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【考えてみた】ラブライブ!虹ヶ咲シリーズはなぜ名作なのか?【アニメ】

皆さんこんにちは、ならんはです。
今日のテーマは「自分が何を考えて作品を見ているのか言語化してみた。」です。
ふと思い立って『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』(以外、虹ヶ咲)を見ました。もちろん他のシリーズも見ましたが。
虹ヶ咲は他のシリーズとは異なり、脚本が変わることとスピンオフ形式なので、各話にそれぞれテーマがあるなと感じましたので、そちらをもとにストーリー分析をしていきます。ぜひ最後までご覧ください。

■1〜4話 可愛いってなんだ?

第一話 かわいいはトキメキ
 高咲侑視点。対上原歩夢。スクールアイドルと出会い、ときめいたり本気になれたりするものが見つかった侑と歩夢。夢を追いかける人を応援できたら私も何かが始まる、そんな気がした。自分に素直に、好きなことに夢中に、スクールアイドルやってみたい!実際に2人が行動に出ます。

第二話 カワイイvsカッコイイ
 中須かすみ視点。スクールアイドルの目指すべき方向性は人それぞれ。大切なものを追求し、目指そうとすることは悪いことじゃない。それを押し付けてしまったことに対する反省をしたせつ菜とかすみ。対立することもあるけど、「自分なりの1番になる方法を考えてみようよ!」大好き×大好きはプラスって感じ。それぞれ違う大好きがあるけど掛け合わせたところでマイナスにはならないよーって。

第三話 可愛いを貫くのはわがままではない
 優木せつ菜(中川菜々)視点。自分の大好きによって他人の大好きを否定してしまった反省から優木せつ菜を自分の中から消した中川菜々。同好会を再起動させ、新しく自分の大好きを表現する場所を作ろうとするメンバー一同。スクールアイドルはラブライブに出ることが全てなのだろうか。「私の本当のわがままを、大好きを貫いてもいいのですか?」主人公・高咲侑だけが優木せつ菜の正体を暴くことができ、二面性に気づき、中川菜々から優木せつ菜という存在を引き出すことができる存在なのでした。

第四話 カワイイに正解なし
 宮下愛視点。アイドルに大切なものに答えはない。みんなの方向性が違うからこそ、それを共存させるために何が必要なのかを模索していく。グループアイドルかソロアイドルか。どうやったら「自分」を出せるかどうか悩んで、「きっとみんなが不安で、でもほんとうはそれと同じくらいこれからに期待してると思うんだ。そうじゃなきゃ悩まないもの。まだ、一歩を踏み出せないだけ。」楽しそうで前向きなあいさんが気づかせてくれたってわけ。ソロアイドルも悪くないのかも?

■5〜9話 自分ってなんだ?

第五話 自分のキャラってなんだろう?
 エマ・ヴェルデ視点。対朝香果林。ソロアイドルのPVを作ることになった同好会一同。人の心をポカポカさせちゃうようなアイドルになりたいエマ。かりんの心の中で思ってることはなんだろう?同好会でやってる撮影を抜け出して、思っていることを伝えなきゃと思って走り出す感じとか、本音をぶつけたり。「でも、私は1番近くにいる果林ちゃんの心も暖めてあげられてなかった。」実はできてたんですよねー、でもキャラがそれを邪魔してた。「もっと果林ちゃんの気持ち、聞かせて!私に!」なんやこの友情は…

第六話 自分って変われるのかな?
 天王寺璃奈視点。同好会を通じて、友達になりたいって伝えて人と繋がりたいと思うようになった。自分の気持ちを尊重してくれる人や応援してくれる人って大切だよねっていう話。できないことをできるように、やれないことをやれるように、自分を変えて成長していく様子を描いてるから個人的にすごく引き込まれるストーリー。スクールアイドルとVtuber(ボカロかも)の掛け算って感じ。「高校生になって、こんなに毎日がワクワクするなんて思わなかった。こんなに変われるなんて思わなかった。みんなに、すごく感謝してる。わたし、がんばるよ」…泣ける!できないことはできることでカバーしよ!
 りなりーの塞がった心を開くことができるのはあいさんだけかと思いきやメンバー全員でっていうのがまたいいですよね。僕はてっきりりなりーの家に行くのはあいさんだけと思いました。1:1の関係を越えて、10人で乗り越える感じもいいですよね。でも成長するためにはあいさんにだけ伝えるのでは足りません、っていうメッセージを感じます。

第七話 支え合い、助け合うこと
 近江彼方視点。対近江遥。妹の遥は東雲学院スクールアイドル部のセンター。同好会の一日見学をすることになった。ほんとは妹の笑顔が見たくて、家を支えるためにめちゃくちゃ頑張ってる姉の彼方。心配させちゃってスクールアイドルやめると言い出す遥。姉妹愛ですね。姉のやりたいことを全力でやってほしい、それはもちろんスクールアイドルなわけで…。「遥ちゃんはもう、守ってもらうだけの人じゃないと思う。だってそうじゃなきゃ、お姉さんのこと助けたいってあんなに真剣にならないよ。」守って守られて支え合う、お互い助け合ってスクールアイドルを続けていこう、それでこそ姉妹なんじゃないかって。
 どうでもいいけど、これをこのえって呼んだしばゆーってラブライブ見てたのかしら(東海オンエアの話ですすみません)

