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#138 安定したパフォーマンスは心身の健康に基づく 24/4/12

みなさん、こんにちは。
今日は、体調管理と成果の安定性を考えてみます。

そんなことは当たり前、考える余地もない、とご指摘を受けそうです。
ですが、基礎の基礎であるけれど意外とね、と思いまして考えてみます。きっかけは、タレントマネジメント会議や評価キャリブレーション会議においてよく聞くコメントがあります。

「体調不良で突発的な欠勤や遅刻・早退が多いメンバーですが、出社した時は1人前のパフォーマンスです。だからこの評価(プラスマイナス相殺してプラス)です」

以前より、わたしは、この評価のモノサシに対しては、相当な違和感を覚えていました。だれしも時々に体調を崩すことはありますから、そのことを言っているわけではありません。お互い様ですから、それはチームとして組織として冗長化の仕組みを整えておくことにほかなりません。

一方で、この手のコメントをされる従業員は、勤務に穴をあける頻度が一般の従業員に比べて相当に多い傾向にあります。いわゆる勤怠不良に該当する人たちです。

ですから、場合によっては業務改善指導やPIPを発動するような対象にあたります。その対象に対して、「来てくれたら業務成果は1人前だから、指導しない、あるいは評価は下げない」と判断するのはどうなのでしょうか、と疑問を持ちます。

さて、その判断をしてしまう背景・理由はいくつか考えられます。

たとえば、当該対象が女性社員のケースが多くみられます。とくに、PMS(月経前症候群)に類する症状で、体調不良を申し出られるケースが頻出しています。

男性の上長からすると、踏み込みづらい、自分がわからない領域である、下手すればセクシャルハラスメントと指摘され得るリスクを感じることもあると考えています。

そして、PMSは人によって症状やその大変さがまちまちですし、それを感受する感応度も人それぞれです。そして、根本的な治療法や薬もないですから、当人にとっては体質として上手くその症状と付き合っていくほかありません。

ですから、PMSを要因とする勤怠不良に対して、適切な介入や指導がしづらいことがあります。


これは、男性の管理職が多いことも構造的な要因につながります。かといって女性の上長だとスムーズか、と言えばそうでもありません。PMSのある人・ない人、症状の軽い人・重い人、様々ですから、単純な性別では解決されないこともまた1つです。

もう1つの代表的な例に、メンタル不調が要因で勤務が安定しないケースが多くみられます。メンタル不調と言っても、心療内科やメンタルクリニックで主治医が「休職」の診断をする場合ではなく、「○○の配慮を」「経過観察しながら」と診断する、あるいは当該従業員がクリニック等の医師の診察に消極的、あるいは拒否している場合は手を焼いています。

これも、上長からすると踏み込みづらい領域です。出勤すれば仕事は形になるため、メンタル不調とまで言い切って当人と会話を躊躇してしまいます。下手に言ったら、退職勧奨のように受け取られないリスクを無意識的に感じている上長も見えます。

そもそも、メンタル不調ですから、素人の浅知恵で判断できるようなことでもありませんし、それはそもそも医師の領域ですから、しようがありません。

ではどうするか、ですが、やはり勤怠不良、欠勤や遅刻、早退の事実を見て、当人と会話して、医師の診断を促す、会社の労務部門に相談するなどして対処していくほかありません。

そして、この記事のお題でもある、正常な勤務・出勤ができていないことを、評価・処遇として、適切に対処することと考えます。

ここは日和っていては事は解消されません。事実、穴をあけた仕事は、チームのほかの誰かがカバーして負担を被っているか、お客様に対して100のサービス提供を90、80と減らしている可能性もあります。つまり、誰かの負担によって成り立っている事実を適切に判断することです。

さて、みなさんはこの問題をどのようにお考えになりますか。
それでは、また。

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