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EP.39 保てなくなったNo.2ポジション 大喧嘩の末の代表就任!

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いつもお読み頂きありがとうございます。EP.34 綱渡り施策、創業以来最大の危機を乗り越えろ!から続くエピソードです。

背景には様々な要因があり、このエピソードも今回の話につながっています。EP.38もお読み頂くとわかりやすいと思います。

怒涛の2013年秋~2014年秋の365日・・・。とてつもないスピードで過ぎ去ったこの時期の終盤に、創業よりNo.2の立場で活動し続けてきた11年に別れを告げ、いよいよ代表に就任する覚悟を持つことになります。企業のTOP就任の裏話、今回はそんなお話です。



◆窮地を脱した幹部からのリクエスト

財務危機からの倒産回避に向け、幹部一丸となって取組を行いメガトン級の事件をなんとか乗り越えました。

業績も上向き、利益の確保もできるようになってきた頃です。中心幹部の一人から食事に誘われました。
 私は、下戸でお酒があまり飲めません。そして、社内の引き締め役であったので、イベントやプロジェクトの打ち上げ以外で、ほとんどのメンバーが私を食事に誘うことなどありませんでした。誘われれば断る理由もありませんので、日程調整して参加することにしました。

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当日、居酒屋へ行くと他にも幹部メンバーがもう一人いました。窮地を脱したことに対する労いも考えていたので、ちょうどいいと思って食事しました。ある程度、お酒も進んだところで、幹部メンバーから


「副社長、社長になってもらえませんか?」

なぬ⁉ いきなり何を言い出すのかと・・・。そう思った矢先。

「いや~、今回のことで正直、社長にはついていけないと思っています」

そう来たか・・・。確かに、数々の問題は社長が決定した方針により生じたのは否めない。

「日下部さんに取りまとめてもらった方が、安心して活動できます」

 私が止めた案件を、社長にダイレクトコミュニケーションとってひっくり返した責任は・・・、とは言え決定を下したのは社長だし。

 こんな思考がぐるぐる回っていきました。ただ、現状の体制では再発は必至。社長とも今一度今後について話をしないといけないと思っていたところでした。

この幹部のリクエストは、創業よりNo.2の立場で活動し続けてきた私にとって絶対に言わせてはいけない発言。

《言わせてしまった・・・、もう、No.2でいられない》、そう感じた瞬間でした。


◆No.2とは何か?

 経営者や経営幹部の中では、よくテーマになるNo.2の存在。
 過去の歴史などでも名参謀として登場することが多いですね。三国志で言えば劉備玄徳に仕えた諸葛亮孔明なんか正にそんな存在です。私としては、豊臣秀吉に仕えた黒田官兵衛なんかはとても尊敬できる生き様です。

 No.2とは組織を扇と見立てた場合の「要」の部分を指します。扇は、要がなければバラバラになり機能しません。肝心かなめの「かなめ(要)」です。

 よく、会社や組織の序列で2番目に偉い人、なんて誤解がありますがNo.2とは私の中で明確な定義があり、これは序列や実力ではなく【役割】なのです。その役割は、

 ●本来のTOPとしての仕事に集中させる何でも屋
 ●TOPの意図・目的を齟齬なくくみ取り伝える翻訳家
 ●組織における叱り役(鬼軍曹)
 ●全体を把握した、実務指揮・執行役

これらが、しっかりできるかどうか。そしてTOPと違う夢を描くことなくTOPの夢を実現させるのです。ですので、社長=TOPだとすればNo.2が後継者にはなりえないのです。

この辺は、社外セミナーや社内研修などを行うくらい内容が深いものです。

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ちなみに、会社組織の中で、No.2が明確にいると答えた社長の比率が25%と言う調査結果がある程、レアな存在です。

No.2は育てられるのか、見つけるのか、このディスカッションだけでセミナーが成立することがあります。
セミナーや研修に興味がある方は、こちらからご依頼ください。

  創業より11年、No.2であることに誇りを持ち、疑わずに活動し続けてきた私にとって自分に部下の指示が集まり、TOPを非難するメンバーが生まれてしまったことは、No.2失格を意味していました。


◆覚悟を決めた代表就任

しばらく、悩む時間が続きました。
 そんな折、EP.36 ブチぶちっと辞表を提出!冷静さを欠いた大醜態・・・が勃発します。

 社長と今後について、話をすることにしました。
肩書にはあまり拘りがないのですが、ここまで発生した問題の解決には、社内体制を変えたことを表明する必要がありました。社内・外共にです。

