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患者に寄り添う説明という理由でありもしない内容を言うのはどうなのか考えたら、すごく難しいなと思うけど、不快だからやっぱりやらない。と結論づける事にした。

何週間前かにTwitterで見かけた言葉がどうも引っかかり、今に至ります。

そのきっかけは、”骨盤矯正”に対しての言葉の一つでした。そのTweetを記録したわけではありませんので、私が個人的に感じた内容になりますので悪しからず。私が受けた内容と捉えたのは以下のような内容です。

※このnoteは”骨盤矯正”について説明する内容ではございません。

”骨盤矯正”が仮に根拠がなく、治療として成り立たないものだとしても、その言葉が一般化されており、わかりやすい言葉であれば、”骨盤矯正”と言う言葉を使って説明することが、患者に寄り添う説明になる。
※”骨盤矯正”の賛否については他の方のnoteを参考にしてください。

これについて私は「患者に寄り添うためにウソをつくことは良いわけがないだろう」と直感的には感じました。

患者に寄り添うために、わかりやすい説明をするのは賛成です。ウソをつくことはよくないのです。しかし、ウソをついてしまう理由はなんでしょうか?

【キルア 嘘つきには「意味のある嘘しかつかない」タイプと「意味のない嘘もつく」タイプと2通りいるの あんたとあたしは前者アイツは後者 深く考えると泥沼にはまるわよ(ビスケ)】

正直、医療業界にはそれっぽい言葉が溢れています。しかも一般に使われてしまっていることも多くなっていると感じます。テレビなどマスメディアの影響も多いですが、目に見えない現象であるという事は大きな要因だと感じます。簡単には確かめられませんし、医療の専門家の方が言ってるので「そうなんだろうな」って疑わずに信じやすいのでしょうね。最近聞く言葉で懐疑的な内容にこんなのがあります↓

内臓力を上げる! 何のことを指しているの?
筋膜をリリース! リリースってどうすること?
肩甲骨を剥がす! どこからどこまでしたら剥がすというの?
免疫力を上げよう! 免疫力ってそもそも何?

これらの言葉を否定するわけではなく、ただしっかりと説明できますか?ということです。

それっぽい言葉は多くあり、昔からなんとなく使われてきたものもあります。一般の方にウケるようなキャッチーなフレーズを使っていますが、その多くはそもそも何を指しているのかよくわかりません。

一般の方がリテラシーが低いと言えばそれまでなのですが、医療者はしっかりと説明することが義務だと思っています。

そもそも、言葉はお互いが理解する為の道具であり、共通理解する定義が必要です。ただ、それだけでも足りません。例えば、「かぼちゃ」であれば以下のような説明がgoo辞書に載っていました。

《(ポルトガル)Cambodiaから》ウリ科の蔓性 (つるせい) の一年草。茎は五角柱で、巻きひげがあり、地をはう。葉は大形の心臓形。夏、黄色の雄花と雌花とをつけ、大形の扁球状などの実を結ぶ。果実および種子は食用。熱帯アメリカの原産で、日本にはポルトガル船によってもたらされた。カンボジア原産と考えられたところからの名という。とうなす。からうり。なんきん。ぼうぶら。《季 実=秋 花=夏》「我が―ひき臼程になりにけり/虚子」(goo辞書より転載

これだけでは、かぼちゃを見たことがない人がそのままカボチャを想像することは難しいでしょうね。知っている人も、日本で料理するようなカボチャのことか、ハロウィンで使うかぼちゃかは育ってきた環境の違いによって変わってきます。

言葉だけでは伝わりません。百聞は一見にしかず、見ないとわからないことがほとんどです。

だからこそ医療のそれっぽい言葉は中身が見えづらいので、間違った認識を与えてしまっているのだと思います。

だからこそ、正しい説明をする必要があると感じます。なんとなく言葉から受けるイメージだけで、それが良いかどうか効果的か、患者が自分自身に適用か判断することは難しいと思います。それを知っているのは医療者だけです。

「なんとなく良いと言われたから受けてみて、治ったので良かった」は恐ろしいことだと思います。
患者は適切に自身の体を見れていない。なぜそうなったかの原因も、治療との因果関係もわからない、必要性を判断できていない事にも繋がります。

自分の体に施されることは、知っておくべきであり、その為に医療者は自身が行うことを説明できなければいけないと思います。それが医療者の責任であると思います。

「よくわからないが、治るからいいじゃない」は医療ではないと思います。医療とは検証の積み重ねであり、検証できないものは医療ではないし、これからの医療の発展にも何の役にも立たない。今日実施することは間違っているかもしれないけれど、それは未来の正解を導くため、それが日進月歩である医療だと思います。

よくわからないものを、それっぽく提供して、そして説明できないまま、間違った認識を広げていってしまうことは、一般の人々に不利益を与えてしまうこともあります。無益なことを行ったり、健康被害を与えたり。それは医療者として責任を負うべき事象だと思います。

医療者とは常に医療の発展を意識することと、人々に健康的被害を出さないことに努めることだと思います。

だからやっぱり、適当な表現で説明することは医療者としてのプライドに反しますし、そんなことをする人は不快です。しっかりと科学的根拠に基づいた説明を行えること、人々の医療リテラシーを高めることも医療者としての責務だと改めて感じました。

以上です。特別何かを否定するわけではなく、自分のやってることに責任を持って説明しようね。寄り添うとかにかこつけて、事実とは違うことを言ってたら結果として被害を与える事にもなっちゃうよって話でした。まとめたら3行で収まったw

そいじゃ、また来ます。

読んでくれてありがとうございます。今の所好きなことしか書いてません。テーマをコメントに書いてくれたら、それについて書きます。その他のコメントも頂けたら嬉しいです。SNSで紹介してくれるとさらに嬉しいです!結局書いたら誰かに読まれたいってもんですからね私。