第八話 自分をさらけ出すこと
 桜坂しずく視点。アイドルは演者。理想のアイドル像を演じること。主役から降板を告げられたしずくは主役を取り戻すことはできるのか?悩むしずくの異変にいち早く気づいたのはりなりーでした。「私ね、演じてるときが1番堂々としてられるの。誰の目も気にならないし、自分が桜坂しずくってことを忘れられるの。」りなりーにはあいさんがついてる。じゃあしずくは…?かすかすなんですね〜。第七話とは少し違う構図ですが、かすみんの本音としずくの本音がぶつかる感じがまた激アツ(?)
 演劇で自分の葛藤を表現する演出いいですね。ところで犬の名前がオフィーリアって、、演劇好きすぎませんか…笑(注:シェイクスピアの四大悲劇『ハムレット』のヒロイン)

第九話 仲間だけどライバル
 朝香果林視点。知名度が上がってきた同好会とそのメンバーたち。誰がダイバーフェスに出演するかを決めようの回。仲間だけどライバルだからこそ相談して決めよう、喧嘩や恨みっこなし。お互いに尊敬しあえる、ソロアイドルだけど一人ぼっちじゃない、素敵じゃないですか。みんなからエネルギーをもらってステージに立てるって。

■10〜13話 「私たちらしさ」ってなんだ?

第十話 みんなが楽しめるお祭りとは?
 誰か目線終わり。学校の研修施設を借りて合宿を始める同好会一同。裏方に徹する高咲侑の大好きを表現してみてほしい、せつなにそう告げられる。そこで考えたのが、いわばスクールアイドルフェスティバル。スクールアイドルやファンや学校の垣根を超えたみんなが楽しめるお祭りみたいなライブをしようと決めたのだった。たぶん前後編ですね。
22点って、、赤点とか追試はないのか、この学校に笑

第十一話 みんなに支えられてるな
 フェス開催に向けて頑張る一同。個人の成長やストーリーの展開にも変化が見られ始めます。まずはりなりーがクラスメイトと「璃奈ちゃんボード」を使わなくてもお話しできるようになります。
 会場の候補はどこになるのか?それはもはや関係ないのです。学校のみんながスクールアイドルに元気をもらい、応援してくれているみんなも楽しませなきゃ。会場はどこでもない、それぞれの場所で、街全体で盛り上げることが大事なのではないか?と結論づけます。
 そして前回不穏な動きを見せたあゆむ、ゆう、せつなの三角関係…これは一体何ですか?好きなの?えっ、、、誤解が解けないときはどうするか、「対話」しかないですね。なんでも知っていたはずの2人に、知らないことが生まれます。侑ってどこまでも裏方で、冷静かつ俯瞰的ですよね。だからこそメンバーの機微にもいち早く察していきます。一方あゆむは、か弱くて儚い存在であることを再認識します。「侑ちゃんだけのスクールアイドルでいたい。私だけの侑ちゃんでいて…」ってすごいセリフですよね。

第十二話 誰かのためvsみんなのため
 で、何かモヤモヤがあるときは秘密にせず「対話」をしようということです。お互いがそうならないといけません。然るべきタイミングが来ないと対話はできません。全てのピースが揃い、お互いが対話をするという意志がないといけません。
 そして、ここで思い出してください。この作品のテーマはメンバー全員の成長、変化でした。最後に変わるイベントが起こるのはやはりあゆむということになるでしょう。侑ちゃんがいないときに一歩前に進むことができないあゆむ。誰か視点が終わったのではなくもしかしたら後半は歩夢視点なのかもしれません。

ニジガクは、歩夢と侑たちの百合とか、歩夢が侑へ依存していると言われることが多いけど、実は歩夢は「侑だけのスクールアイドルでいたい」⇒「みんなのためにパフォーマンスしたい」と思えるようになり、侑のやりたいことを応援する存在になるという成長の物語でもあると思います。
心情の揺れ動きについても細かく描写されているところもポイントですね。侑がピアノを始めたことを偶然にもせつ菜に知られ、幼馴染の自分が知らないことに驚きを隠せない歩夢。侑は自分のやりたいことを歩夢に伝えようとしますが、「それって私と一緒じゃなくなるってことでしょ」と感情を表に出して叫ぶ歩夢を見て、侑は気づきます。まだ打ち明けるタイミングではないということに。
スクールアイドルフェスティバルの準備が進んでいく中で、歩夢だけがまだ出し物の内容が決まらず置いていかれていきます。侑が離れていってくような気がして、けどそれを相談したら周りにも迷惑をかけてしまうし、どうしたらいいかわからずにずっと同じ場所に止まり続けて動けなくなっています。
その様子に気づいたのが、せつ菜と、歩夢のファンきょうこちゃんでした。きょうこちゃんは元気のない歩夢を見て、侑に相談します。そして、せつ菜は歩夢と途中まで一緒に帰ろうと言います。そこで、今まで自信がなかった歩夢にファンができ、自分から離れていっていることも自覚しながらも、どうしていいかわからないことをせつ菜に伝えます。「大好きな気持ち」は「止めちゃいけない、我慢しちゃいけない」ということがわかり、侑に何かを伝えようとします。
そして歩夢のステージが完成します。黄色のガーベラの花言葉は愛、、素敵ですね。特定の誰か1人からの愛ではなく、みんなからの愛。それを実感し、2人は成長していきます。もちろん2人の間の愛が崩れることなく。侑の作った花の意味は「変わらぬ想い」。侑は自分の夢を見つけ、歩夢はみんなのために歌うと決意するわけですから。
「前に進むって、大切なものが増えていくってことなのかな」

