や成果を出すためにどんな課題解決を図ったか、を要約することです。

その要約を伝える場面も、ある程度の分量にまとめて提示し、承認をもらうようなワークフローの場合もあれば、忙しい決裁者にエレベーターピッチ40秒で口頭OKを確認しつつ、あとで形式的にメール等で少し補足して承認をもらうような場面も考えられます。

ですから、要約情報も、最低2つ、たとえば40秒バージョン(一言、二言)と3分バージョン(300~500字程度の経歴あらすじ)を作っておきます。これはコミュニケーション方法とかけ合わせて適切な選択ができるように準備するの意味合いです。

なお、コミュニケーション方法も、Teamsなどのチャットツール、メール、口頭確認など接点の取り方は最低3つを想像できます。ですから、その備えもしておくことがキモです。なお、単純に2×3の6通り用意する必要はありません。コミュニケーション方法をに合わせて40秒、300字は使えないこともあるためです。

これを過不足なく実行しようとすると、内定候補者の仕事経験を、具体的な各論で押さえていないと、上の要約するには至りません。

しかしながら、現実には、内定候補者について実際に面接をしていない場合は、リクルーターにとっては、そのハードルはさらに上がります。

それでもなお、面接履歴内容から、あるいはエージェント経由であればキャリアカウンセラーから収集した情報をもとに分析を行ない、採用する理由を練り上げます。

具体的な経験として、そのタスクが担えるとは、その職種ではどの程度のスキルレベルに位置するのか、詳細化をしたうえで要約します。

あるいは、自社が提示するポジションの職務内容や期待される成果と、内定候補者を採用する理由、2つの情報を同じレイヤーに並べて比較したときに、どの程度のバリューを出せるレベルなのか、見立てて要約します。

概念的な話になってしまいました。
自社が内定候補者を評価した仕事経験の詳細具体の情報を捉えること、
それを用いてその職種や業界においてはどのレベル感なのか要約すること、
そして、自社の採用ポジション要件に置換すると、どう要約されるのか、
この3ステップを踏むことで、解像度が上がっていきます。

その要約を実現するには、詳細を押さえていないと成り立ちません。そして詳細だけでは現職の環境でのできごとですから、その情報を自社の仕事場面に置き換えられず実用性がないから、要約が必要になります。この往還運動が必要なのだと考えます。

さて、みなさんは、情報を要約すること、あるいは情報を詳細につかむこと、バランスよく行き来できていますでしょうか。
それでは、また。

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