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#208 課長の罰ゲーム化をインセンティブシステムで解消する 24/6/24

みなさん、こんにちは。
今日は、管理職について考えます。

考えるきっかけは、中期経営計画の策定にあたり、課長職の処遇や役割をディスカッションする場面です。現在では、管理職になるのは罰ゲームである、損をする、そのような表現でいわれることも目立ってきています。

一方で、多くの会社では、経営と現場のつなぎ役であり、扇の要の役割を担うことが多いのではないかと考えます。わたしの言葉で言えばインターフェース・パーソンです。ポジティブな意味の中間管理職とあえて言ってもよいかもしれません。

さて、その課長職を継続的に輩出すること、そしてリテンションしつづけることはおよそどの企業でも優先的課題の1つです。課長輩出のパイプラインを維持・向上するためのインセンティブを、どのように人事制度や人材マネージメントのしかけを設計するとよいか、が1つ目の論点です。2つ目の論点は、彼ら彼女らのリーダーシップが発揮しやすいように、どのような環境をつくり、それを引き出すインセンティブとするか、です。

ここで課題の1つが、経営幹部の思考様式です。

それは、理想の課長像、管理職像を柔軟に変えていくことができるか、です。人事部門を主語にするなら、変えてもらうことが必要だと共感を生み、理解してもらえるか、です。なぜなら、経営幹部の面々は、自社で一般に言う社会的、経済的に成功したキャリア、地位を作っている人たちです。

では理想の管理職像とは、どのようなものか、です。
たとえば、当事者意識を持って主体的に行動し、自ら考え物事を推進する。たとえば、経営視点を持ち、将来の自社・自組織、顧客組織やビジネスモデルを構想する、などです。

わたし自身も、理想において、そこを目指し続けること自体には異論ありません。しかしながら、それを志向したときに現実はそう甘くはありません。そして、そう理想像を置いていること一方、そうした管理職、課長を育てていくことは忘れられることが多いです。いわゆる実態は「自分で考えろ」と運営されることです。自己責任論が現実に多く見受けられます。

ですから、課長職、課長職候補の従業員が、理想に表現されるような人材に育っていくための支援、環境づくりや、成長の機会とフィードバックのしくみをどのように作るか、に焦点を合わせることが肝要です。

そのマインドセットに、経営陣や上級管理職が自然となるようなインセンティブづくりが人事が力を発揮するポイントと考えます。人事制度や、人材マネージメントのプロセスの中に、仕掛けをどのようにつくるかが、人事の上での見せ所だと考えています。

たとえば、課長職を労働時間管理の対象とするのか対象外とするのか、です。つまり、労基法上の管理監督者とみるのか見ないのか、がたとえばです。

時間外労働が集中してしまう階層だからこそ、あえて労働時間管理の適用者として、上位役職や経営陣が改善していく動機づけとすることが1つの打ち手だと考えます。

逆説的ではありますが、あえて残業時間を可視化することで、短期的には時間外労働手当が膨張するかもしれませんが、長い時間軸で見れば、それを健全に減らしてくインセンティブが生まれると考えます。

このように、ちょっとした人事制度上の、人材マネージメント上の仕掛けが良い方向に現状を変えていくことができると考えます。そのしかけ、行動経済学的に言えば、ナッジをどのように作り込むか、アイデアも勝負の1つです。

さて、みなさんの会社では、課長職の活躍を担保する仕組みをどのように作っていらっしゃいますか。
それでは、また。

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