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今週読んだ海外記事と雑感(2020.1.11)

今週もNewsPicksでピックしたニュースとコメントを転記してまとめておきます。
文末の有料パートでは気になったトピックに関して深掘りした感想を書いています。

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ロレアルが家庭用コスメパーソナライズ機器を開発

ロレアルがホーム用のパーソナライズ機器を開発。気温や湿度にあわせて最適なファンデーションやリップカラーを自動生成する仕組みとのこと。パーソナライズ機器といえば数年前に資生堂もスキンケアアイテムを自動生成する「Optune」をローンチしたのが記憶に新しいところ。
個人的には、ファンデーションやスキンケアなどは個人差が大きいこともあって選ぶのが大変なのでパーソナライズはありがたいと思いつつ、急に機械を買ったり定額制で支払うのはハードルが高いため、カウンターで定期的に自動生成してもらうプロセスを挟んだほうがスムーズにパーソナライズが浸透するのでは、と思ったりします。
また各社がパーソナライズをはじめた場合に、差別化ポイントはどこになっていくのかも気になるところです。

「ローカルショップ回帰」がネクストトレンドになるか?

2020年代の動きとして「ローカルショップ回帰」がキーワードになるという話は全面同意。記事の中に出てくる「巨大なモールでできることはすべてオンラインでもできる」という言葉が全てを言い表しているように思います。
一方で、これは単なる地元密着型のお店の魅力が再発見されているというカウンターカルチャー的な変化ではなく、「ラストワンマイルのサービス」というさらなる便利さを求めた結果なので、メインストリームになっていく変化ではないかと個人的には思っています。
つまり独立した店舗の魅力はありつつも、AmazonやZOZOなどのプラットフォーマーと連携することで商品の受け取りや返品を容易にし、彼らの出張所としての役割を持ちながらそこにしかない価値としてのコミュニティ育成が求められていくのかなと。

ファッション文化の担い手として台頭しはじめたeスポーツ

eスポーツのスタープレイヤーがAdidasやNikeなどのビッグブランドとオリジナルスニーカーやユニフィームの開発をする事例が増え、一時期のスケートブームの様相を呈しているという考察記事。スケートもそうですが、他の球技よりも日常着に近いファッションのため、着用アイテムが競技者だけでなく一般のトレンドとして広がっていきそうな気がします。
また記事にもありますが、eスポーツはスポーツブランドだけでではなくLVMHなどラグジュアリーブランドも注目している市場。
スポーツは熱狂をうむコンテンツだからこそ、その熱狂がどうライフスタイルに根ざした購買行動に影響していくかが気になるところです。

インスタ発ブランドが百貨店への卸業に注力し始めた理由

インスタをはじめとするオンラインマーケティングのコストが上昇した結果、百貨店への卸業が「有効なマーケティング施策になっている」と話すD2CジュエリーブランドのAdina’s Jewels。こうした動きをみていると、もはやD2Cブランドのボーナスタイムは終わり、従来通りに商品価格に卸売やマーケティングコストを上乗せしていかないと規模の拡大は難しいのだろうなという気がします。
という意味でも、D2Cブランドが従来型のブランドと比べてどのくらいの卸値で小売店に販売しているのかも気になるところ。一方で卸売をするということはラストワンマイルの顧客体験をコントロールできないということなので、ブランド体験が重要なD2Cブランドにとってこの施策が長期的に見て正しい施策かどうかは評価が別れるところだろうな、という気がします。

サブスクビジネスはモノからイベント・コンテンツへ

一時期流行したモノのサブスクビジネスですが、会員数の増加が頭打ちになり会員限定のコンテンツ配信やイベント参加を売りにするところが増えてきているとのこと。お菓子サブスクのBokksuの平均継続期間が8ヶ月というのは面白いデータです。
以前サブスクに関する考察noteにも書いたのですが、サブスクは「アクセス権の販売」のかたちがもっともワークするので、モノよりもお店やメディアとの相性がいいのは納得です。
今後は何かを作るキットのうなものをサブスク形式で販売しつつ、月に1回ほど会員で集まって一緒にモノを作ったり見せあったりする形式のビジネスも生まれるのではないかと思います。

