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bishi_bashi
先生
ずらして焦らして恋をした
わたあめ浮かんだ白い空
緑を風が運んでゆく
うめいてわめいて次へ行く
落ちていた木の枝でアリの巣ふさいだの
錆びたおもちゃ箱ひさびさ手に取って
焦って転んでけがをした
誰も教えてくれなかった
大事なものがなくなった日
くらく高く見える空を
手に入れたものだけを数えて暮らしたい
いつかした約束は私だけ覚えてる
中学生の時、学校の先生が亡くなりました。
その先生が特別好きなわけではなかったのに、その話を全校集会で聞いた瞬間に何かがひっくり返りました。
その時に見た空がとても高く見えたこと、雲がとても白かったこと、木がわさわさと音を立てていたことを書きたくて。
あれからいろいろなことがあって、あの時の心の動きを「美化」と呼ぶのだと知りました。
大人になるって、昔感じたダイナミックな心の動きの名前を知っていくことなんですか?
その名前だけを知って、心の動きを知ったかぶることを「大人になる」というのなら、子供のままでいい。
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