見出し画像

西野 精治著|スタンフォード式 最高の睡眠

どうも、読書家のヒデです。
Twitterで本の楽しみ方や活かし方、読書術や選書術など本に関しての発信をしています。

さて、今回はサンマーク出版さんから2017年に出版された、西野 精治(にしの せいじ)さんの『スタンフォード式 最高の睡眠』をご紹介したいと思います。

本書をひと言でいうと「あなたの睡眠を史上最高のものにし、日中のパフォーマンスを最大化する」ということなのですが、どうですか皆さん、普段ちゃんと眠れていますか?睡眠が大事っていうのは何となく聞いたことあると思うんですよ。でも、ゲームをしたりYouTubeを見たり、夜遅くまで仕事をしていたりと、就寝時間が遅くなって夜更かししちゃったりしてる人も多いんじゃないですか?

それを取り戻そうと休日に寝だめをする人も多いと思うんですが、寝だめをするだけじゃ「頭がぼーっとする」とか「日中眠たい」とか「朝起きるのが辛い」とか、そういった睡眠の問題を解決する事はできないんですよ。

大事なのは睡眠の質を高めることなんですよ。今では、食事でも、モノでも、仕事でも、「量よりも質」と言う考え方が、もはや当たり前になってますよね。

「大盛りや食べ放題よりも、味が良くて体に良いものを少なめに食べたい」とか「たくさんのものを持つよりも、質の良いものを厳選してシンプルに暮らしたい」とか「長時間の残業や、休日返上で働くよりも、短時間集中して効率よく働きたい」こうやって考える人って多いと思うんですよ。

でも、何故か睡眠に関してはそれが当たり前になってないことが多くないですか?要するに睡眠に関して言えば、「質よりも量」になってしまって、睡眠不足を補うためにもっと「眠らなければ」と、量の確保を意識しちゃってませんか?

ですが、睡眠にまつわる悩みやストレスも量の確保では解決しなくて、質を上げなければいけないんです。

著者の西野さんは、スタンフォード大学で30年以上も睡眠の研究をしてきたその道のプロともいえる人なんです。そんな西野さんが書いた本書は、睡眠の悩みを解決し、質の高い最高の睡眠を実現するための方法を解説してくれてる1冊かなと思います。

本書を読めば、「最高の睡眠」を手に入れる方法を知ることができて、睡眠の質を上げたうえで、日中のパフォーマンスも上げることができると思います。

睡眠負債

まず初めに知っておいて欲しいのは、私たちは自分たちが知らないうちに「眠りの借金地獄」になっていると言うことです。

「今日ちょっと寝不足だ」とか「最近睡眠不足で…」みたいな会話ってすることあるじゃないですか。ですが、西野さんたち、研究者の間では睡眠が足りていない状態のことを睡眠不足ではなく「睡眠負債」という言葉を使って表現してるんですよ。

睡眠負債というのは、睡眠時間が足りないことによって、簡単には解決しない、深刻なマイナス要因が積み重なっていくという意味で、気づかないうちにたまる、眠りの借金のことです。

睡眠不足って言うと簡単に解決できそうな気がしてしまいますが、研究者の方たちが「睡眠負債」と言っているように睡眠の不足は簡単に取り戻せるものじゃないんですよ。

冒頭でもお話しした通り、日ごろの寝不足を解決する手っ取り早い方法として、休日に寝だめをするという人もいると思うんですけど、実際にほとんどのところ、寝だめでは解消されていないんですよ。

とは言え、忙しい毎日を過ごす中で、なかなか平日に十分な睡眠時間を確保できない人も多いですよね。そういった人に、毎日の睡眠時間を多くしろと言ってもなかなか難しいじゃないですか。

そこで、注目して欲しいのが睡眠の量ではなく、質の方なんですよ。

質の良い睡眠が取れれば、質の悪い睡眠をダラダラと長く続けるよりも、高い効果を得ることができるんですよ。本書では「眠り始めの90分の質を高める」というのが提唱されているんです。

黄金の90分

人は普段寝るとき、ずっと同じように眠っているわけじゃないんですよ。浅い眠りの「レム睡眠」と深い眠りの「ノンレム睡眠」、これを交互に繰り返しながら眠っているんですよ。

眠った直後に、睡眠全体の中で最も深い眠りの、ノンレム睡眠が最初の90分間で訪れるんです。その後、レム睡眠に切り替わって、ノンレム睡眠とレム睡眠が交互に訪れるんですよ。

そこから、明け方になるにつれてレム睡眠の時間が長くなるんです。そして、明け方の浅いレム睡眠の時に目が覚めるというのが最も健康的な睡眠のリズムなんですよ。

要するにもっとも深く眠っている「最初の90分間のノンレム睡眠」ここをいかに深くするか、ここで深く眠ることができれば、その後の睡眠リズムも整う上に、自律神経やホルモンの働きも良くなって、翌日のパフォーマンスも上がるということなんです。

本書ではこの最初の90分間のことを「黄金の90分」と呼んでいて、この90分の質を上げることで、体には大きなメリットが3つあるんですよ。

自律神経が整う

自律神経というのは自分の意思とは関係なく、自動的に働く神経のことなんで、例えば、呼吸や体温や心臓、そういった、人間が生きていく上で欠かせない、生命維持に必要な機能を調整してくれている神経のことです。

