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#46 部長・課長の学びは、問題解決よりリーダーシップスキル開発に体重を乗せる 24/1/11

みなさん、こんにちは。
部長格の発達課題=成長課題は、それでいいのか?と感じたことについて、考えてみます。

昨年末にかけて、タレントレビューミーティング(後述)を実施した際に、課題感を持った話です。課長層の人材レビューをすると、個々の発達課題や優れている点に共通項がありました。

・優れている点のレビュー
「事務処理能力が高く、遅延がない」
「チームメンバーをよく面談フォローしている」
「現場の業務運営で特にトラブルや失敗がない」

・発達課題に通じる点のレビュー
「お客様から言われたことに飛びついてしまう」
「部門会議で質問と回答がよくズレる」
「自らお客様に提案することに尻込みしている」
「収益管理、見通しが粗く雑である」

こうしたレビューが、同一事業部門の、どの部長からも共通して頻出しました。
これらの行動事象から、発達課題として抽出された個々のテーマも、およそ共通していました。

深く考える思考力
論理性
自分で考える
主体性
顧客交渉力
提案力

ビジネスパーソン一般にもよくいわれる能力的要素です。もちろん、そのレベルに程度があり0か100ではありません。が、課長層の課題としては、なんとも筆舌に尽くしがたいものです。

さらに、もっと問題だと感じたのは、こうした発達課題のある成長フェーズながらも、次期部長候補と、ネームをあげていることです。

では、なぜ問題だと考えるか?です。
それは、リーダーシップの目線がまったく抜け落ちているからです。
上記の発達課題として上がった能力、スキル要素は確かに仕事≒問題解決、を進める上で外せません。しかし、課長や部長に求められることは、問題解決そのものではありません。問題そのものは、現場のメンバーたちのチームワーキングやスペシャリティを持って解決可能です。

問題解決やその生産性を上げることに、どれだけリーダーシップを発揮するか、だと考えています。チームや顧客を含めた全体の効用やパフォーマンスを高めるために、どんなリーダーシップをどれだけ発揮できるか、だと考えます。
そして、欲を言えば、より良い未来づくりのために、自社の事業と社会課題の解決が接続された経営方針(ミッション、ビジョン)を、現場の実行ハンドルを握り、最適化していくことです。繰り返しますが、これらにリーダーシップを発揮することです。
この視座に立てていないこと、その視点がないこと、そうさせてしまっているわたしたち人事の力不足に、強烈な問題意識と反省を感じました。

最後に補足です。
わたしの所属する企業における、タレントマネジメントの仕組みです。

上・下半期に1度、部門単位でミドルマネージャー(課長、部長)と人事が集まり、全社員を対象に、タレントレビューを実施しています。
直上長がチームメンバーの、現在のパフォーマンス、発達課題、キャリア志向・目標の人材情報を事前に300字程度にまとめてレポート提出します。

その情報を基に、部門や事業部門の各組織階層単位で、個々の従業員の人材開発やキャリア開発を議論して決める場です。今現在の発達課題は何か?その課題に対して、どんな機会や環境を提供し、誰がフィードバッカーとして責任を持って支援するのか?などを決めていきます。

同時に、部門や事業部門の視座から、課長や部長ポストの次期候補、等級昇格候補、そのうち女性や20代若手の候補(ダイバーシティ)など事業戦略上のキーポジションへの異動・登用候補を選定し、タレントプールを可視化し、決めます。
会議を経た後は、実行フェーズに移り、人事も後追い促進しなから、現場のライン組織と運用していきます。

みなさんの会社では、どんな様相でしょうか。
それでは、また。

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