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OOHの未来は、パーソナルではなくスモールマスへ

 みなさん、いつもnote読んでくださりありがとうございます。今日は、日経クロストレンディから出版されている「最新マーケティングの教科書2020」から面白かった事例を紹介します。トレースしている箇所が多いので、分析というよりはナレッジ共有的な感じになるとは思います。

スモールマスがマーケティングの世界でもキーワード

 皆さん、スモールマスという概念聞いたことありますか?スモールマスは、言葉で紹介するより一度イメージを持ってもらった方がいいかもしれないので本から抜粋し紹介します。

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 マスに比べて市場規模は小さいものの、価値を認めれば比較的高額の商品でも購入する、こだわりが強い消費者がつくる市場規模や購入する製品を指す。とりわけ大手メーカーが関心を寄せています。ニーズを捉えた商品コンセプトの策定に加え、ユーザーの感性に訴えるマーケティングが必要となってきます。

 2019年3月まで花王で専務を勤めていた吉田勝彦氏が作ったとされています。それをベースとし、発売したヘアケアブランド「and and(アンドアンド)」が本では紹介されていました。

and andという商品

 同ブランドは、シャンプーとトリートメント各3種類で構成され、それぞれ香りとパッケージデザインが異なっています。これにより、服を選ぶように、気分に合わせて香りを選ぶというシャンプーとトリートメントの新しい使い方を提案をしました。実勢価格は、1400円(税抜き)程度で、20~30代の女性を主なユーザーに設定。当初は、ECで先行販売し、その後は、ターゲットが多く立ち寄る店舗として、雑貨店のロフトと首都圏の一部のドラッグストアで販売するなど販路を絞ったそうです。

 容器には、大きなシールが貼られており「気ままに」「静かに」「ゆったり」などのフレーズが記載されています。これは香りが喚起する気分を示しています。従来のマス商品で訴求していた機能性などを強く打ち出さない代わりに、ユーザーの気分に寄り添う商品である特徴をアピール。狙い通り、香りをファッションのように選べる点が支持されたようです。

SNSの普及で顕在化

 スモールマスという概念が注目される背景には、SNSの普及が大きいです。SNSの普及と同時に影響力を持ったインフルエンサー。独自のセンスで情報発信するインフルエンサーは、個性が感じられないマス商品を敬遠する傾向があります。マス向けにヒット商品を送り込んできた花王のようなメーカーも、こうしたユーザーの変化に対応しなければなりません。また、スモールマスに大手メーカーが注目する理由は収益の視点もあるようです。パーソナライゼーションを進めても、収益が上向く保証がない。多大なコストがかかり、一定のボリュームを持つスモールマスを狙う方が利益をあげやすいのです。

OOHもこの視点は見習うべき

 今までのマスは、スクリーン(媒体)と生活者の受容関係は1:Nでした。1つのメディアに対して、多くの生活者にリーチできるということ。WEBが台頭してきてその関係性は変化して、1:1になりました。一人一人のスマホに最適化された広告が展開されるようになったのです。昨今、OOHのデジタル化を推進するプロジェクトが各社で動いていますが、1:1のコミュニケーションができないかと考えがちです。正直、OOHでそれは費用対効果が合わなすぎる。収益とリーチ、両方担保できるのがスモースマスという考えなのかもしれないです。1:少数(not大人数)という考えの元、セグメントを切ってクライアントの広告最適化を実現させていくのが理想なんだと思います。OOHは、今までアナログ過ぎた。しかし、デジタル潮流の中で非常に面白くなっていくメディアになるのは確かです。このスモールマスという考え方が、OOHを更に面白くしていくかもしれませんね。

 本日のnoteは以上となります。引き続きよろしくお願い申し上げます。


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