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ラブホの正社員

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ラブホの正社員日記を集めてあります
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ラブホの正社員になったわけ

ラブホの正社員になったわけ

失業したのが2020年5月。コロナ倒産というやつで会社がなくなった。膝から崩れ落ちるという表現が大袈裟ではないほど床に膝を強打した。まさか自分の会社が倒産するなどとは誰も思わないだろう。僕だって他人事だと思っていた。膝が奏でた床との共鳴は、大都会での無職生活の始まりのゴングだった。

そこからは地獄だった。1年間でIT系の業種に絞って面接を受けたが、経験年数が足りないことがネックになり40社落ちた

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ラブホの正社員16日目

一緒に飲んでいた異性が酒に潰れたどうしますか?という質問をされたことがある。皆さんはどうだろう。家に連れて帰るだろうか、ラブホテルに連れ込むだろうか。道に捨てて帰るのもひとつの手かもしれない。今日はラブホテルのフロント、および客室で起きた泥酔した男女の情事をお届けする。

時刻は昼の12時過ぎ、若めのカップルが来店した。監視カメラでもわかるぐらいの千鳥足でフロントに入ってきて、モニターで部屋を選び

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ラブホの正社員13日目

中国人の若い男が新入社員として入社した。僕の経験上、中国人はよく働く。新入社員の出勤前に他のスタッフが10日で辞めると予想して1000円を賭ける中、僕は1万円を辞めないに賭けた。僕の給料は手取りで16万ほどしかなかったからそれなりに大きな賭けだった。珍しくムキになって張ったギャンブルに胃を痛めていると、社長が新入社員を連れて入ってきた。

彼は名前を楊君といった。僕と同い年の22歳で身長が180セ

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ラブホの正社員1日目

ラブホの正社員1日目

ラブホに必ずと言っていいほどいる人種がいる。噂が大好きなおばちゃんだ。面接後に僕の年齢や前職の情報をいち早く嗅ぎつけ初日からガツガツくる。皆さんの周りにもきっといるだろう。彼女はいるかとか、なんで会社が倒産したのかとか、どこ出身なのかとか根掘り葉掘り訊いてくる。アレのサイズを訊かれた時にはやめたくなった。琵琶湖ぐらいだと答えておいた。滋賀県民に深く謝りたい。

そんなおばちゃん達だが、新人に必ずす

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ラブホの正社員2日目

ラブホの正社員2日目

ローションを使ったことがある方はいるだろうか。白々しく問いかけてみたが多分性別に関係なく日本人の90%ぐらいは使ったことがあるだろう。みなさん誰しもがドンキに売っているペペローションだったり海に流しても大丈夫なローションで由比ヶ浜の海でのローション相撲を楽しんだ事があると信じている。

全然関係ないが、行きつけの美容院のお兄さんが男数人でローション相撲をしたと聞いてから美容院を変えようと考えている

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ラブホの正社員3日目

ラブホの正社員3日目

大きな大学がある街に住んでいる。街にはZOZOTOWNで見たことのある服に身を包む若者がたくさんいて、僕はそんな若者たちが往来する街の猫カフェに向かっていた。休みは大抵猫カフェにいる、そして今日は休みだ。

話は大きく変わるが、ラブホの大口顧客をご存知だろうか。まずサラリーマン、そして酒を飲んで気持ちが大きくなった大学生である。彼らは酒の勢いとセフレという都合のいい関係を表す単語を巧みに使いこなし

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ラブホの正社員4日目

ラブホの正社員4日目

部屋中が濡れる。「部屋」は主語としては大きすぎるのでピンとこないかもしれないが、ラブホで働いているとこんなこともある。今日は4日目の話だ。

部屋は基本2人1組の2ペアで清掃をするのだが、今日は潮と酒でとんでもなくびしょびしょに濡れた部屋に当たってしまった。テレビやソファー、洗面所、トイレに至るまで全てが排泄物と酒で汚されている。部屋中に転がった缶は安定のストロングゼロだ。それを見た僕の心情は、初

