関西と九州を結ぶフェリー

はじめに

いつもは千葉市内に着目している当noteだが、守備範囲を広げ各地の交通事情についていろいろと書いてみたいと思う。
今回は関西と九州を結ぶフェリーについて書いてみたい。

関西と九州を結ぶフェリーの種類

現在関西~九州間を結ぶフェリーは以下の通り。

1日8便もあり、出発地は大阪、神戸で到着地が福岡県、大分県、宮崎県、鹿児島県と九州の東側4県すべてにわたっている。
上記所要時間は一例であり、若干の前後はご容赦いただきたいが、最も距離がある志布志港行きで15時間となっている。またフェリー乗り場は公共交通機関でアクセスが困難というイメージがあるが、上記フェリーの乗り場を整理すると以下の通りになる。

どこも非常に不便というわけではなく、関西側はどこもJRや私鉄の駅からバスが出ている。大阪南港はニュートラムという新交通システム駅から徒歩になる。いずれにせよかなり便利である。
一方九州側だが、志布志港を除く4か所はすべて各駅から徒歩乃至はバスと比較的利便性が高い。
志布志港のみ、JR鹿児島中央駅からバスで2時間となっていてかなり遠いが、その高速バスは予約が必要なもののフェリー利用者に限り無料としている。2024年6月時点でもこの無料キャンペーンは継続中で、かなり利用価値が高いのではないだろうか。

実質的な所要時間

さて、これを前提に考えると、実質的な所要時間は以下のように考える。
大阪~小倉 15時間
大阪~大分 14時間
大阪~宮崎 15時間30分
大阪~鹿児島 18時間30分
現在、大阪~小倉は新幹線で2時間程度、大阪~鹿児島中央は同じく4時間前後ということを考えると、小倉、鹿児島中央行きで考えると所要時間でのメリットはなさそうである。しかし、大分や宮崎は乗り換えが必要であること、さらに在来線なので所要時間が長くなることを考えると十分勝負できるレベルではなかろうか。
過去の寝台特急ダイヤを紐解くと、大阪~大分は10時間程度、大阪~宮崎は13時間程度かかっていたようなので、この14時間、15時間30分という所要時間はかなり「使える」時間帯であろう。

それ以外のフェリーのメリット

さて、それ以外のフェリーのメリットだが、「広い」ということに尽きると考える。フェリーは乗客1名あたりの占有面積を広くとることができるので、大浴場、レストラン、個室といったものが準備できる。個室があれば実質的にはホテルでの宿泊と大差ないとも考えられるので、これが大きなメリットになる。

ほかの交通網との比較

既に鉄道は前述したとおりだが、ほかの交通機関(代表例)と比較してみたい。

大阪~小倉は航空機だと福岡空港行しかないので参考となるが、1時間20分ほどとなる。
ここでは価格面について一切触れていないが、大分、宮崎といった東側はどうしても新幹線の恩恵を受けにくいエリアになってしまっている。ただ直線距離で近いことから、航空機での所要時間が短くなり航空機のメリットが非常に高いエリアになる。
ただ、当然価格は高くなることを鑑みると大阪~大分や宮崎は相当にフェリーが入り込む余地が大きいことがわかる。

まとめ

フェリーは徒歩での旅客も載せるが、当然メインターゲットはトラックは乗用車でありそれらの利用が多いこともよくわかる。特に大分に至ってはフェリーと所要時間が大差なく抜群の利便性であろう。宮崎も直行バスがないので所要時間という面では不明だが同様にフェリーが入り込む余地が大きい。
フェリーを移動+宿泊と考えればコストパフォーマンスも極めて高い乗り物であると感じると思う。
みなさんも興味があればフェリーは一度使用してみてはいかがだろうか。特に大阪~新門司や大分県行きは瀬戸内海を航行するため揺れが少ないのでおすすめできる。

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