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恋愛≠幸せ

令和2年。
どれだけ多様性の時代だと言われていても、生涯未婚率が上がっていても、未だに人々の意識の中には【恋人がいない・結婚していない=不幸】という概念が根強く浸透していると感じることが多い。

それはほとんど無意識のレベルで刷り込まれているもので、20代後半になった独身同士の会話の中では、「同級生がどんどん結婚していてやばい。売れ残る。」なんて会話は当たり前に交わされる。
彼氏がいなければ当然のように合コンや出会いの場へと足を運ぶように促されるし、マッチングアプリをインストールしていないほうが珍しいくらい、【彼氏がいない=彼氏を作るために行動する】という集合無意識が存在しているような気がする。

実際わたし自身もそうやって生きてきた。
結婚こそが女の幸せ。彼氏がいない人は寂しい。恋人がいなければ恋人を作るように行動する。
大声でそれを掲げてきたわけではないが、今思い返せば、無意識的にその思考のもと行動してきた。

現在わたしは独身だ。彼氏もいない。

だけど、彼氏がいた一年前よりも、ずっとずっと今のほうが穏やかだと胸を張って言える。

当時のわたしはといえば、自分のことをあからさまに都合の良い存在だとしか考えていない彼氏を盲目的に愛しては傷ついて泣いていた。
誰になんて言われようと好きなものは好きで、自分の主張や意志を殺してでも一緒にいたいとすら思っていた。

《そのときの話は別で詳しく書いているので、盲目的に愛して傷つく恋愛をしている人がこれを読んでいたら、客観視するきっかけになるかもしれないので以下を読んでもらえたら嬉しい。》


一年前のわたしが間違っているとは思わない。
人生の中でそこまで好きになれる人に出会えたことは貴重な経験だと思うし、おかげで周囲の友人達の暖かさや大切さに触れることもできた。
宇多田ヒカルさんのBe My Lastの歌詞をお借りするならば、【間違った恋をしたけど間違いではなかった】んだと思っている。

だけど、彼氏なんていなくても、一年後わたしはちゃんと暮らしているよと、当時の自分に教えてあげたい。

彼と別れた7月以降、年が明ける頃まで狂ったように次の彼氏候補を求めて彷徨っていた自分に、無理に好きな人を見つけなくてもいいんだよと声をかけてあげたい。

ところでどうして一年前と比べて幸せになれたのか?
理由は大きく3つ。

・恋愛にまつわる悩みが無くなった
・アイドルのファンになった
・人からの見え方よりも自分の気持ちを大切にするようにした

一つずつ簡単にお話ししていきたいと思う。

恋愛にまつわる悩みが無くなった。

恋愛依存症気味で常に好きな人を求め、幸福度のほとんどが好きな人によって左右されていたわたしは特に、彼氏がいようがいまいが恋愛の悩みが付きものだった。
彼氏とうまくいっていれば幸せだし、うまくいかなければ不幸せ。

恋愛してようがしてまいがどんなときだって悩みのひとつくらいはあるが、恋人の悩みというのは相手や状況も複雑に絡んでくるため自分一人ではどうにもならない場合も多く、簡単には解決できないことも多い。

片思いをしている場合でも、どれだけ友人に話を聞いてもらっても占いに課金したとしても、頑張れば頑張っただけ返ってくるとは限らない。
将来を考えて好きな気持ちだけじゃ付き合えなかったり、身体の関係が先行することだって多いこの年齢からの恋愛なんて特にそうだと思う。
ドキドキしたりワクワクしたり、相手のことを考えるだけで胸が温かくなったり、恋には楽しいことも山ほどある反面、賭けみたいなもの。

それが今、好きな人すらいないわたしにはそういった類いの悩みが無い。

大切な友達と家族がいて、誰に左右されることもなく自分の機嫌は自分が取る。
感情が上下に揺さぶられることが極端に少なくなったので、大変安定している。ダメ男にどっぷりだった頃は3日に1回は泣いていたのに、もう3ヶ月は悲しい涙を流していないことを思うと、すごい変化だと思う。