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ラブホの正社員5日目

ラブホの正社員5日目

自宅のお風呂に何かを入れたり浮かべたりする人は多いだろう。入浴剤やハッカ油、かわいいアヒルちゃんや風呂桶など、ご家庭によって色々あるのではないだろうか。ちなみに僕は風呂桶に缶の酒を入れて浮かべている。入浴剤は絶対にバブのミルク色の入浴剤だ。あれはいい匂いがする。

話が逸れたが、風呂に何かを浮かべることはラブホテルでも例外なくあることだ。外から持ち込んだガチャガチャのカプセルを3個浮かべて帰る客や

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ラブホの正社員6日目

ラブホの正社員6日目

日々、ホテルにはプロフェッショナルが仕事人として来店する。風俗嬢だ。その中で当ホテルに訪れるナンバーワンは、媒体はわからないが全国一桁位の風俗嬢らしい。彼女は当ホテルにかなりの割合で現れるプロなのだが、今日はそんな彼女にフォーカスしたものだ。

彼女は少し太ったかわいらしいお客さんと同伴してやってきた。なぜ風俗嬢だと分かったかといえば、彼女がフロントでデリの全国ランカーと呼ばれているのを聞いたから

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ラブホの正社員7日目

ラブホの正社員7日目

ホワイトデーの起源をご存知だろうか。バレンタインデーのお返しとしてマシュマロやクッキーを売りたいお菓子業界がマシュマロデー、クッキーの日など様々な名称や日程でそれらのお菓子を売り出していたが、1980年頃にそれらが統合されてホワイトデーが誕生したらしい。

つまりは日本お菓子メーカーによる陰謀である。ラブホテルもこの日はその陰謀に支配されていた。客が退室した後の部屋にはプレゼントの包み紙、いいもの

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ラブホの正社員8日目

ラブホの正社員8日目

ベッド上に何があっても、僕らはそれを片付けなければならない。何があってもだ。これはラブホ清掃員の宿命で、この宿命のために新人の多くはこの道を諦める。そんなに甘い世界ではないのだ。僕のTwitterのDMには、この世界に憧れる人が日に1人は現れる。その多くはラブホ清掃のことを性愛や恋愛に関する仕事だと言っていたが全然違う。ラブホは清掃や汚物の片付け方に関する仕事である。これを勘違いしたであろう人が排

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ラブホの正社員9日目

ラブホの正社員9日目

ラブホテルは施設によって防音設備の程度が違う。そのため最中の喘ぎ声など様々な声が廊下に響くことがある。特に都市部にある建坪が狭めなラブホを使ったことのある方は、全く知らない他人の喘ぎ声を耳にして赤面したことがあるのではないだろうか。僕は最近「ワンって鳴けよおい!!」という声を業務中に聞いてからずっと憂鬱な気持ちである。やはり特殊な性癖のことはなかなか理解できそうにない。1998年にオギャアと生まれ

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ラブホの正社員10日目

ラブホの正社員10日目

してはいけないことほどしてしまいたくなるのは人間の心理だ。小学生の頃は教室で遊戯王をしていたし、中学の頃は禁止されていた自転車通学をしていた。学年が高校に上がると部室で気になる子とヤったり、煙草を吸ってみたり、思い返すと黒歴史と呼ばなきゃいけない思い出に溢れているが、当時はそういう事を積極的にしたい年頃であった。僕は高校生活の終わりとともにそういった毒気は抜けていって、自分の欲求を自分で抑えること

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ラブホの正社員11日目

ラブホの正社員11日目

男女が形成する関係性は様々だ。例えば夫婦、カップル、友達、セフレ。挙げていけばまだまだ名前のつく関係性も、そうでない関係性もあるだろう。僕はラブホテルの従業員なので、性愛を伴う関係性の男女を目にする機会が人より多い。もちろん部屋で何をしているかなんて知るよしもないので本当にそういった関係性なのかはわからないが、文春記者であれば男女が一緒にラブホテルに入っただけであれやこれや書かれるだろうからこれは

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