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今週読んだ海外記事と雑感(2019.10.5)

今週もNewsPicksでピックしたニュースとコメントを転記してまとめておきます。

有料部分では、その週に読んだ記事を総合して考えたことや個人的な雑感などを書いていきます。

▼私のNewsPicksアカウント

Uberが優良ドライバーを対象とした大学無償化プログラムを提供開始

Uberがイギリスで優良ドライバーに対する福利厚生として大学授業料の無償化を提供開始。本人だけではなく家族にも適用可能なため、教育費の問題から進学が難しい家庭でUberの優良ドライバーを目指す流れが起きてくるのかもしれません。
またスターバックスやマクドナルドも大学や通信コースを通した学位取得を無償化し始めており、ワーキングクラスの従業員を多数抱える企業が教育格差是正を主導し始めていることを感じます。

フィンテックスタートアップがレストランを経営するワケ

スタートアップ向けのコーポレートクレジットカードを提供する「Brex」がサンフランシスコの古いカフェをリノベーションしてカードホルダー限定のレストランをオープン。VCを紹介したり起業家同士をつなげたりと、スタートアップに特化した企業が作った場所ならではのコミュニティが形成されているようです。
このBrexのカフェで特筆すべきは、コワーキングではなくあくまでレストランという立て付けにしたことで、訪れるハードルを下げたところではないかと思います。
事業とシナジーをだすことを考えるとどうしても仕事を意識する場を作ろうとしがちですが、実は「何もなくてもきていい場所」の方が、結果的に事業にもリターンのある熱量をうむのではないかなと。
ちなみに昨年韓国に行った際、現代カードもカードホルダーへの特典としてレコードショップ併設型の図書館を作っていました。
https://note.mu/qzqrnl/n/n118c46c14252
ここが盛り上がっていたのも、本屋ではなくあえて図書館という「無料で誰でもきていい場所」にしたこととレコードという今若者に流行っているアイテムをうまく組み合わせたことにあるのではないかと思います。

AlibabaとRichemontがラグジュアリーECのジョイントベンチャーを設立

リシュモンがアリババとラグジュアリーECのジョイントベンチャーを設立。リシュモン傘下にはYOOX&Net-A-Portarもありますが、急成長する中国市場によりフィットしたEC展開を見据えた動きかなと思います。
「2025年には世界のラグジュアリーマーケットのほぼ半分を占めるだろう」とアリババCEOのコメントもかなり強気。
ちなみにYNAPのライバルでもあるFarfetchはJD.comと提携しており、こちらの提携の強化や次の打ち手も気になるところです。

ファッションブランドへと進化を遂げたフィットネスクラブ「SoulCycle」

現代版フィットネスクラブのSoulCycleがD2Cビジネスに舵を切ったもよう。ユニークなのは、オリジナルアイテムを売るだけではなく、彼らのインストラクターをインフルエンサーとして活用し、販売額の一部をバックするアフィリエイトプログラムを提供開始したこと。
結果的に物販売上が昨年比2倍近くまで伸びているというのを見ると、モノを売る上でいかに「体験」ドリブンであることが重要かを感じます。

ホームパーティーグッズのレンタルサービス「Social Studies」

ホームパーティーに特化した器のレンタルサービスが誕生。ゲスト1人あたり$30〜50で食器やカトラリー、テーブルクロスからお花やネームタグまでパーティーを彩るアイテムがすべて丸っとレンタルできます。
ここ数年コミュニティが重要視されていますが、「人が集まる場所づくり」をサポートするのはこれから伸びていきそうな領域。
特にSocial Studiesの本拠地であるNYは外食費がかなり高いので、食材費を入れても1人$50ほどで収まる「ちょっと豪華なホームパーティー」は、外食のリプレイスとして流行りそうな気がします。
今後さらに規模が拡大していけば、コーディネートのバリエーションを増やした上で目的や好みにあわせて自動でレコメンドしたり、そこからオプションとしてパーティープランナーへの相談もできるようにしたりと成長の余地も大きそう。
個人的には、使われた回数に応じてうつわやカトラリーの作家にも還元できると、業界としてよりサスティナブルな仕組みを作っていけるのではないかと期待しています。