ファッションRutiが取り組む未来型接客システム

顔認識技術を使って来店顧客のデータを瞬時に販売員に表示し、接客しやすくする仕組みを取り入れた店舗を「Ruti」というブランドが準備中とのこと。販売員時代に私も顧客データ管理はもっと効率化できるのでは?と思っていたので、理想としていた仕組みがかたちになりつつあるようでとても興味深いです。
特に現代は来店だけでなくECでの購入やSNSでの反応率など顧客の行動は多岐にわたり、接客の際にそうした事前情報があるだけでできることがかなり変わってくるはず。
たとえば自社SNSをフォローしてくれている顧客かどうかがわかれば、接客寺の第一声も工夫できます。個人情報保護とのバランスは今後課題になっていくでしょうが、利便性という意味では不可逆的な変化のように思います。

なぜP2Pサービスがブランド価値をあげるのか

P2Pのシェアリングサービスの成長がリセールを中心に盛り上がりを見せていますが、「P2Pが顧客を『語り手』にする」という視点は面白い。記事ではairbnbと家具ブランドのFloydのコラボ例が出ていますが、スーパーホストの家に自社の家具を提供して宿泊者に商品を体験してもらうという流れは、今後あらゆる場面で増えていきそう。
たとえば個人が運営しているコミュニティや主催しているイベントに企業がスポンサードしてそこに参加している人たちにアプローチしていく、など。
つまりこの変化は、個人と企業の壁が溶けて個人も同じようにコミュニティやメディア、ブランドを立ち上げられるようになり、それをマネタイズする手法としてP2Pプラットフォームがあり、結果として企業のスポンサー対象として浮上してきているということなのかなと思います。

2020年、小売はメインストリートに戻ってくる

郊外型ショッピングセンターはもはや「買い物」のための場所ではなく、「余暇を過ごす」「人とつながる」ための場所になり、買い物の利便性を高めるための店舗は都心の小型店に集約されていくという話は納得。また「アイスクリームミュージアムのその先」という表現にもあるとおり、体験といっても単に写真を撮って満足する一瞬消費型ではなく、行きつけのレストランやヨガスタジオなど長く通いたくなる場所、集いたくなる場所をいかにつくるかが大事になっていくのかなと。それに加えて、オンライン注文したものが一気に商業施設で受け取れたりするとお店に足を運ぶきっかけになりそう。
いかに「生活導線に組み込まれる場所になるか」が、今後の郊外型ショッピングセンターの肝になっていきそうです。

リアル店舗は死なない─新たな出店モデルとは

デジタルネイティブブランドの出店が相次いでいますが、短期出店パートナーとしてのLeapの動き方が面白い。特に販売員のアサインに関して、別ブランドの近隣店舗を同時に任せることで質の高い人材を有効活用している点は今後テクノロジーが進化して細かい雑用部分を機会が代替してくれるからこそ、増えていきそうなワークシェアリングのあり方だと思います。
またこれまでは長期契約が商用不動産では当たり前でしたが、Leapのような企業が借りあげて90日に細分化して貸し出し、さらに内装や人材の手配でマネタイズするという方式は今後日本でも必要とされていきそうです

Instagramのショップ紹介アカウント @shop の役割とは

ソーシャルコマースに力を入れるInstagramですが、「@shop」というアカウントでブランドの紹介をしているのはこの記事を読んではじめて知りました。公式に取り上げられたことでどれだけ売上や認知拡大につながったかは非公開のようですが、記事のコメントにもあるとおり公式に取り上げられることで箔がつき、特定カテゴリの中でプレゼンスが高まるのは間違い無いと思います。
こうした施策をみていても、Instagramはプラットフォームでありながら小売分野ではアクセラレーターとしての役割に注力しようとしている姿勢を感じます。

今週ピックしたニュースは、年始らしく『これからの店舗はどんな位置付けになっていくのか』といった長期的視点で分析したものが多かったような気がします。

その中でも私が気になったテーマは『都会型店舗と郊外型店舗のあり方』について。

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