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佐々木圭一著「伝え方が9割」

コトバは作ることができる

どうも、読書家のヒデです。
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さて、今回はダイヤモンド社さんから2013年に出版された佐々木圭一(ささき けいいち)さんの「伝え方が9割」を紹介させていただきたいと思います。

本書をひと言で言えば「相手からイエスを引き出す言葉の作り方」だと思うんですね。

伝え方ってすごい難しいじゃないですか。お願いしたときに断られないように相手にイエスって言ってもらうのってすごく難しいですよね。

断られたらどうしようって思って、なかなかお願いできない時ってないですか。それも言葉を作ることによってイエスを引き出せる可能性がぐっと上がるんですよ。その技術を本書は伝えてくれる一冊かなと思います。

例えば学校や会社でレポートだったり提出物があったとするじゃないですか。その時にそのレポートが期限内に作れなかったとします。そのレポートの提出期限を延期してもらうためにあなたならどう頼みますか。

「レポートの提出期限を延期してください」これだとストレートすぎて延期してもらえない可能性って高いと思うんですよ。なぜならその期限ていうのは約束事じゃないですか。仮に延期してもらえたとしても評価が下がるかもしれませんよね。

ですが言葉を変えることで結果を変えることができるんですよ。

例えば「クオリティーを上げたいのでもう少し粘ることはできませんか」こうやって伝えると延期してもらえる可能性ってぐっと上がると思いませんか。しかも頑張ってるなって評価までついてくるかもしれませんよね。

どちらにしても延期してほしいと言うのは同じ内容なんですね。なのに伝え方が変わるだけで結果って変わってしまうんですよ。

言葉って思いつくものだと思われがちなんですけど、言葉は思いつくのではなく作ることができるんですよ。言葉っていうのは頭に浮かんだものを口に出したり文章にしたりしますよね。

その言葉を私たちは作ることができるんですよ。

でも、言葉を作るときに注意したいポイントが3つありんですよ。

1つ目が、「自分の頭の中をそのまま言葉にしない」って言う事です。

思ったことを何でもかんでもストレートに言うのは博打と一緒なんですよ。これだとイエスを引き出すのは難しくなるので頭の中で思ったことをそのまま口にするって言うのを止めることがまずは大事なんですね。

次に2つ目のポイントなんですけど「相手の頭の中を想像する」と言うことです。

そのまま口にするのをぐっとこらえたら、相手がどう考えるか、普段相手は何を考えているのか、相手の頭の中を想像することです。例えばあなたが気になる相手をデートに誘いたいとします。

このときに仮にそのまま「デートしてください」と言ったら相手がどう思うかを想像するんですよ。あなたに興味があってイエスをもらえそうだと思ったのならそのまま話してしまえば良いのですが、一方でノーになりそうだなと思ったらそのまま口に出したらデートしてもらえない可能性が高いですよね。

この時に一旦自分のお願いから離れて相手の頭の中を想像するんですよ。何が好きだったかな、何が嫌いだったかな、どんな性格だったかな。分かりうる限りの相手の基本的な情報を思い出すんです。

例えばここで相手の方が「初めてなものが好き」だとか「食べ物はイタリアンが好き」言う情報があったとするじゃないですか。

ここから3つ目のポイントに入っていくんですけど先程の情報をもとに「相手のメリットと一致するお願いを作る」んです。

つまり相手の頭の中をもとに言葉を作っていくんですけど、ここで大切なのは相手の文脈で作るって言うことです。例えば先程の「はじめてのものが好き」だったり「イタリアンが好き」って言う情報があるなら、それを満たす言葉を作ってあげるんです。

例えばを「驚くほどうまいパスタの店があるんだけど行かない?」こうやって言うと相手にとってみたらまさに好きなこと、望んでいることだからイエスになる可能性って高いですよね。

「デートしてください」って言うストレートな言葉をあえて言わないでも結果としてパスタのお店に行けるならデートしてるのと一緒ですよね。これが相手のメリットと一致するお願いを作る方法です。

さらに、ここから相手の答えをイエスに変える切り口を紹介していきます。

相手の好きなことから作る

先程の例でいくと「デートしてください」だとあなたのメリットでしかないじゃないですか。でもこれが「驚くほどうまいパスタのお店があるんだけど」って言うと、相手の好きなことをもとに作ってるので相手のメリットに変わってるじゃないですか。

もう一つ例を言うと例えばハンバーガー屋に入ったとするじゃないですか。そこで注文したハンバーガーがどうやら時間がかかるようだと、そこで、店員さんに「4分ほどお待ちいただけますか」って言われるのと「できたてをご用意いたします。4分ほどお待ちいただけますか」って言われるのだと後者の方がお客さんのメリットになってるじゃないですか。