有名ブランドの参入が加熱するリセール市場の今

Real Realなどプラットフォームを中心に成長しているリセール市場ですが、最近はブランド自身がリセールを行う事例も増えてきており、その仕組みを支える企業のニーズが高まっている、という話。
ブランド公式であれば偽物や著しく状態が悪いものに当たることもないでしょうし、ユーザーとしても安心して買い物できそう。
一方で中古はレンタルと一緒でこれまでの流通チャネルとは別の設計が必要になるので、ブランド単体くらいの規模感であれば多少儲けを捨ててでも自分たちで構築しようとせず、仕組み自体を提供している企業と組むのがよいのだろうなと思っています。
ちなみに
"Brands have better access to the supply than any third-party marketplace because where they know where it all is"
に関しては絶対そんなことないだろ!笑と思ってしまったのですが、レンタルにせよ中古にせよ「どこにどの在庫があるかすべてわかっている」状態にすることがそもそものスタートなんだろうなあ、と思いました。

Instagramが「商品発売開始」通知機能のテストを開始

Instagramが一部のブランド向けに、ユーザーが「商品発売開始」のリマインド通知を受け取れるようにする機能をリリース。テスト対象は大企業がメインですが、この機能を使えば事前に情報をリリースした上でリマインダー設定している顧客の数にあわせて生産数をコントロールすることができるという意味で、小規模事業者にこそ恩恵が大きそうな気がします。
また例えばプロトタイプやイメージだけアップして「◯人集まったら商品化します」といったクラウドファンディング的な使い方もできそう。
Instagramはすでに本国ではショッピング機能をつけていますが、単に買い物を簡単にするだけではなく今っぽい機能を開発しているなと思います。

マッキンゼーが初の直営店舗をオープン

最近は異業種から小売に参入する事例も増えてきましたが、マッキンゼーも自分たちの店舗「Modern Retail Collective」をオープン。注目のD2Cブランドを集め、最先端のリテールテック体験の場として活用していくもよう。
ここで得たデータや知見をコンサルティングに生かすという意味では、R&Dとしての店舗の使い方という新しいあり方だなと思います。
こうした「新しいものを体験してみたい」というニーズも一定数あるでしょうし、美術館/博物館的な立ち位置で人気が出そうな気も。

Google Shoppongの新機能は、Instagramの牙城を崩す切り札となりえるか

Google ShoppingがGoogle Lensの画像認識技術を活用したコーディネート提案機能をローンチ。手持ちのアイテムやサイト上の画像をアップロードすると、似たアイテムを使ったコーディネート案が表示されます。
個人的には、コーディネートよりも撮ったアイテムに近いものを販売しているサイトを表示させる方がニーズあると思うのですが、あえてコーディネートにした理由が気になります…!ちなみに同じ機能を昨年Pinterstもローンチしていますね。
https://about.pinterest.com/en/lens
機能としてはとても可能性を感じるのですが、記事にもあるとおりネックはGoogle LensをDLしなければならないこと。アプリをDLさせるにはこの利便性だけでは難しい気も。
たとえばクローゼットの中の洋服全部を撮ってストックしておけば、そのアイテムを使ったコーディネート(=買い足すのにおすすめのアイテム)が日々更新されるタイムラインがある、などであれば面白いかもと思ったり。
コーディネートアイデアはアイテムをみた瞬間よりも、日常の中でアイデアとして触れるつくりの方が需要があるような気がしています。

Browns流「街に溶け込むポップアップストア」の考え方

ロンドンの老舗セレクトショップ「Browns」がベルリンで11月に3日間のポップアップイベントを開催。地元のクリエイターとコラボしてセッションやパフォーマンスを用意するとのことで、今後はポップアップイベントも単に商品を持っていくだけではなく、いかにその地域を巻き込んでコミュニティを形成するかが重要になっていくということを改めて感じます。

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今回、個人的に一番ヒットだったのはホームパーティーグッズのレンタルサービス「Social Studies」。

これ、単に食器類のレンタルにとどまらない可能性を秘めていると思っています。

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