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グレッグ・マキューン著「エッセンシャル思考」

どうも、読書家のヒデです。
Twitterで本の楽しみ方や活かし方、読書術や選書術など本に関しての発信をしています。

さて、今回はかんき出版さんから2014年に出版された、グレッグ・マキューンさんの「エッセンシャル思考」をご紹介したいと思います。

本書はベストセラーにもなっているし、有名な書籍なので、読まれた方も多いのではないかなと思いますが、私なりに一言でまとめると「99%の無駄を捨ててやるべきことに集中しよう」っていうことだと思うんですね。

仕事でもプライベートでも忙しい毎日を過ごしてる人って多いと思うんですよ。無駄な仕事を押し付けられて苦しんでる人とか、あれもこれもやらなくちゃいけないと思い込んでしまっている人とか、仕事を減らしたい、仕事の質を上げたい、人生をより豊かにしていきたい、そんな悩みをかかえた人にとっては、目から鱗の必読書になっている、そんな1冊かなと思います。

本書のタイトルにもなっているエッセンシャル思考とは「99%の無駄を捨てて、やるべきことを決める」ということなんですよ。決して多くの仕事をこなすためのものではなくて「より少なく、しかしより良く」を追求する考え方なんです。

多忙な毎日っていうのは優秀な人ほど陥りやすいんですよ。優秀な人ほど成功のパラドックスに陥りやすいんですね。なんかちょっと不思議ですよね、優秀な人なら仕事をバンバンバンバンこなして時間もうまく使えそうじゃないですか。優秀じゃない人の方が仕事が遅いからどんどんどんどん仕事が溜まっていって多忙な日々になりそうじゃないですか。でも、これ違うんですよ。

優秀な人って結果を残していくじゃないですか。そうすると結果を残した人って頼れる人って言う評判を得るじゃないですか「あの人に任せておけば大丈夫」って言う信頼を得るわけじゃないですか。そうすると、どんどん仕事を振られて仕事が増えていくわけですよ。そうなると、自分の時間とエネルギーがどんどん拡散されていくんですよ。そうすると全てが中途半端に終わってしまうんですね。本来やるべきことができなくなってしまうんですよ。成功した、結果を残した、そのせいで自分の方向性を見失ってしまうんですよ。

だからこそこのエッセンシャル思考を身に付けて、やるべきことに集中する必要があるんです。

このエッセンシャル思考を身に付ける上で基本となる3つの考え方があるんですね。それが「選択」「ノイズ」「トレードオフ」なんです。

選択

私たちには「選ぶ」という権利があるんですよ。会社で上司から命令されたら「やるしかない」「他に選択肢なんてない」って思う人もいると思うんでけど、確かにそういう時の選択肢って限られてるかもしれません。

けど、少ない選択肢の中から何を選ぶかは自分次第なんですよ。でも、多くの人はこの「選択」するって言うことを放棄してしまっているんですね。選ぶって言う権利は誰にも奪えないんですよ。ただただ、本人が手放してしまっているだけなんです。

確かに選ぶと言う行為は難しいかもしれません。何かを選べば、何かを捨てなきゃいけないから。それでも、エッセンシャル思考を身に付けるためにはこの「選ぶ」と言う行為は必須なんですよ。

要するにエッセンシャル思考の第一歩は「選択する」ということを選択することなんです。

ノイズ

皆さん「パレートの法則」ってご存知ですか。「80対20の法則」とも言われますが、これは「結果の80%は20%の行動が生んでいる」と言うものなんです。ちょっと分かりにくいですよね。たとえば、目標を達成するために10個のタスクがあったとするじゃないですか。そうするとその10個のタスクのうち、結果につながりやすいタスクって実は2つしかないんですよ。その2つのタスクを完了させてしまえば、目標の80%を達成できるという法則なんです。

これは19世紀末に経済学者のヴィルフレド・パレートさんという方が提唱した法則で、「重要な少数」が「瑣末な多数に」勝ると言う考え方です。要するに、先程のタスクの例でいくと、結果につながりにくい8つのタスクに集中するよりも、結果につながりやすい2つのタスクに全リソースを集中させる方が、より大きな成果物を生み出せると言うことです。

これって、まさにエッセンシャル思考の考え方ですよね。ここからわかるのは努力の量と成果は比例しないってことじゃないですか。要するにエッセンシャル思考の考え方では大多数のものが不要であると言う考え方なんですよ。

