わたしは「関係」を作っていきたいのだ
ワタナベアニさんのnoteはいつも心にグサッとくる記事や一言が満載で好きなのですが、特に「100個の仕事。」という記事は私自身ハッとさせられる内容でした。
有料マガジンなので詳細は課金して読んでいただきたいのですが、私はこの記事を読んだ瞬間、映画「リトルフォレスト」のセリフを思い出しました。
「何にもしたことが無い癖に、何でも知ってるつもりで、他人が作ったものを右から左へ移しているだけの奴ほど威張っている。
薄っぺらな人間の空っぽな言葉を聞かされるのにうんざりした。
他人に殺させておいて、殺し方に文句をつけるような、そんな人生は送りたくないって思ったよ」
このセリフは田舎の山奥で力強く生きる青年・ユウ太が、傷ついて地元に戻ってきた主人公・いち子と "まち"での仕事の話をしていたときのもの。
まるで自分のことを言われているようで、このシーンは映画を見て1年以上経った今も強く印象に残っています。
生まれた時から農家として「作る姿」を間近で見てきた私としては、東京での仕事が「流す」であることに抵抗を感じてきました。
モノや情報を右から左に流して、それで私は何の価値をこの世に創り出しているのだろう。
そんなうっすらとした不安を「作る」側の人間である登場人物からぴしゃりと言い当てられたような気がして、いまだに事あるごとに思い出すシーンでもあります。
日々の忙しさに負けて「流す」になってしまいそうなとき、私自身の介在価値について考えるようにしています。
私はどちらかと言えば「作る」より「伝える」側の人間なので、素敵!と思ったものを自分のフィルターを通して発信することが得意です。
ただ、そのとき作業的に「流す」のではなく、もっと深く「関係を作る」人でありたいと思っています。
「伝える」こと、それ自体は点でしかありません。
私たちは日々たくさんの情報に触れていますし、ひとつ公開したら関心はどんどん次に移っていきます。
でも、自分自身が本当に心が動いたもの、場所、人、そういうものを細くてもいいから長く大切にしていきたい。
記事にして終わり、ではなく、むしろそこから新しいプロジェクトがはじまっていくような、関係づくりの起点にしていきたいと思うのです。
私はあくまでフリーランスという外部の人間なので、地域に対しても企業に対しても特定のどこかに根をおろして最後まで責任をとれる存在ではありません。
でも、だからこそ、そのことを自覚した上で、私の作った「関係」の中から新しいものが生まれる土壌を作っていければと思っています。
土地を耕し、そこで「作る」人が必要なように、ミツバチとして様々な土地を行き交って新しい関係を生み出す人も必要なはず。
私はこれからも、「伝える」から「関係を作る」につなげるために日々試行錯誤していきたいと思っています。
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