こうやって相手の好きなことから言葉を作ると、どちらにしても同じお願いをしてるのに相手にイエスって言ってもらいやすくなるんです。

相手の嫌いなことから作る

ちょっと先ほどと矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、例えば芝生が踏まれて困っているとしますよね。注意書きの立て札を作るときにどう書いたら人は芝生に入らなくなるでしょうか。

ここで「芝生に入らないでください」って書いてもそれはあなたのメリットでしかないですよね。これを「芝生に入ると農薬のにおいがつきます」っていう言葉に変えると、農薬の臭いがつくの嫌だなって相手は思うじゃないですか。

相手の嫌いなことから言葉を作るとそれが相手のメリットに変わるんです。ストレートに要望を言うのではなくて相手にとって嫌なことを回避させるように言葉を作るんです。

もう一つ例を言うと痴漢が発生する地域があったとします。住民の方たちは「痴漢に注意」と言うポスターを作って貼ったのですが、ほとんど効果はありませんでした。

でもそのポスターをある言葉に変えたら痴漢が止まったって言う言葉があるんですね。それが「住民の皆様のご協力で痴漢を逮捕することができました。ありがとうございます」こうやって作ったら痴漢にとってみれば逮捕されたくない、住民が協力体制をしているって言う点でここでは痴漢するのやめようってなりますよね。

選択の自由

相手の好きなことを2つ以上並べることで前向きに選べるようになるんですよ。選択の自由があること自体が相手のメリットになるんです。人って決断が得意じゃないんですよ。一方で2つ以上選択があるときは比較なので比較するのは得意なんです。

先程の例をもう一回あげさせてもらうと「デートしてください」これだとあなたのメリットしかない上に相手は行くか行かないか決断しなければなりませんよね。ですがここで「驚くほどうまいパスタのお店と石窯ピザのお店があるんだけどどっちがいい」って聞くとそれは相手にとっては比較できるので非常に簡単なんですよ。

さらに相手は好きなものを選べるので相手にとってはダブルメリットになるんですよ。選択の自由を作ることでよりあなたのお願いが受け入れられる可能性が増えるんです。

認められたい

人は承認欲求が1番つよい欲求なので、ここを満たしてあげるとちょっと位面倒なことでもやろうかなって思ってしまうんですよ。例えば会社で残業をお願いしたい時に「残業お願いできる」って聞くとこれはあなたのメリットでしかないんですよ。

でも「君の企画書が刺さるんだよお願いできないかなぁ」って言うと、認める言葉から始まっていくのでめんどくさいことでもやってみようって気持ちが生まれるんですよ。

上司と部下の関係だったら、それは仕事としてはやらなきゃいけないからこういう言葉を使わなくても部下は動くかもしれません。だけどこの認められたいって欲を満たしてあげれば、相手のやる気が変わりますよね。最終的に仕上がってくる内容のクオリティーも高いものが期待できるんじゃないでしょうか。

あなた限定

もともと人って何十万円もするツボとかを買ってしまう人がいるほど限定というものに弱いんですよ。例えば誰も行きたくない自治会のミーティングに誘う時なんですけど「自治会のミーティングに参加してください」って言うとあなたのメリットでしかないですよね。

ここで「他の人が来なくても〇〇さんだけには来て欲しいんです」って言うと私が必要なんだと思わせることができて、心を満たすことで相手のメリットに変えることができるんです。

チームワーク化

これはお願いを相手に任せるのではなくて「一緒にやりましょう」とあなたと相手をチームワーク化するんです。人はもともとコミュニティーを大切にしたり、集団行動をする動物なんですよ。

誰かがやるなら自分もやりたくなるんですよ。例えば勉強嫌いの子供に勉強させたい時「勉強しなさい」って言ってもなかなかしないじゃないですか。

でもこれを「一緒に勉強しよう」って言う言葉に変えると面倒なことであっても人と一緒であれば動くものなんですよ。子供って素直じゃないですか、勉強しなさいって言ってもやりたくない事はやらないじゃないですか。

それならやりたいと思わせるような伝え方をすればいいんですよ。ただ、この「一緒」にっていうのは自分も動くことが前提なのでそこは注意してください。

感謝

これは当たり前ですが人と接するときの基本ともいえますよね。「ありがとう」って感謝を伝えると人はノーといいにくいですよ。例えば会社で「領収書を落としてください」って言うのと「いつもありがとうございます。領収書お願いできますか」って言うのでは全然違うじゃないですか。

感謝から入るとノーといいにくいんですよ。なので感謝の言葉を伝える様にしてみてください。

このように本書では他にもたくさんのメソッドが載っているので興味のある方はぜひ手に取ってみてください。

今回は以上です

それでは素敵な1日を

読書家のヒデでした


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