「欲しい」から「買おう」に変化する2つのポイント
「これからの小売の話をしよう。」というマガジンを作るほど小売業界が好きな私ですが、小売の何がそんなに楽しいのかというと「人がものを買う心理」の考察です。
人の「買おう」スイッチが入る瞬間は商材によっても属性によっても異なり、その無限の組み合わせの中からケースごとに仮説を立てて実行・検証する過程にワクワクするのです。
そして私自身販売の現場にいて感じたのは、人がものを買う心理は理由の積み上げではないということ。
何かを売ることを考えるとき、下の図のようにメリットを積み上げた結果「購入ライン」に到達してはじめて購買が起きると考えがちです。
【一般的に考えられている購買心理】
だからこそものを売るときに “説明”をしたくなってしまうのです。
新機能や産地、製法など、こだわりがあればあるほどそれを伝えきれば購入にいたると多くの人が考えています。
しかし実際に人がものを買う心理は、下の図のようにまず購入ラインを突き抜けたあとに買わない理由を探し、それでも購入ラインを下回らなかったものが購入にいたるということが多いものです。
【実際の購買心理】
つまり商品そのものの魅力を「きっかけ」にして惹きつけた上で、買ってもよいという「いいわけ」を与えてあげることが販売員の仕事であると言えます。
特に情報の洪水が起きている今、よいと思うまでに説明の積み上げが必要なものはそもそも興味すらもってもらえないことがほとんどです。
どんなに商品にこだわっても、一瞬で「かわいい」と思わせることができなければ手にとってもらうことはできないのです。
Instagramが小売と相性がいいのは、ぱっと見で「ほしい!」と購入ラインを突き抜けさせる力があるからです。
しかしそうした見た目のアプローチだけではなく、その商品がある生活を具体的にイメージさせたり、口コミによって一気に「欲しい」という気持ちにさせることもできます。
今自分たちがやろうとしているのは「きっかけ」づくりなのか?「いいわけ」づくりなのか?
販売する上で常に意識しておきたいポイントです。
(Photo by tomoko morishige)
私のnoteの表紙画像について書いた記事はこちら。
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