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人生に脇役なんかいない 高校生の心を救った小説「盤上に君はもういない」

オススメの小説を高校生記者の方に紹介されました。

将棋を通して愛とは何か問う。

『盤上に君はもういない』綾崎隼著(KADOKAWA、1500円=価格は税抜)
将棋界初の女性プロ棋士を目指して戦う、2人の天才の物語です。

愛とは何か、その奥深さをさまざまな局面で、登場人物の言動によって考えさせられます。いまだ誰も成し遂げたことのない大きな目標に向かって突き進む中で生まれる葛藤や、その背景、将棋盤を挟んで行われるコミュニケーション…。読み進めると、なぜか涙が出てきてしまいます。

 涙が出る理由を知りたいという衝動からなのか、将棋に詳しくない私でも一気に読んでしまい、何度も読み返したくなります。

人生に脇役なんかいない
私は「将来の夢は何?」という質問に答えることができず、毎日を何となく生きている人間です。
 友達と呼べる人も少なく、キラキラとした高校生活を送るクラスメイトを見るのがつらくてインスタを削除したほどです。何の取りえもない自分が嫌になり、自分自身を殴ってやりたいと思うこともあります。
 こんな私がこの本に感銘を受けたのは、「自分の人生で自分が脇役になる人なんていない。みんな主人公なんだよ」と登場人物が教えてくれたからだと思います。どうせ私にはできっこないと諦めるのではなく、他人に笑われてもたとえ孤独になっても、守りたいものや大切にしたいものを失わずにいればいいんだと考えられるようになりました。

 私の人生に一筋の光をさしてくれた大切な本です。

心震える感動を味わいたい方へ
殺伐とした世界に生きることに疲れている方、心震える感動を味わいたい方にぜひ読んでいただきたいです。そして、読んだあとにもう一度表紙の絵をじっくり見てみてください。きっと本を持つ手の震えが止まらなくなるはずです。

 多くの人にこの感動が届きますように。

rain66/2月5日

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