『自傷的自己愛』の精神分析 斉藤環 角川新書

 生きていると、自分のことを貶す人、自分のことをダメだという人に出会うことがある。その人は、そんな発言をする割には、よく考えると「実は」自分が好き、「実は」自分が大事なんじゃないかと思っていた。
 すごく不思議だったんだ。嫌いと言っている割に、自分が可愛いんだね?という感じが。
 この本には、そういう人がどういう特徴を持っていて、どういうふうに接すると良いのかということが書いてある。そして、そういう人を「自傷的自己愛」を持っていると定義している。
 以下に箇条書きにしてみる。
 ・自分が無価値な人間であるということは自分が一番よく知っているのだから、他の何人にも否定されたくない という信念をもっている。
 ・自分がダメなことに関しては誰よりも自信があるので、その自信まで否定され、傷つけられたくない。
 ・実は自己愛が弱いのではなく、自己愛が強い。→自分がどう思われているかについて、常に考え続けているほど自己愛が強い
 ・この本では自己愛とは、「自分のことが好き」というだけでなく、「自分自信でありたい」という欲望のこと。自己肯定感だけではなく、自己批判自己嫌悪など否定的な要素も含めた自己愛である。
 
 なかなか複雑である。どう対応していいかわからなくなる。だって自分をめちゃくちゃけなしているのに、自分のことが実は好きだから(自分では自分のことをけなしている)

そのような人に対応する方法として、
・なぜ自分がダメな人間かを主張して自己否定を繰り返す→あなたが自分を責めたい気持ちはわかったけれど、私はそれに同意できないよ。

というのが大切らしい。
 ちなみに、原因は歪な親子関係が一番多く、二つ目に、いじめを含む思春期の被害体験だとのこと。
 親子関係大事だね。ほとんどの人は、大なり小なり親子関係のトラウマを打破する必要があるという人もいるくらい。
 今回のnoteは、少しわかりにくい内容だったけれど、本はすごく読みやすいので興味があれば一読を勧めます。

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