コミュニティは、「待ち合わせ」からはじまる
6月からDiagonal Run Tokyo(以下、DRT)というコワーキングスペースでコミュニティマネージャーをやってみて感じたのは、リアルの場所があるということの強さです。
以前「コミュニティとコンテンツの関係」という記事で「 "コミュニティ"と "コンテンツ"は2つで1セット」と書いたのですが、ここに行けばいつもこういう記事が読める、ここに行けばいつもこういう人がいるという場をもつことがコミュニティのはじまりなのだなあと改めて感じています。
ただ、上記の記事でも書いた通り、場という枠だけで人が集まるわけではありません。
オンラインの場合も、ただ記事を読みにくるだけでは書き手と読み手の一方通行でしかなく、核となるコンテンツをもとに横のつながりを作っていくことが大事なのだと思います。
その時に気づいたのは、「核」ができた後に着手すべきなのは「待ち合わせ場所」を作ることなのではないか、ということ。
例えば、DRTのようなコワーキングスペースは、場という枠があることでその場に様々な人が集まっています。
しかし、ただ人を集めるだけでは個々が分断されている状態なので、何もせずに日常の中で交流が起きるなんてことはありません。
そこで必要なのは、時間と場所を決めて「こういうイベントをします」「無料相談会をやります」といった集まるきっかけづくりです。
そうしたきっかけを作る上で、リアルの場所が大きな強みになるということをこの1週間で強く感じました。
まずは、人やコンテンツを核にして人を集める。そして、そこに集まった人同士の横のつながりを作るために「待ち合わせ」をする。
こうした流れを通して共通言語や空気が醸成され、コミュニティとしてゆるいつながりが形成されていくものなのかもしれないな、というのが最近の観察結果です。
オンラインコミュニティでも「待ち合わせ」を再現してみる
この「待ち合わせ」理論は、リアルの場だけでなくオンラインでも適用できるのでは?というのが最近の私の仮説です。
コミュニティマネージャー同士で話すと、オンラインコミュニティをどう活性化させるか?という悩みをほぼ全員抱えています。
オンラインコミュニティもリアルのスペース同様、それ単体だとただの枠でしかありません。
例えば「毎週木曜19時〜20時はこの問いについてみんなで考える」といった定期コンテンツがあると、日頃アクションが少ない人でも参加ハードルがぐっと下がります。
普段Facebookグループを利用しているのであれば、イベントページを立てて「参加」にしている人だけFacebookメッセンジャーに招待し、チャットベースで流れるように会話するのもやってみると面白いかなと思っています。
さらにそのログを、体裁を整えて記事コンテンツとしてまとめ、Facebookグループ内で共有することで「次は私もやってみたいな」と思ってもらいやすいのかな、と。
これはサクちゃんさん&スイスイさんがやっている「スイスイサクサク よむラジオ」から着想を得たものですが、時間を決めてチャットベースであるテーマについて話し合う、というのは、最終的に文章化しやすいという意味でもいろんなことに応用できる手法だと思います。
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私の考えるコミュニティマネージャーの仕事は、「人のつながりによって新しいものが生まれる仕組みをつくる」ことです。
そのためには、そこに集まった人たちがもつ熱量を逃さず、セレンディピティが起きる土壌を整えることが大切だと思っています。
「枠」よりも「核」、そして人が交差する「待ち合わせ場所」。
しばらくはこうしたワードを頭におきながら、よりよい場づくりについて考えていきたいと思っています。
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(Photo by tomoko morishige)
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