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#50 人事は運用が9割 24/1/15

みなさん、こんにちは。
人事部門が経営と現場に貢献するには、運用がすべてと言っても良いと考えています。
ですから、人事は運用が9割、です。
(非創造的な仕事、の意味ではありません)

なぜそう考えるか、考察してみます。

まず、人事の目的は、経営と現場(の従業員)に貢献すること、に他なりません。
わたしたち人事が経営に貢献することは、すなわち自社事業が社会課題を解決していく、その一員として価値提供することと同義と考えています。

また、従業員のキャリア開発や報酬待遇を通じて、ウェルビーイングの実現を人事・企業として後押しする意味=価値、にも通じます。

この経営に貢献する、の前提認識のない人事は、そこから第一歩を踏み出すとよいのではないでしょうか。

経営貢献と聞くと、財務指標、すなわち売上・利益の経済価値のみで捉えてしまい、人事(バックオフィス職種)が直接に貢献できない、との声をよく耳にします。

もちろん、〇〇研修をしてスキルが上がったから売上UPと、即物的な効果は出ません。それでも経営をスコープにするのは、とかく人事部門は人事ムラ、に閉じる傾向にあるからです。

ですから、このマインドセットに立つことが起点であり、基点だと考えます。別の言い方をすれば、人事は、経営戦略を実現する機能の1つに過ぎない、です。

さて、自社の人事制度の思想背景はどんなことでしょうか?

わたしは、人事が機能するかどうかは、この思想や狙いが、たくさんある人事の仕組みにどれだけ反映しているか、と考えています。

まずセルフチェックしたいのは、現在実際にその仕組みを回す中で、どんな場面で、何を、どのくらい組み込むことができているか。

そして次に、その仕組みを設計した当初から、戦略や時節の変化に応じて、運用の設計変更を行い、改善を図れているか、を見つめることをおすすめします。わたし自身もそうしています。

さらに、その背景・思想が、経営層やミドルマネージャーにまで行き届き、かつ彼ら自身が人事が介在しなくとも、どの程度ガイドラインに沿ってセルフドライブできるか、具体的に押さえてみると良いでしょう。

たとえば、少し一般化して、年齢に関係なく(今なら性別も入るかもしれません)昇格・昇進できる、が思想の1つだったとします。

実際に、ミドルマネージャーの20代、30代前半の比率はどれくらいか、若手の最速課長・部長は入社何年目あるいは何歳で着任しているか、などに表れます。

それが従業員から見ても、年齢関係なく昇進している会社だ、と感じられているかは、従業員満足度調査/エンゲージメント調査や、就職・転職の口コミサイトでチェック可能です。

従業員の実感値が、人事部門が運用できているかの通信簿になると思います。

これを実現するには、実際の評価査定や、管理職登用の判断や、そこにノミネートされる選抜者の教育支援プロセスが確保されているか、異動・配置が固定化されてないか、などの人事プロセスに展開されてくるわけです。

そして、そのプロセスを人事部門がサボらず先頭に立って、現場や特にミドルマネージャーをリードしていくことです。

もう1つ別の思想のたとえとして、成長できる環境・しくみがある、とします。

たとえば、評価査定のタイミングで、従業員本人と上長の振り返りや評価確定後のフィードバックのプロセスが標準システムと確立されているか、それは実行されているか。

時にMBOシートをサンプリングしたり、現場を見に行ったり、従業員アンケート調査から把握したり、動的、静的な活動を駆使して実態を把握します。

2つのたとえを引き合いに出しました。これらをさらに、俯瞰して課題の抽出を図ってみます。

足元の改善点がないか、たとえばアンケートから、研修機会がほしい声があったら(判断を入れた上で)、その研修を企画して新たに作ってみます。

中長期の時間軸で、経営戦略と紐づけたときに、ブラッシュアップした方が良い課題、たとえばリモートワークを全国どこでも可能とする企画を経営に提案してみます。

このように、タイムリーかつ定期的な運用チェックとチューニングの積み重ねによって、人事制度の根幹たる思想が理想に一歩ずつ近づいていきます。

人事のシステムが1つひとつ現場のプロセスに染み込んでいきます。それは、やはり運用がされている、その現実より強いものはありません。

その運用は、足元では、現場チーム内の人間関係、コミュニケーション上の一言によるいさかいレベルの話もあります。仮にそうだとしても、相談があれば、積極的に介入して解決、改善を支援します。

そうすると、その便益を受けた従業員は、人事部≒会社は、自社はここまでフォローしてくれるのだ、と信頼を寄せることにもなります。はじめのうちは、フォロワー1人2人の少ない影響ですが、その積み重ねです。

今回はやや概要に留まった内容かもしれません。
また折々で運用9割、の論拠を共有したいと思います。

みなさんの会社の人事制度、思想はどんなことを基点にされていますか?
その思想は、人事システム、人事運用プロセスに組み込まれていますか?
人事部員の日々の判断や行動で体現できていますか?
それでは、また。

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