頭痛やストレス、疲労感やイライラ、そういう調子が悪い状態も自律神経の乱れが原因であることが多いんですよ。この自律神経は睡眠と深く関わっていて、「黄金の90分をしっかり眠る」というのは自律神経を整える最高の方法だと本書では書かれてるんです。

グロースホルモンの分泌

グロースホルモンと言うのは成長ホルモンとも呼ばれていて、子供の成長はもちろんのこと、細胞の増殖や、正常な代謝を促進させたり、アンチエイジングなど様々な働きがあるんです。

このグロースホルモンが最も多く分泌されるのが最初の90分のノンレム睡眠が訪れた時なんですよ。裏を返せば最初の90分で最も深いノンレム睡眠が現れないと、グロースホルモンの分泌は減ってしまうんですよ。

逆に最初の90分を深く眠ることができれば、グロースホルモンの80%近くは確保することができると言われてるんですよ。

仮に5時間しか睡眠時間が取れなかったとしても、最初の90分をしっかりと眠ることができれば、少なくともグロースホルモンの全体量はそれほど減らさずに済むんです。

睡眠圧の解放

人は長く起きていると「眠りたい」という睡眠欲求が高まってくるんですよ。これを「睡眠圧」といいます。普段の睡眠でこの「睡眠圧」が、うまく解放されないと、日中なんとなく眠いとか、寝たはずなのに疲れが取れない、という状況が起きてしまうんです。

この「睡眠圧」は最初のノンレム睡眠で、その多くが解放されることがわかってるんですね。要するに「黄金の90分」の質を高めて、うまく睡眠圧を解放することができれば、朝もスッキリ起きられるし、昼間の眠気も消えるんですよ。

では、どのように「黄金の90分」を手に入れるのか

「深部体温」と「皮膚温度」

まず、初めに覚えておいて欲しいのが「深部体温」と「皮膚温度」です。

「深部体温」というのは臓器や筋肉、脳などの、体温のことをいいます。この深部体温は眠っている時よりも日中動いているときの方が高くなるんですよ睡眠中は温度を下げて臓器や筋肉、脳を休ませてるんです。

逆に、皮膚温度は手足の温度のことで、昼に低くて夜に高くなるんですよ。寝る前に手足が温かくなるのは、皮膚温度が上がって、熱を放散して深部体温を下げているんです。赤ちゃんて寝る前に手足がすごい温かくなるじゃないですか。あれは、手足から熱を放散して深部体温を下げてるんですよ。

要するにスムーズに眠りにつくには、この深部体温と皮膚温度の差が縮まっていることがカギになるんですよ。

という事は、この深部体温と皮膚温度の差を縮める変化を助けてあげれば、スムーズに眠りに入れると言うことじゃないですか。それが、まさに「スタンフォード式 最高の睡眠法」なんですよ。

その中から今回は1つご紹介したいなと思います。

寝る90分前の入浴

先ほどもお話しした通り、睡眠中は深部体温が下がるわけじゃないですか。裏を返せば、深部体温を下げてあげれば眠くなると言うことじゃないですか。でも、ここで大事なのが、いち度、皮膚温度上げて、そこから深部体温を下げると言うメリハリが大事なんですよ。このメリハリがあれば最初の90分は深くなるんです。

そこでオススメなのが入浴です。皮膚温度ってすごい変化しやすいんですよ。冷たい水に手をつければ冷たくなるし、お湯に使浸かったり、ストーブに近づいたりすると、すぐにあったかくなりますよね。

お風呂に入ると深部体温が一時的に上がるんですよ。この一時的に上がるというのが非常に重要で、深部体温は上がった分だけ大きく下がろうとするんですね。

ですので、入浴で深部体温を意図的に上げてあげれば入眠時に必要な深部体温の変化がより大きくなり、熟睡につながるんですよ。

入浴に関する実験データでは、40度のお風呂に15分入ると、深部体温が0.5度上がるそうです。この0.5度上がった深部体温が元に戻るまでの時間が90分だそうです。

つまり寝る90分前に入浴を済ませておけば、その後さらに深部体温が下がっていって、皮膚温度との差も縮まって、スムーズに入眠できるんですよ。

でもここで注意して欲しいのが、靴下を履いたまま寝ないと言うことです。

女性の方に多いかなぁと思うんですけど、冷え性で靴下を履いたまま寝てると言う人、多いんじゃないでしょうか。私も冬場は靴下を履いて寝ることが多いんですけど、靴下を履いたまま寝ると熱放散が起こらないので睡眠の妨げになるんですよ。

寝る前に靴下を履くのは足を温めるという意味では、すごくいいんですけど、靴下を履いたまま寝てしまうと足からの熱放散が起こらないんですよ。

足から熱が逃げないと言うのは、深部体温が下がりにくいと言うことを意味してるので、眠りの質を悪くしてしまうんですよ。ですので、寝る時は靴下を脱いで、質の良い睡眠が取れるように心がけてみて下さい。

本書には他にも最高の睡眠法や、日中のパフォーマンスを上げる覚醒戦略が書かれているので、気になる方はぜひ手に取ってみてください。

最後まで読んでいただきありがとうございます

今回は以上です

それでは素敵な1日を

読書家のヒデでした


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?