トレードオフ

これは言わずもがな。何かを選ぶって言う事は何かを捨てるって言う事じゃないですか。何かにイエスって言うって事はその他すべてにノーと言う事なんですよ。この現実を受け入れられないと、あれもこれも失うことになるんです。これは先ほどお話しした成功のパラドックスと同じで、優秀な人ほど陥りやすいんですよ。優秀だからこそ仕事が素早くこなせるからこそ全部できるって思っちゃうんですね。でも、あれもこれも全部やるなんて無理じゃないですか。

とは言えトレードオフを考えたくない気持ちもわかるんですよ。そもそもトレードオフが起こる状況って、どちらも捨てがたいっていう状況じゃないですか。「高い給料なのか、長い休暇なのか」「急ぎのメールに返信するのか、大事な会議に出席するのか」「よりスピードを重視するのか、それともより品質を良くするのか」どちらも望んでしまいますよね。どちらにもイエスって言いたくなりますよね。でも、それは不可能じゃないですか。

エッセンシャル思考は「どうすれば両方できるか」って言うことを考えるのではなくて、「どの問題を引き受けるのか」って言うふうに考えなきゃダメなんですよ。

トレードオフから目を背けても何にもいいことないんですよ。トレードオフからは逃れる事はできないんです。


このエッセンシャル思考の基本的な考え方を踏まえた上で、たくさんある選択肢の中から本質的なものを見極めるための技術を紹介していきたいと思います。


考えるためのスペースをつくる

数ある選択肢の中から本当に重要な、少数のことを見極めるためには誰にも邪魔されない時間が必要なんですよ。とは言え、忙しい毎日を過ごしてる中でそんな時間作る余裕ないですよね。そうなんですよ。誰にも邪魔されない時間ていうのは、あえて自分で時間を作らなければ自然になんて生まれないんですよ。

だから集中せざるを得ない状況を作るしかないんですよ。あのアイザック・ニュートンも「万有引力」を発見したときに、2年間、ほとんど1人で引きこもって考え続けていたんです。マイクロソフト創業者の、ビルゲイツも、1週間の「考える週」と言うものを定期的にとっているんですよ。それはじっくりものを考え、本を読むための時間なんです。

とはいえ、ニュートンみたいに2年間とか、ビルゲイツみたいに1週間とか、それだけ仕事から離れるのは難しいとは思うので、日々の中に小さな考える時間を差し込んでみてはどうでしょうか。一日思い切ってインターネットのつながらない宿に泊まってみるとか。スマホやPCを持たず全くのオフラインの環境を作ってみるとか。一日の始まりの20分間を読書に充てるとか。1日に2時間でも毎朝5分でも忙しい日常から離れて自分だけでいられる時間を確保してみてはどうでしょうか。

1時間の睡眠が数時間分の成果を生み出す

私たちの最大の資産は自分自身じゃないですか。自分への投資を怠って、心や体をないがしろにすると価値を生み出すための元手がなくなってしまいますよね。自分という資産を守らなきゃいけないんですよ。ところが、優秀な人たちほど、どんどん自分を壊してるって思いませんか。

その最大の原因が睡眠不足なんですよ。働き過ぎることってすごく簡単なことなんですよ。活動的で向上心あふれる人にとっては自分を酷使するのは苦痛でもなんでもないんですよ。本当に難しいのは働きすぎないように制御することなんです。

睡眠不足はパフォーマンスを低下させるんです。一日の徹夜だったり、1週間の4〜5時間睡眠によって「血中アルコール濃度の0.1%分に相当する機能低下が起こる」と言われてるんです。これはお酒を飲んで酔っ払っているときと、おんなじ状態なんですよ。酔っ払っている人を見て「いつも酔っているなんて、さすが働き者ですね」なんて言う人はいないじゃないですか。それなのに睡眠時間を削っている人はなぜか働き者だと評価されてしまうんですよ。

睡眠には体を休めるだけじゃなくて、脳をリフレッシュさせる役目があるんですよ。まとまった睡眠が取れない人は昼寝をするだけでもいいです。レム睡眠が1度でもあれば脳はバラバラな情報を統合することができるんですよ。

数多くある、どうでも良い選択肢の中から本当に重要なことを見極めるためには優先順位をつけることが必要なんですよ。目の前にある多くのチャンスはどれも同じくらい魅力的に見えるかもしれませんが、本当に重要なことなんてそんなにないんですよ。ほとんどは自分にとっては重要じゃないものばかりなんです。睡眠不足が引き起こすのは、それを見極める能力が落ちて優先順位がつけられなくなることなんです。十分な睡眠時間をとれば、洞察力が高まって、発想が広がって、より少ない時間でより良い成果を上げることができるんです。

このように本書ではエッセンシャル思考を身に付けるための技術がまだまだたくさん書かれているので気になる方はぜひチェックしてみて下さい。

今回は以上です

それでは素敵な1日を

読書家のヒデでした


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