「社長、このままの体制はもう無理です。ほぼ、社内にいない中で、会社の方針や重要決議の決定をしたことで数々の問題が発生しました。社外での活動を止めることはできないですよね」

「そうだな、やることも増えてきたし。」

「であれば、いきいきらいふは私の方で面倒見ます。社外での活動に専念してください。創業社長は、あなたですのでメンバーの拠り所として会長となって頂ければと思います」

「私は取締役社長として、活動していきます」

「いや、それだと弱い。代表権も付与する。ダブル代表で活動するようにしよう」

と言う流れで、代表取締役に就任することが内々で決定しました。2014年6月頃の出来事です。下期(10月)からの体制変更発表時期を決め、準備することになりました。

が、しかし、その後一向にこの話が進みません。

 そして8月、なぜか10月以降の体制について、税理士より社長の意向と言うことで資料が渡されることになります。内容は信じがたい内容が記載されていたのですが、ちょっと流石に開示できないものなので省きます。

内容も去ることながら、私は、この会社の重要な話を税理士経由で行う異常さに怒りがこみ上げて、

「なぜ、この話をあなた方(税理士)から聞かされるのです?社長自ら話をすればいいものを!これまでそうやって経営してきたんですよ。申し訳ないが、社長から直の説明でなければ聞く耳持たないので!!」

ああっ、本当にもうダメかもしれない・・・。創業から二人三脚でやってきたので、またそうやって活動していくことに、今回のダブル代表制に一縷の望みをかけていた私の期待は、崩れていきました。


◆大喧嘩の末の体制決定!

税理士から話を戻された社長から説明のアポイントが入ります。

 既に、肩透かしをくらって気持ちが切れはじめている私は、創業に参画する際にした約束を伝える決意をしました。それは、

【方向性が違えた時は、いつでも出ていく】

 11年前の起業の際に、お互い介護未経験・無資格。さらに創業社長である友人は社会人経験もなし。起業は失敗に終わる可能性の方が遥に高い状態なのは、考えればわかることです。起業に誘った友人に責任を持たせないために伝えたことがありました。

「この介護事業はうまくいかないかもしれない。しかし、俺は自分の意志で参画する。うまくいかなかったとしても責任を感じないで欲しい。但し、方向性が違えた時は、いつでも出ていく。それと協力は2年間限定、2年間で成果が出なかった時は、終わりにする」

 創業時のハチャメチャはあったものの事業運営自体は上手くいったので、2年限定は、11年経っていました。但し、方向性が違えた時は・・・、正にこの時の状態がそれでした。

 既に、気持ちが固まりつつある私は、社長の話次第で自分の気持ちを伝える覚悟をもって話し合いに臨みました。空気を感じ取ったのか、社長からは比較的弱腰で話が始ました。が、弱腰なだけで内容が変わった訳ではありません。

 私は、これまでメンバーに伝えてきたことと大きく変わる体制に「NO」を突きつけ、ここでも思いの丈を吐き出す時間となってしまいました・・・。
 詳細はかけませんが、ここでも大喧嘩・・・⁉ 私から一方的に話をしていたので喧嘩ではないかもしれません。

「もう一緒にはできない、創業時の約束を履行させてもらう。組織を出る時は一人で出ると約束してきたから後は自分でなんとかしろ!」

「・・・。」

この一言の後に、社長から今後の体制の相談が入りました。決定事項の通達ではなく。

 ここまでやって、ようやく、いきいきらいふの今後について、話をできる土壌ができました。私も自分の感情に振り回されず、冷静に話を受け止め「メンバーに対する責任」を中心に考えました。

予定通りお互いの合意の下、ダブル代表制での活動がスタートすることになり、2014年10月、全社総会の場でメンバー全員に代表就任を発表しました。

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 決して望んで社長になった訳ではありませんが、覚悟と責任感でTOPに立つと、No.2の時には見えなかった景色が広がっていることをこの後、体感していきます。そして、肩書の重さも・・・。

こういった経緯で望む、望まぬとは別の状況で代表職に就任することになったのです。人生何があるかわからない。縁とタイミング、大事なことは自分の役割を全うするだけだと考えています。

さて、今回のエピソードでは、どんなことを感じて頂けたでしょうか?
 当事者でないとわからない感情がありますのでなかなか伝わりにくい内容だったかもしれませんが、何か感じ取って頂けることがあれば嬉しいです。

 社長というTOPではなかったとしても、部下を持ちまとめる立場であったり、プロジェクトリーダー、スポーツではチームリーダーなどその立場に置き換えて考えてもらえると、いろいろ気が付くことがあると思います。

気づきを行動に!明日を変えていきましょう!!


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