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地上波の長寿番組「やべっちFC」のDAZN移籍で私が勝手に期待すること

テレビ朝日の人気番組だった「やべっちFC」がDAZNで「やべっちスタジアム」として復活すると話題になっています。やべっちFCは日韓ワールドカップが開催された2002年から放送を開始し、今年の8月に放送終了を迎えました。放送開始当初の私は高校生であり、大学入学後もしばらくは毎週楽しく見ていました。応援する東京ヴェルディがJ2に降格して以降は扱いが減ったために私は全く見なくなりましたが、サッカーファンの支持は高く、8月は惜しまれながら放送を終了しました。

放送終了の背景は明らかになっていませんが、高額な映像使用料にテレビ朝日が耐えれなくなったのだろうと推測されています。テレビ業界は全体的に広告収入が減っていると言われており、特定の層しか見ない専門性の高い番組よりも、広く見てもらえる可能性のあるバラエティ番組の方を優先したくなる事情は理解できます。

ネット番組としての移籍は番組終了当初も噂をされていました。具体的にはテレビ朝日が出資するAbemaTVへの移籍です。AbemaTVもまた経営に苦しんでいるようで、そちらに移籍することで番組を継続しつつAbemaTVの注目コンテンツとできるのではという理論でした。結果としてはAbemaTVではなく、DAZNという別のネットメディアへの移籍となり、あながち間違っていない噂だったと言えます。

やべっちFCのDAZN移籍は地上波で存続するよりも、むしろ朗報だと私は思います。ネットメディアであれば日本のテレビの柵(しがらみ)から開放され、なおかつ専門性の高い番組作りをできるからです。番組を見ていない私は番組内容を論評できませんが、地上波で放送していた頃よりも、視聴者層を明確に絞った形で番組を作れるはずです。番組スポンサーが付くのかは分かりませんが、基本的には視聴者の契約料で成り立っているので、ビジネスモデルも異なります。テレビ局やスポンサーの顔色を見ながらではなく、真にサッカーファンのためだけの番組作りが可能となります。視聴者としても満足度の高い番組となるのではないでしょうか。

一方で露出の低下によって未視聴者層とのタッチポイントが減るのは番組としては減点となります。視聴者が減っていると言われている地上波であっても、垂れ流していたら「偶然見る」可能性はネットメディアと比べたら格段に高いです。そこで私は勝手にユーチューブへの展開を期待します。ユーチューブは多くの方が視聴する動画プラットフォームです。そこで部分的に公開することで若者への露出をむしろ増やせるのではないかと期待します。そこを入り口にサッカーないしJリーグに興味を持っていただければ、DAZNにとっては契約者数を増やす機会になりますし、Jリーグとしても若いファンを増やす機会になります。

この話題はサッカーファンとしても注目していますが、メディアのあり方という点でも注目しています。今まで惜しまれながら放送終了を迎えた番組は数知れません。もし、やべっちスタジアムがやべっちFCよりも高視聴者数となり高収益を得られる事態となれば、明確に「テレビよりもネットメディアの方が儲かる」という事実が明らかになってしまいます。日本の人口を1・2億人だとすると、テレビの視聴率1%は120万再生です。やべっちFCの視聴率は5〜6%だったそうなので、700万再生程度が1つ基準となると思います。

番組は今週末から始まります。私も10年ぶりくらいに「やべっち」を見てみようと思います。

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