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宮沢賢治 作『セロ弾きのゴーシュ』を朗読しました。

初めて読んだ宮沢賢治作品ってなんだろう。

『注文の多い料理店』『銀河鉄道の夜』、そして『セロ弾きのゴーシュ』。
このあたりが宮沢賢治入門作品というか、まず初めに触れる作品たちじゃないかな。

わたしもこの3作品は全て小学生の低・中学年の頃に読んだ記憶があるのですが、ちょっぴり怖い『注文の多い料理店』、キラキラファンタジー作品かと思いきやシリアスな死生観が描かれている『銀河鉄道の夜』と比べると、『セロ弾きのゴーシュ』は純粋に楽しく読める児童文学なのかなと思います。

家でセロの練習をする落ちこぼれのゴーシュ。
そんな彼のもとに、毎晩様々な動物たちが訪ねてきます。
純粋にアドバイスをする者もあれば、間接的にゴーシュに気付きを与えてくれる者もあって、最終的に彼は演奏会で大成功を治めます。
大人になって読み返したとき、わたしはこの時に喜びよりも戸惑いの方が大きいゴーシュの様子が印象的でした。
最後にかっこうの飛んで行った空を眺めながら「あのときはすまなかったなあ。おれは怒ったんじゃなかったんだ」と呟く哀愁漂うゴーシュの描写です。

練習の成果を本人が認識していなかったから、皆に称賛されても何が何やら…というのもあるのでしょうけどね。
ゴーシュは短気な人間ではあるのですが、心優しい人間でもあるのです。
だからこそ動物たちは彼のもとにやってきたのでしょうし、素直だからセロも上達したんですよね。

楽しくにぎやかな作品ではあるのですが、大人になった今読むと、また少し違った感じ方も出来るなと思いました。
みなさんもぜひ、子供の頃に読んだ作品を読み返してみてはいかがでしょう。

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