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My favorite 100 #27 星とプラネタリウム

はじめまして、こんにちは、なぁこと申します。
2021年は「継続していく」ことを目標に掲げ、毎週ただただすきなものを紹介していくという連載を年始からはじめました。もはや毎週でもなく、書き方すら変わってきているけど気にしない。すきなもの多すぎて毎度テーマとっ散らかってんな~と思いつつ、つづけるのが大事!というスタンスでやってます。
ランキングではなく、リストから気分でピックアップしてテーマを決めております。
このnoteを偶然見つけ、読んでくださった方のなかに、おなじものがすき!って方がいたらうれしいな〜!という気持ちで更新中です。

My favorite 100 #27 星とプラネタリウム

最近めっきり行っていないのだけれど、あの空間のなかに身を浸したいとはことあるごとに浮かんでくる。
どうして好きかっていちばんはやっぱり星と天体が好きだから。ただわたしは「星がある」という科学的な事象そのものよりも、むかしのひとが、そこにある夜空と星のかたちから導き出した星座や物語により惹かれたのではないかと思っている。その物語に惹かれるから、実際に星を観測するよりもプラネタリウムに行きたいんだと思う。
すごくロマンチックじゃないですか?不規則的に存在する輝く点を結んで名前をつけて物語を編むなんて。できることならその時代に立って夜空を見上げたい。あれがデネブアルタイルベガ……とかすでに決められている情報で夏の大三角形を指差すんじゃなくて「うむ…あれは羽を広げた白鳥に見えるかもしれない…」とかやりたい。
冬の夜に天頂に座すオリオンの真反対に蠍座があるのは、殺されたせいで怖がって逃げているからだとか、そんなふうに位置関係を表す神話があるなんて、なんかもう当時のひとの脳内がもはや宇宙じゃんってくらいのイマジネーションがすごい。星とは関係ないけれど、冥界の王に連れ去られた娘が1年のうち3か月だけ冥界で暮らすから、そのあいだだけ豊穣の女神である母は作物を実らせない、それが冬のはじまりだとかああいうのもめちゃめちゃ好きですね。
わたしは星座図鑑の巻末に載っていた神話にいちばん好奇心をくすぐられたし、その物語を夜空に映して語ってくれるプラネタリウムという空間が好き。星とか天体とか、そもそも宇宙そのものを物理学や自然科学でとらえたいのではなく、もちろん解明されていることを自然に、あたりまえに受け入れていることも、わたしが今知っている情報もそれらによって証明されたのだとわかってはいても、やっぱりロマンだとか文学的な部分だとかそういう余白を愛しているのだ。

実際の星を眺めることに興味がないわけじゃない。流星群があるときはやっぱり気になるし、惑星が地球に大接近!ってニュースがあったら東京ドームで使っているビクセンの双眼鏡出してきて眺めてしまうし、冬の夜あたりに夜空を見上げてどうしても泣けてきてしまうことだってある。だけどただ「見えた」という目の前で起きた感動よりも、あの星が流れたのは、あの星々が瞬いたのは、何百光年という想像もつかない前なのだという、そのとんでもなくはてしない奥行のある事実に飲み込まれそうになる瞬間のほうに感動してしまう。そのとき、わたしの存在など本当はどこにもないのではないかという感覚に陥るような気もするし、たしかに連なった時間、つづいてきた世界のいまここにじぶんが立っているのだという確信さえ生まれるような気がする。わたしはとても孤独であると思うと同時に、その孤独をかけがえなく愛しいとさえ思い、しかしわたしはたしかにこの宇宙の物質として、星とおなじ一部であり、だけど100年後にはおそらく今存在する誰もがこの空に溶けてあとかたもなくなると考えたら、昨日の、今日のわたしが起こしてしまったどんよりとしたことなんてとるに足らないのではないかと本当に思えてくるから不思議である。
むかしのひとが永遠なんじゃないかと錯覚するほど変わらずにそこに悠然とあった夜空の星に名前と物語を与えようとした理由について、もしかしたらそういう面もあるのかもって考えることがある。どこから来たのかどこにあるのか、人間に干渉するわけでもなく影響を受けるわけでもない、よくわからないその理をこえるほどのものにはどうしたって畏怖の念を抱く。すこしだけその手に掴みたかったんじゃないかな。時間や季節の変化を知るために星の動きが重要だったという事実はあるにせよ、わからないものをわかるために名前をつけるというのは、なにかこう、人間の側に引き寄せるというような感覚なのではないかとわたしは感じます。

話がそれてしまったのでプラネタリウムに戻る。プラネタリウムが好きだけど、一度だけ苦い思い出がある。
すごく人気の科学館のプラネタリウムを観に行ったとき、第一回の開始時間前からすでに各回を予約するために並ぶ必要があった。きっと今だったらネットで予約も簡単にできるのだろうけれど、当時はそれほどまだネット予約が発達してなかったのか、よくわからなかった。だから前日が遅かったのに早起きをして並び、昼の回をとったのはいいものの、はじまった瞬間に秒で寝た。すごくリクライニングが効いた椅子だったのでもう「太陽が沈み、西の空に輝く…」くらいしか記憶がない。
ほどよく空調の効いたここちのよい暗闇、眼前に広がる落ちてきそうなほどの夜空に包まれて、座り込ごちのよい椅子にからだをあずける…なんてまさにリラクゼーション要素しかないから!!
だから、毎日起きて出社して日々がんばっている皆さんはプラネタリウムに行く前日はよく寝てほしい。とくにデートなんかのときにはな!

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