まさか一年後こんなに穏やかに毎日を過ごしているなんて想像もしていなかった。

アイドルのファンになった

もともと人を熱狂的に好きになりやすいわたしの、新しい対象はアイドルだった。
これに関しては過去にnoteにまとめているのだが、「好き」という大きな感情をぶつけることができる相手がいることは救いだ。


わたしの担当は徹底的にアイドルを貫いてくれる人で、グループは家族みたいに暖かくで明るいグループ。
彼らの未来が見たいという気持ちや、笑っていてほしいという想いが、わたしの様々な原動力となっている。

わたしはいわゆる【ガチ恋オタク】と呼ばれる、アイドルに本気で恋してるオタクの部類に入るとは思うのだが、現実的に接触することが無いため幻滅することもほぼ無く、基本的に理想のアイドル像を全うしてくれる人を応援しているのでただただ楽しい。
どんなに好きでも叶うことはないと頭でちゃんと理解しているし、結局見せてくれている部分だけが好きなわけではあるんだけれど、現実の恋愛と違って相手側の意志は関係無く、こちら側が好きになっただけで「大切なファンのみなさん」として受け入れてくれるので、楽しいことしか無い。お花畑上等である。

人からの見え方よりも自分の気持ちを大切にするようにした

恋愛依存症気味だったわたしは、そもそも何故恋愛に依存していたのか。
ドキドキしたいから?恋してる自分に酔っているから?性欲?色々考えてみたけれど、一番は【彼氏・好きな人がいるという真っ当な自分でいたい】なんだという結論に至った。

どれだけ自分を大切にしてくれない男でも、彼氏という存在がいなくなるよりはマシだった。
どんなに望みが薄い恋でも、好きな人がいるという状態でいたかった。

人からの見え方を何よりも気にしていたわたしは、【恋人がいない・結婚していない=不幸】という目には見えない概念に怯えて、誰よりもその定説を信じて疑わなかった。可哀相な人、寂しい人、普通じゃない人だと思われたくなかった。
「最近どうなの?」と聞いてくる友人に対して、恋愛話のひとつくらいは提供することで、異性から相手にされない自分ではないのだと認められたかった。

つまるところわたしは、自己顕示欲と承認欲求によって恋愛依存になっていたのだと気づいたのだ。

その事実に気づき手放した途端に、人からの見え方よりも自分が心地よいと思えることを優先できるようになり、すごく楽になった。
「恋愛をしていなきゃいけない」という強迫観念にも似た感情に支配されることもなくなった。

これは、自分に自信が無く、自分の価値の判断を異性関係に依存していたことも影響しているのだが、その闇から抜け出すことができたのは間違いなく前述した今応援しているアイドルに出会ったことが大きい。
新しいコミュニティに参加し、彼らの夢を一緒に叶えるためにお金や時間を使い、大衆向けとはいえその感謝を伝えてくれる。そんな小さな積み重ねが、わたしを救ってくれている。

「20代後半にもなってアイドルオタクをしているなんて」と考えることもあるけれど、思われていたとしても実際にそれを言ってくる人なんていないし、わたしが楽しくて幸せなら良くないか?と今は本気で思っている。

別に誰かに好かれるためだけに生きているわけじゃない。後ろ指を指してくる人がいたとしても、だったらその人は自分とは合わないということで良いんじゃないかな。


とはいえ、どうしようもない寂しさに苛まれる夜だってあるし、恋愛をする上でしか得られない幸せや心地よさがあることだって知っている。
突発的に人生に絶望してしまうときだってもちろんある。

でも、それはそれで良いんだと思う。
全部が自分なんだ。
幸せに絶対の正解なんてないし、生きていて全てが100%幸せな状態なんて無いと思うから。
なにもこれからの人生恋愛はしません!と神に誓ったわけでもないんだから。

過去に比べて今の自分は笑顔でいれている時間が長い。
それだけを大切にこれからも生きていきたいと思う今日このごろであった。




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