そして、侑はようやく歩夢に自分のやりたいことを伝えます。お互いが前に進めたのは、お互いの存在あってこそ。いいお話すぎてここで全員大号泣ですね。今までありがとう、からの、これからもよろしくね。本当の意味で2人は親友と言えますね。

特に1話と12話の歩夢がパフォーマンスするシーンの対比(表情、踊り場で止まらずに上まで一気に駆け上がるところ、ステージにある花が咲いたところとか)が演出陣の細やかさが現れてます。調べてみると、ステージだけでなく歩夢の靴や光と影、道路の標識なども心情描写に使われているとか…。
そして、離れることなく2人は寄り添い、一緒に夢を見ながら次のステージへと進んでいきます。

第十三話 夢はまず行動から
 「ほんとにやってみたいことはとにかくやってみよう」
個性的なメンバーが集まったからこそ、新しいスクールアイドル像を模索しようとフェスを開催し、誰にも真似できないようなことをやる一同。それを自信に繋げ、また一歩成長するメンバー。
しかも次の世代の子たちがスクールアイドルに憧れるシーンが描写されてるのもいいですよね。憧れからスクールアイドルを始めようとする子たちも多いですから、次の伏線にもなりそう。

やっぱり想いは伝えないといけないですね。裏方としてみんなをサポートしながらみんなの成長を見守り、自分自身も成長することができた高咲侑が、上原歩夢に「あなたが私を支えてくれたように、あなたには私がいる。」という言葉をもらいます。そして最後は9人全員のステージを披露。ストーリーとしても最高のエンディングじゃないですか。
虹ヶ咲、見ないと損です!笑

■他シリーズと違うところ

パッと思いつくとこだと、
・ラブライブを目指す話ではないこと。
・スピンオフ形式で視点が毎回変わること。
 ソロアイドルゆえに、「仲間だけどライバル」というコンセプト
・作詞や作曲に困るシーンがない、ファンや人気に関して挫折がない

構成や構造という点だと、
・マネージャーの存在(非メンバー、応援してくれる人)
 今までは9人(奇数)でしたが、マネージャーを入れて10人。それぞれ信頼関係のあるペアができたことになります。
・グループとしてではなくソロアイドルとしてステージに立つこと。
・成長、自分を変える構成になっていること。
・リーダーやセンターは○○だという当たり前が存在しないこと。
他のシリーズとは異なり、そもそものラブライブの構成からは逸脱し、新しい「スクールアイドル」像を模索したのが虹ヶ咲ともいえます。グループとして、というよりはむしろ「個」に焦点を当てることで、個人の成長を描きたかったと考えられます。

■note執筆にあたっての手順

①書きたいことを決める
 だいたい脳内で整理してるけど、今回は文章化してみた。
②章立てを考える
③マクロ⇔ミクロの視点
 今回はミクロ(各話)の視点ですが、割とマクロ視点を多めに書くようにしてます。全体的に〜とか、○○と比較して〜とか。
 アニメの場合は意味段落みたいに大きく分けて3〜4個のパートに分けられる気がするので、その章立てをしてみるとかもありますね。
④引用、根拠を見つける
 今回は作品を見ながら書いてるのでここは楽でした。いつもは見終わってから文章化するので割と探すのが大変。
⑤まとめ、概要を書く
⑥推敲

まあこの通りできればいいけどそんなに上手くいかないことの方が多い笑
特に⑤とかは最後に書いた方がいいことはわかってるけど、①がうまくいけばそこで書けちゃうし、だいたい途中で言いたいことまとめて最後に書くこともある。

最後までご覧いただきありがとうございました。
実はアニメ分析系の記事がいくつか溜まっているので、早めに形になるといいなと思ってます。ラブライブ!シリーズはこれで全部見終わったことになるので、他のシリーズのものは早めに仕上がりそうです。
なんと2022年4月から虹ヶ咲2期が放送開始になるそうです!詳しくは公式HPをチェックしてみてください。これを見れば今からでも間に合うかも笑

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