必要なのは、説明よりもインパクト
「超主観的・美しい小説タイトルTOP10」というエントリを書いて改めて思ったのですが、最近こういうすっきりしたタイトルの書籍が減ってきたように思います。
"Simple is Best" や "Less is More" など削ぎ落とすことの重要性を語る言葉は数多くあるものの、残念ながら説明が多すぎてごちゃごちゃしてしまい、よさがうまく伝わっていないものが多いのではないかと。
その筆頭が映画のポスターなのではないかと思います。
以前「#女性映画が日本に来るとこうなる」というタグがTwitterで盛り上がっていましたが、こうして見比べてみると日本のポスターは情報過多なんだなということがわかります。
アカデミー賞◯冠や冗長なサブタイトルなど、見に行く「きっかけ」をこれでもかとポスターに詰め込む手法は、ポスターからしか情報を得られなかった時代ならいざ知らず現代ならスマホですぐに調べられるもの。
これからはポスター1枚にごちゃごちゃと情報を載せるのではなく、「おっ」と思わせるインパクトのあるつくりにして、その場で調べて「こういう話なのか、面白そうだから見てみようかな」と思わせる流れが必要なのではないかと思います。
人の心理としても、気になって調べた作品はただポスターを眺めて「ふーん」と思った作品よりも記憶に残りやすいもの。
ユーザー側に行動を起こすきっかけを与えることが、こうしたクリエイティブの意味として大きくなっていくのではないかと思うのです。
とはいえ、いわゆる折り込みチラシ的なごちゃっとしたつくりが直接的な購買に結びつきやすいのも事実。
実際ユニクロが未だに折り込みチラシのフォーマットはスーパーに近いデザインにしているのは、あのフォーマットがもっとも売りにつながりやすいからだといいます。
販促的な売りにつなげるためのメディアとブランディングと認知を意識したメディアを、それぞれに使い分けるのが賢いやり方なのかもしれません。
映画も今のフォーマットが一番動員しやすいのかしらと思いつつ、どこか実験的にすごくシンプルでクリエイティブにこだわったポスターを使って、消費者の反応を見てみてほしいなと思う私なのでした。
(Photo by tomoko morishige)
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